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森羅万象 ~ 歩く印象派

キノコを学問する の巻

2010年09月14日 07時08分59秒 | 歩く印象派
タマゴタケというキノコがあります。
その名の由来ですが下の写真の一番左をごらんになると一目瞭然です。
まるでタマゴそのものですね!

(上記写真は上野科学博物館「キノコ展」より)

講師の一人である中林氏から「積温」について教えてもらった。
積温(せきおん)というのもキノコを採取する時期を占う大事な指標です。
毎日の最高気温と最低気温の差を計り、その累計したものを積温というそうです。
花粉症の発症時期や、ブドウなど果実の熟度や糖度を予想するときにも使われる指標です。
キノコの場合もいつ頃から発生するのかがこれで判断できると伺いました!

今年のように、暑い日が続くと「積温」は順調に累積されキノコのシロはかなり発達し、どうやら大豊作みたいです。
シロがしっかりと成長しないとキノコは発生しないということです。
あとは、まとまった雨が降ってくれるかどうかがカギとなります。

さて、今回採集したキノコの鑑定結果(!?)をご紹介します。

チチタケ

傷をつけると白色の乳液を分泌することから「チチタケ」と呼ばれます。
(栃木では「チタケ」と言います。うどんの出汁として使います。)

ウスイロカラチチタケ

これ、チチタケの仲間ですが、まったく食べるのに適しません!
毒ではありませんが、とにかく辛い!辛いんです。
ほんのちょっとなめてもすごく辛いです。しかも、唐辛子のような
旨味のある辛さではなく強烈な痛みを伴います。見た目が地味なので
採集したくなりますが、絶対に食べてはいけません!
仲間に「ハイイロカラチチタケ」というのがいます。これも辛いそうです。

カラハツモドキ
これも辛いです。
上のカラチチタケほど強烈ではありませんが、避けたいキノコです。

ハツタケは傷つけると青変しますが、このキノコはしません。

ヒビワレシロハツ

このキノコは食べられるようですが残念ながら美味しくないそうです。
傘の上面中央部がやや黄色いのが特徴です。
ボソボソして非常にもろいです。もろいのは細胞が丸いからだそうです。

シロハツの見分け方も教わりました。
ひだのつけ根に淡青色のリングがあることです。
この有無で判断します。
よく似たアイバシロハツに注意してくださいと言われました。
これも「淡青色のリング」の有無で判断するそうです。

ヒメカタショウロ

毒です!
見分け方は真ん中から切ってみると断面が黒いのですぐにわかります。

クサウラベニタケ
いわゆる「イッポンシメジ」の毒の方です。

特徴は全体が華奢なこと。
もっと決定的なのがカサが非常にうすいこと
下の写真を参照ください。
厚く見えるのは「ひだ」です。

誤食すると嘔吐や下痢に見舞われます。

食べられる方のイッポンは「ウラベニホテイシメジ」が
正式な名前です。
軸がしっかりしていてカサも厚いです。

アマタケ

美味しいんだそうですが、小型のキノコなので
量の確保が難しいみたいです。

シロカイメンタケ

食べられません。サルノコシカケみたいに硬いキノコです。
明るいオレンジ色が森の中ではひときわ目立ちました。


最後に講師の先生から「お店で売られているキノコでも中毒例があるのでご用心ください。」と言われました。
長野県あたりで「ハイイロシメジ」というのが売られていて、実際、これを食べて中毒を起こした人がいるそうです。

また来週も「学問」してきますのでお楽しみに♪


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