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森羅万象 ~ 歩く印象派

米特使、「原爆使用が何百万人もの日本人の命救った」

2007年07月04日 22時18分53秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

2007年07月04日19時00分朝日COM

 米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題特使(前国務次官)は3日の記者会見で、広島・長崎への原爆投下について「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の万単位の人命だけでなく、文字通り、何百万人もの日本人の命を救ったという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致する」と語った。
 米国とロシアの核軍縮枠組みづくりに関する会見での発言で、久間前防衛相の発言問題と直接絡んだものではない。ジョセフ氏は、「原爆を使用した米国が核不拡散について訴える道義的な根拠があるのか」との質問に対し、「米国は核不拡散で指導的立場に立ってきた」などとかわした。
 米国の歴史学者の間では、原爆使用と終戦の因果関係は必ずしも明確ではない、という学説が有力だ。だが、特使発言のような見方は、保守派を中心に米国内でなお根強い。米政府はこれまで原爆使用について謝罪したことはなく、ジョセフ氏もこれまでの流れに沿って原爆投下の正当化論を繰り返したものとみられる。

>「久間前防衛相の発言問題と直接絡んだものではない」とあるが、久間発言はこの流れを容認しようとしたように映る。

年金問題で窮地に立っている自公に塩を贈るような話だが参院選でなんとか勝ちたいと一発逆転をねらうなら米国に対し「原爆使用について謝罪」要求する決議を国会で挙げられてはいかがなものであろうか。多分,満場一致で議決されるはずだ。

その議決を阻止するために米国の議員有志が日本の有力紙に「原爆投下の正当性を訴える全面広告」でも出したりしたら面白いのだが。

まあ、「数ある決議の中の一つに過ぎない」と気にもとめないか。

しかし、アメリカは「大量破壊兵器」である核爆弾を生身の人間に対して用いた唯一の国であることは絶対に忘れてはならない。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
戦争は終わらない (賽目)
2007-07-05 00:37:52
このニュースの意味を考えるにつけ、なにかよくわからない思いがします。

ぼくが子どものころは戦争の記憶が生々しく、近くに空襲にやられた人や、疎開した人、原爆の被害にあった人がたくさんいた。子どものころ、またその話かと嫌な顔をしたら、それでもおまえらに話すのだ、話す人が一人でもいれば、戦争はよくないことだといつか思うだろう。

それが「戦争を知らない子どもたち」のひとりだった。いま、彼ら彼女らの気持ちがよくわかるのは、そうした実際に「戦争」の被害にあった一般庶民が老いていなくなっていくと、これ幸いに、あれはなかっただとか、本当はこうだったのだとかと、ばかげたことを言い始める。

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そして (賽目)
2007-07-05 00:54:57
そして、戦争のことを話さなくてはいけない、話し続けなくてはいけないと思い続けてきた人の心の意味をようやく知るのである。この国は信用できない。彼ら彼女らがなにもいわなくなったら、こうなるであろうことをいちばん知っていたのは彼ら彼女らだったということ。そのことにいまさらながらに気がつくのである。
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賽目さんへ (RESANDO)
2007-07-05 12:50:04
「よい戦争」 THE GOOD WAR (スタッズ・ターケル)
みたいな本は日本には無いんですか?

もっとも、今はこの本↑も探すのが大変なんだけど。
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ターケル (賽目)
2007-07-05 14:12:52
鎌田さんがターケルのまねごとみたいなことをしていた時期があったけど、戦争はやらなかったですね。日本って戦争を語り継ぐとかいいながら、ジャーナリスティックな意味でこうした大部な本を作ることはなかったですね。日本の出版文化って、基本的に翻訳中心なんですよね。そのほうがお金がかからないから。取材費をかけて、経費をかけて、という動きはほとんどないです。

アマゾンで見たら「よい戦争」、3500円から、なんと56,720円という値段も付いていました。
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戦後60年かけた過小評価の歩み (>賽目さん       ZERO)
2007-07-05 19:29:38
プルースト『失われた時を求めて』の翻訳者である鈴木道彦さんが、6月26日付の「東京新聞」に一文を寄せていました。

「過去の反省と他者への想像力」題した論考で、現在の北朝鮮報道のあり方に対し「マスメディアが声を揃えて毎日のように北朝鮮の脅威を伝えるのを見ていると、それ自体が不気味でさえある。ひたすら「鬼畜米英」への憎悪を煽って「愛国心」を書きたてた大戦中の報道を連想する」そして「それ以外の論調はいっさい許さない、といった風潮もはなはだ危険なものに見える。」とのべておられます。

つまるところは「いったい戦後の日本は一度でも、本当に過去の植民地支配を反省したことがあったのだろうか」と疑問を述べ、アジアの他民族に対する加害への無反省、もっというなら過去を忘却、正当化しよう(薄めよう)とつとめたいわば、加害の歴史の過小評価の60年が日本の戦後史だったのではないかと実感したそうです。

「たとえ口では「反省」を表明しても、その本心は、植民地支配から生まれた在日朝鮮人の処遇や日朝・日韓関係に具体的にあらわれている。」と看破されていました。
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北朝鮮 (賽目)
2007-07-05 19:52:01
北朝鮮というのは、実は日本そのものなんだと思います。実態としても、イメージとしても。そのことを知っているから、余計になにがなんだか、よくわからなくなってくる。

「反省」という言葉がふさわしいのかどうかはいつもわからないでいるのだけど、少なくとも「他者への想像力」の欠如は日本のいまのいちばんの病だと思います。それはコイズミという滑稽な首相がもたらした国民的な病だとも思います。
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紙面借ります (RESANDO)
2007-07-05 21:41:42
>日本の出版文化って、基本的に翻訳中心なんですよね。
>そのほうがお金がかからないから。
>取材費をかけて、経費をかけて、という動きはほとんどないです。

これはすごく納得できる。(笑)

「良い戦争」に56,720円の値段は納得いきませんが。
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本の値段 (賽目)
2007-07-06 01:58:32
>RESANDOさま
本の値段って不思議です。日本を離れる前に大量の本を処分しました。ヤフオクでやったのですが、写真集を中心にかなりの高額で売れました(販売した額で生活費がまかなえました)。最後は古書店が二束三文でもっていきましたが、地道に売ればその100倍ぐらいの値は付いたでしょう。

日本の出版社で取材経費を出して単行本をつくるケースはきわめてまれです。翻訳、雑誌や新聞の連載、などなど。単行本を育てていく文化があったら日本の出版社ももっといい意味で成熟していったのでしょうが、いかんせん売れないですからねえ。売れたら売れたで、ものすごいぱくりのあらしです。柳の下のドジョウならいいけど、そうじゃないほど、みにくいものがありますからね。
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ターケルの (>賽目さん>RESANDOさん      ZERO)
2007-07-06 17:12:26
「よい戦争」
2,530円で購入。
本日、到着。
今夜、目を通してみます。

>RESANDOさん 
ターケルトは違いますが
以前
『昭和陸軍の研究』(朝日新聞社)保阪 正康著
読んだことがありますが、かなり膨大な当時の方々への取材に基づくもので一読の価値があると思います。
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えー! (RESANDO)
2007-07-06 22:18:02
か、買ったんですか?
暇な学生時代、図書館で完全読破したんですが、
読み応え十分ですよ。(読みやすいけど)

何かを主張する訳でも無く、淡々と戦争に纏わる
思い出話が書いてあるだけ。

そこから浮かび上がってくる「戦争」と言う得体の知れない物。
いや、戦争だけじゃない。
当時の人種差別とか人々の貧困とかも。

しかし、著者の思想や主義主張は微塵も感じられません。

こんな本が欲しかった!と思った一冊でした。

絶対に「小林よしのり」よりは必読です。

昭和陸軍の研究:
図書館で探してみます。

個人的には:
年齢誤魔化して14歳で軍に入隊したインディアン少年
の話が面白かった。(面白いって、不謹慎だけど)
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