世は「就活」「婚活」まっ盛り。
いつからこの「~活」という表現が流行だしたんでしょう?
そういえば・・・小学校や中学校で「特活」(特別活動)ってのがありました、よね?
ちょっとネットで見てみると、なんと「婚活」サイトと多いこと!
他に、「恋活」「友活」「妊活」「朝活」「母活」「静活」など様々。
「静活」の「活」は「活動」ではなくて「生活」、静かな生活を送りましょうって事のようです。
そしで本作は「終活」。
「人生の最後を如何に締めくくるか?」ということです。なかなか上手いネーミングです。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン主演の「最高の人生の見つけ方」の「バケット・リスト」では
本人が「死ぬ前にしたいことリスト」だったのに対し、
本作のタイトル「エンディングノート」は「したいことリスト+家族への申し送り」のようなもの。
近親者として誰に訃報を伝えるかや、銀行口座の引き落とし日などの諸手続きなどなど、
伝えておかなければならないことっていろいろありますね。
**********************
エ ン デ ィ ン グノ ー ト
**********************
平日の昼下がりだというのに映画館はほぼ満席。
ほとんどが中高年で、ご夫婦での鑑賞が多いようでした。
深刻なテーマであるにもかかわらず、何度も笑いが起こり、最後にはすすり上げる音があちこちから聞こえました。
わたくし、終活に大忙し。
主人公は砂田智昭さん、69歳。
そして砂田さんの次女麻美さんが監督・撮影・編集・ナレーションの一人四役をこなしておられます。
本作は麻美さんの第1回監督作品です。
会社を引退して2年後の2009年、毎年受けていた検診で癌が発見された時は、
すでに手術不可能な末期状態。
ガン告知後、戦後日本の高度成長を駆け抜けた元熱血営業マンの砂田さんは、
人生最後の一大プロジェクト、死に至るまでの段取りに取り組む。
いつの間にか「死」が非日常となり、描くことも、語ることも避けられるようになった昨今
人が死を迎えるというのはどういうことなのかを知る貴重なドキュメンタリーです。
あれほどふくよかだったのに・・・8kg、10kgと痩せ細ってしまった姿が痛々しい。
宣告を受けてから、その日を迎えるための段取りが粛々と行われます。
葬儀会場を教会と決め、神父さんと面談。
年老いた母を連れての家族旅行。
孫たちとのふれあい などなど。
監督は、昔から家族の写真を撮っていたんですねぇ。
何年も前に両親の夫婦喧嘩のシーンをこっそり撮っていたなんて・・・。(こんなの出していいの?!)
父親の日常、退職時会社での送別会の様子、そして告知から亡くなるまでの姿を、
母、姉、兄、兄嫁、姪っ子たち、祖母と共に淡々とフィルムに収めている。
お父様から、またご家族から、撮らないでほしいといわれることはなかったんでしょうか?
ご家族も撮られていることをほとんど意識することなく、ごく普通にふるまっておられる姿に驚きました。
私なら、死を迎える本人の立場でも、見送る家族の立場でも、絶対撮られたくないし、
きっと取り乱して泣いたり、カメラを止めろと怒ったりしちゃうだろうなぁ。
これは小説家が私小説を書くがごとく、映画監督はプライバシーに踏み込むという、
家族として被写体になるという覚悟というか諦めのようなものなんでしょうか?
最後の最後までユーモアを持って前向きに生き、病と闘い、家族に面倒をかけないようにあれこれ段取りを
する律儀な姿、奥様の身を案ずる姿に、素直に感動し、涙がこぼれました。
戦後の高度経済成長を引っ張ってきたこの世代の企業戦士たちはサムライやねぇ。
しかしまぁ、息子さん。お顔立ちも、段取り好きもお父さんそっくりで笑いました。
家族が亡くなった後って、通夜に葬儀、諸手続きが次々押し寄せ、
悲しみに包まれている暇なんてないんだなぁ~と実感しました。
悲しみや喪失感はすべてのことが終わった後、ちょっと時間が経過してからくるんでしょうね。
湿っぽくならず、笑いに包まれたことも多かった、天晴れな終活でした。
こんな私的な記録をつぶさに見せていただいて・・・ありがとうございました
いつからこの「~活」という表現が流行だしたんでしょう?
そういえば・・・小学校や中学校で「特活」(特別活動)ってのがありました、よね?
ちょっとネットで見てみると、なんと「婚活」サイトと多いこと!
他に、「恋活」「友活」「妊活」「朝活」「母活」「静活」など様々。
「静活」の「活」は「活動」ではなくて「生活」、静かな生活を送りましょうって事のようです。
そしで本作は「終活」。
「人生の最後を如何に締めくくるか?」ということです。なかなか上手いネーミングです。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン主演の「最高の人生の見つけ方」の「バケット・リスト」では
本人が「死ぬ前にしたいことリスト」だったのに対し、
本作のタイトル「エンディングノート」は「したいことリスト+家族への申し送り」のようなもの。
近親者として誰に訃報を伝えるかや、銀行口座の引き落とし日などの諸手続きなどなど、
伝えておかなければならないことっていろいろありますね。
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エ ン デ ィ ン グノ ー ト
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平日の昼下がりだというのに映画館はほぼ満席。
ほとんどが中高年で、ご夫婦での鑑賞が多いようでした。
深刻なテーマであるにもかかわらず、何度も笑いが起こり、最後にはすすり上げる音があちこちから聞こえました。
わたくし、終活に大忙し。
主人公は砂田智昭さん、69歳。
そして砂田さんの次女麻美さんが監督・撮影・編集・ナレーションの一人四役をこなしておられます。
本作は麻美さんの第1回監督作品です。
会社を引退して2年後の2009年、毎年受けていた検診で癌が発見された時は、
すでに手術不可能な末期状態。
ガン告知後、戦後日本の高度成長を駆け抜けた元熱血営業マンの砂田さんは、
人生最後の一大プロジェクト、死に至るまでの段取りに取り組む。
いつの間にか「死」が非日常となり、描くことも、語ることも避けられるようになった昨今
人が死を迎えるというのはどういうことなのかを知る貴重なドキュメンタリーです。
あれほどふくよかだったのに・・・8kg、10kgと痩せ細ってしまった姿が痛々しい。
宣告を受けてから、その日を迎えるための段取りが粛々と行われます。
葬儀会場を教会と決め、神父さんと面談。
年老いた母を連れての家族旅行。
孫たちとのふれあい などなど。
監督は、昔から家族の写真を撮っていたんですねぇ。
何年も前に両親の夫婦喧嘩のシーンをこっそり撮っていたなんて・・・。(こんなの出していいの?!)
父親の日常、退職時会社での送別会の様子、そして告知から亡くなるまでの姿を、
母、姉、兄、兄嫁、姪っ子たち、祖母と共に淡々とフィルムに収めている。
お父様から、またご家族から、撮らないでほしいといわれることはなかったんでしょうか?
ご家族も撮られていることをほとんど意識することなく、ごく普通にふるまっておられる姿に驚きました。
私なら、死を迎える本人の立場でも、見送る家族の立場でも、絶対撮られたくないし、
きっと取り乱して泣いたり、カメラを止めろと怒ったりしちゃうだろうなぁ。
これは小説家が私小説を書くがごとく、映画監督はプライバシーに踏み込むという、
家族として被写体になるという覚悟というか諦めのようなものなんでしょうか?
最後の最後までユーモアを持って前向きに生き、病と闘い、家族に面倒をかけないようにあれこれ段取りを
する律儀な姿、奥様の身を案ずる姿に、素直に感動し、涙がこぼれました。
戦後の高度経済成長を引っ張ってきたこの世代の企業戦士たちはサムライやねぇ。
しかしまぁ、息子さん。お顔立ちも、段取り好きもお父さんそっくりで笑いました。
家族が亡くなった後って、通夜に葬儀、諸手続きが次々押し寄せ、
悲しみに包まれている暇なんてないんだなぁ~と実感しました。
悲しみや喪失感はすべてのことが終わった後、ちょっと時間が経過してからくるんでしょうね。
湿っぽくならず、笑いに包まれたことも多かった、天晴れな終活でした。
こんな私的な記録をつぶさに見せていただいて・・・ありがとうございました