映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

最高の人生の見つけ方  THE BUCKET LIST

2008-05-17 | 映画 さ行
突然、あなたの命はあとわずかと宣告されたらどんな反応を示すだろう?

アメリカでは医者が患者に命の宣告を告げるのは当然のことのようだ。
患者には自分の命が後どれくらいかを知る権利があると考えるらしいし、
告げなかったことで訴えられるリスクというのもあるのかもしれない。

それはたとえ子供であっても例外ではなく、
家族が秘密にして欲しいと頼んでも、聞き入れられるものではないようだ。

映画の中でモーガン・フリーマン扮する物知りのカーターが、
「96%の人は知りたくないといっているが自分は残りの4%だ」と言っていた。
映画やドラマで当然のように告知されているシーンを見ていただけに、
アメリカ人の96%が実は知りたくないといっているのはちょっと意外な気がした。

以前日本では、患者には知らせず家族の者が告知を受け
本人には内緒にしておくというのが主流だったように思う。現在ではどうなのでしょう?

「病院へ行こう」という日本映画で、胃潰瘍といわれた患者が疑心暗鬼に陥って
「きっと癌だ。みんな隠しているに違いない」と思い込み、ノイローゼのようになっていくシーンがあった。
笑いをよぶシーンではあったが、自分だったらと思うと笑えない話だ。


果たして自分がこういう状況になったら、言ってもらいたいか、言わないでもらいたいか、どっちだろう?
今、仮定の話としてなら「言ってもらいたい派」だけれど、現実問題としてどういう反応を示すかは・・・
わから~ん。


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    最高の人生の見つけ方  THE BUCKET LIST

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<ストーリー>
大学の哲学クラスで「死ぬまでにしたいこと、すべてを書き留めたリストBucket List)」 を作成したカーター(モーガン・フリーマン)。
学者になるという夢を、結婚や子供達のためにあきらめ中退、46年間も自動車修理工として働いてきた。
一方、一代で巨万の富を築いたエドワード(ジャック・ニコルソン)は金儲けと事業の拡大に忙しく、
忙しい日々を送ってきた。
そんな2人が入院先の病院で同室になり、共に余命半年から1年と宣告され残された人生に生きる意味を見出そうとする。


原題の「bucket list」は、「死ぬ」の俗語 kick the bucketから、
死ぬまでにしたいことを書き出すリストをいうそうだ。

死の宣告という重いテーマを、二人の名優がカラッと湿っぽくならず、ユーモアを交えて、
悔いが残らないように次から次へと挑戦する姿に笑い、
そして次第に芽生える二人の友情にちょっぴり涙してしまいました。

全ての人に当てはまるわけではないけれど、アメリカ人のすごいところは、
こういう状況でもユーモアのセンスを忘れないってことですね~。


エドワードとカーターは全く正反対。
一代で財を築いたが4回の離婚を経て、秘書以外見舞いに来る人もいない傲慢なエドワード。
妻と3人の子供に囲まれ、家庭を第一に自分を抑えて過ごしてきたカーター。

病院で同室にならなければ、決して知り合うことなどなかったであろう二人。
共に末期がんで余命宣告を受け、抗がん剤の副作用で苦しむ中、
カーターのバケットリストが発端となり、
人生で遣り残したことをしようというエドワードの提案にカーターも同意、
世界中をまわる中、お互いに足りないものを補い合って次第に同士のような友情が芽生える。

 ・荘厳な景色を見る
 ・見ず知らずの人に親切にする
 ・泣くまで笑う
というカーターのリストに、エドワードが付け加えたのは、

 ・スカイダイビングをする
 ・ライオン狩りに行く
 ・世界一の美女にキスをする
 ・刺青を入れる  等々
       
       

行動力があり具体的なエドワードと、抽象的で腰の重いカーター。

そんなカーターを動かしたのは、
「このまま家族に同情されて過ごすのは、本当は嫌な筈だ」というエドワードの言葉。
今まで家族のためにしたいことを我慢してきたカーターは、これが最後のチャンスだと腹をくくる。
「何かをやった後悔よりも、やらなかった後悔の方がずっと大きい」
(この言葉は先週の「グレイズ・アナトミー」でも出てきました。
「あかんかったって、ええやんか。やらんと後悔するよりましやん」同感です。)

最後のときを一緒に過ごしたいと言ってカーターの妻は怒るけれど、
何もせずベッドで日々弱っていく姿を見るより、生き生きと過ごしてくれる方が私はがいいと思うけどなぁ。

先に亡くなったカーターがエドワード宛に書いた手紙に、
感謝の言葉と共に「人生の喜びを見つけてくれ」という忠告があった。
仕事がすべてて孤独だったエドワードがこの言葉で行動を起こし、「世界一の美女にキスをする」。
(世界一の美女って・・・映画を見てのお楽しみ)

エドワードお気に入りの高級コーヒーの製法はびっくりです。「涙が出るほど笑ってました」。
一つずつリストの項目を消していく姿が微笑ましい。

カーターの葬儀でエドワードは、
「カーターと過ごした3ヶ月は自分の人生で最高だった。彼が僕を救ってくれた。」と弔辞をのべる。

二人にとってカーターの最後の3ヶ月がいかに濃密で素晴らしい日々だったかがうかがえます。
死に向き合うことで、生きることの意味がはっきり見えてくるんですね。
    

旅の途中、ピラミッドの上でカーターが話します。
「古代エジプト人は死んだ時、天国に行く前に審判があり、二つの質問をされる」
一つ目は「あなたの人生は自分にとって幸せでしたか?」
二つ目は「あなたの人生は他人に幸せを与えましたか?」
共に過ごした3ヶ月で、二人は間違いなく天国に行けたでしょうね。

「荘厳な景色を見る」というのも、秘書のトーマスのおかげで果たせてよかった~。

 
残りの人生が後どのくらいか? な~んて考えることなどなく、
明日も明後日も、朝になれば目覚め、似たような毎日が繰り返されると信じて、
誰しも日々過ごしている。

この映画のターゲット年齢はどこにあるのかしら?な~んて思ったりしたけれど、
もちろん見る人の年齢で受け取り方は違うでしょうが・・・
すべての年齢層に対して、死の宣告を受けなくても
 ・価値ある日々を過ごしていますか?
 ・あなたは今を力いっぱい生きていますか?
 ・自分のしたいことは何ですか?
と問いかけられている気がします。

バケットリストを作るとしたら、一体何を入れましょう?
エドワードみたいに財力があれば思い切ったことができるだろうけれど・・・残念!
「少女老いやすく、学ならんかった~」今となっては、遅きに失すという気がしないでもないが、
いやいや、世界一長寿の日本人女性の平均寿命は86歳でしたっけ?
まだまだ先はあると信じて、
まぁ、少しづつ考えよっ~と!



★「死ぬまでにしたい10のこと My life without me」
余命2ヶ月!と診断された23歳の女性の話だが、
彼女も取り乱すことなく、たんたんとその日に向けて家族のために、自分のために精一杯残りの日々を生きる。


★「愛が微笑む時 HEART AND SOULS」
不慮の事故で死んだ4人が、この世に思いを残して成仏できずさまよい、ある男性の力を借りて順番に遣り残したことをやって天国へ行くというお話。



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***** 今週 見た 映画 *****

 5月11日  「イタリア的、恋愛マニュアル」DVD
        「THE SKULL」 DVD

 5月12日 「ボンボン」 DVD ドゴ・アルヘンティーノ種の犬をもらって人生が変わるおじさんの話
        「最高に幸せな人生の送り方」 109MM横浜
 
 5月13日 「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」 DVD
         「ダーウィン・アウォード」 DVD
        「ウエイトレス おいしい人生の作り方」 DVD 
        
 5月16日 「おいしい男の作り方 Cake」 DVD (なんというひどいタイトル)
  


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16 コメント

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Unknown (mig)
2008-05-18 22:13:35
こんばんは♪

コメントTBありがとうございました

ほんと二人がすごく良かったですね。
脚本自体も、泣かせるだけじゃなくてユーモアあって、笑わせてもらいました~。
ニコルソンはガン末期のわりにぜんぜん痩せてなくて
元気でしたけどね☆

また宜しくお願いします~
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Unknown (migさんへ(ryoko))
2008-05-19 09:53:26
コメントありがとうございます。
重いテーマをカラッと爽やかに、ユーモア満載で、見終わった後は感動っていうのじゃなく爽快感と共に涙がぽろぽろこぼれました。
確かにかなりメタボ体型ですね。
こちらこそ、宜しくお願いしま~す。
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当方の拙ブログに・・・ (turtoone)
2008-05-21 22:33:51
コメント&トラバを有難うございました。
とても良くできた、教科書みたいな作品でしたね。
しかも誰にでも分かりやすい。
この作品の良さは分かりやすさにありますね。なので、掲げられたテーマに対してもそんなに重く感じませんでした。
ryokoさまが言われているように、一日一日を精一杯生きることの大切さを再発見できれば、この作品はひんなに重たく考える必要は無いと思います。

これからも宜しくお願いします。
(さりげなくて、とても良いブログのタイトルですね。当方はそもそも日記でったのが映画のブログになってしまい、妙なタイトルがついておりますが・・・)
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Unknown (ホーギー)
2008-05-25 14:44:59
こんばんは、ご無沙汰してます、ホーギーです。
久しぶりに“質のいい映画”を観たという感じです。名優2人が共演ということで前から楽しみにしていましたが、笑いあり、感動ありの期待どおりのハートフルで素晴らしい映画でした。
特にピラミッドの上でも2つの質問のシーンが印象に残っています。ということでこれからもどうぞよろしくお願いします。
それからTBお願いします。
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Unknown (turtoonさんへ(ryoko))
2008-05-25 17:12:57
コメントありがとうございます。
重いテーマをさらりとユーモアで味付けしているところが良いですね。
ブログのタイトル、お褒め頂きありがとうございます。
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Unknown (ホーギーさんへ(ryoko))
2008-05-25 17:22:41
お久しぶりです。
トラコメありがとうございます

初共演でしょうか?息もぴったりで、長年の友人関係のようでしたね。
こちたこそ、これからも宜しくお願いします。
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こんばんわ☆ (りんたろう)
2008-05-30 00:55:35
コメントありがとうございました(^-^)♪

主演の2人良かったですね。
最後まで人生を諦めず楽しんだ主人公たちの姿には、元気づけられました(^-^)
返信する
Unknown (りんたろうさんへ(ryoko))
2008-05-30 01:36:17
こちらこそ、コメントありがとうございます。
秘書のトーマスとの関係から、傲慢な奴に見えたエドワードも、実は元々良い人だったのねぇ~と思えて嬉しくなりました。
「恋愛小説家」のニコルソンを思い出しました。
この映画大好きなんです。
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こんにちは! (由香)
2008-05-30 09:24:15
お邪魔します♪
これはいい映画でしたね~
ニコルソンとフリーマンがいい味なので(というか、役柄そのままの印象を受けました・笑)、温かな気持ちになりました。
スカイダイビングなどでハシャグ2人も可笑しかったですが、「世界一の美女~」や「泣くほど笑う」の項目にはジーンとしましたね~
それから、秘書さんが良かったです!
「私が貴方なら遺産は・・・」のセリフがツボでした(笑)

PS,グレイズ・アナトミーは大好きです!
WOWOWでシーズン3まで観ました~
意外な展開になりますよ~続けてご覧になってみて下さいね♪
返信する
Unknown (由香さんへ(ryoko))
2008-05-30 21:27:37
コメントありがとうございます。
主演の二人は勿論ですが、秘書のトーマスです。トーマスとの関係から、エドワードもきっと根は良い奴なんだ~と思いました。

「グレイズ・アナトミー」良いですよね
WOWOWいいなぁ~、DVDが出たらダッシュします。
意外な展開…楽しみです。
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