映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

リトル・ランボーズ  Son of Rambow

2010-11-16 | 映画 ら行
なんともまぁ、かわいくて、おかしくて、泣ける、今年3本目の超お薦め映画です。
日本での公開に3年もかかってしまったのは、
日本で馴染みのある俳優さんが出ていないことや子供が主役ってことでしょうか?
2007年制作の英国作品です。 いい、この映画はいい~!

因みに・・・今年お薦めの他の2本(年末も近いことだしそろそろ・・・2010年ベスト10当確ということで)
「オーケストラ」「瞳の奥の秘密」です。

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      リトル・ランボーズ   Son of Rambow

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主人公の少年たちがスタローンの「ランボー」を見て彼を崇拝し、「ランボー」子供版映画「ランボーの息子」を制作するのです。


御存知スタローンの「ランボー」は1982年作品で、何と!原題は「Rambo」ではなく「First Blood」。
いま巷で人気のバンパイアTVドラマのタイトルみたいですが、
「draw first blood」で「先に仕掛ける、先制する」って意味だそうです
ランボーの台詞に「先に仕掛けたのはあいつらだ」ってのがあるようです。
「ランボー」って日本語版タイトルが続編からは原題として採用されたって知らんかったよ~
スタローンというと、どうも必要以上に自慢の筋肉をひけらかし、派手なありえないアクションで一人勝ち
という先入観があるのですが・・・
社会から孤立したベトナム帰還兵ランボーと、街を訪れたランボーを流れ者ということで排除しようとした
保安官との戦いを通して戦争によるアメリカの傷を描く「社会派」ストーリーだったんすね。

「ランボー」やバーバラ・ストライサンド主演の「愛のイエントル Yentl 1983」が公開された時代が舞台です。

 < ストーリー >      オフィシャルサイトもかわいいです。
80年代始めのとある英国の田舎町。
空想好きでもの静かな少年ウィルの一家は、保守的なプリマス・ブレザレン宗教会に入っており厳しい戒律に従った生活を送っていた。
テレビや映画、音楽までも禁じられ、授業でテレビを観る時は1人廊下で終わるのを待たされるのだった。
いつもの様に廊下に出ていると、別のクラスのリー・カーターという学校一態度の悪い生徒に話しかけられる。すっかりカーターのペースに巻き込まれ、カーターの家で見た『ランボー』に魅せられたウィルは、子供フィルムフェスティバルに出品する「SON OF RAMBOW(ランボーの息子)」という映画撮影に加わることになる。そこにフランスからの交換留学生テディエが現れ・・・果たして映画は完成するのか?


天使のように無垢なウィルと、見るからに悪ガキのカーター。共に父親がいない。
宗教上の理由で、質素で娯楽ゼロの生活をおくり、友達もなく絵を描き空想の世界で一人遊ぶウィル。
玩具がなくても子供はあるものを工夫して遊べるんだよね。ノートの端にパラパラ漫画を描いたり、ストーリーを作ったり。
ピコピコゲームばっかりじゃぁ、創造力は育たないんじゃぁないやろか? 空想の翼に果てはないよ。
空想のシーンで映像にイラストが入るところがいいですよ
たまたま「ランボー」を見て感化され、ビデオ映像制作に引きずり込まれるが嬉々として主役ランボーの息子を演じるウィル。
余りにピュアで無菌状態にいると、スイッチオ~ンで一気にその世界に傾倒してしまうんだねぇ。

一方のカーターは、口は上手い、万引きはする、自転車は盗む、映画の盗撮はするという札付きのワルで、教師からはデビルと呼ばれている。
ところが実は、兄共々、母の育児放棄にあっており、外では悪事三昧だが、兄には従順で召使のように世話を焼く。
何でそこまで・・・そこには彼なりの理由があって、この理由に泣かされます


正反対の環境にいたけれど(いたからこそ)、共に居場所がなく孤独だった二人は「ランボー」崇拝という
共通点で引かれあい友情を育んでいく。
友情の契りを結ぶシーンなんて・・・カーター、一体何の映画の影響ですか?
男同士の友情の証って洋の東西を問わんのかね?

そこに登場するフランス人留学生テディエ。
学校中の、女子生徒の注目を一身に集め、取り巻きを引き連れて闊歩するテディエ。
当時の英国の子供たちは「おフラン~ス=オッシャレ~」みたいなコンプレックスを持っていたんでしょうか?
60年代のミニスカートも70年代後半からのパンクファッションも英国発祥だというのに・・・。
テディエのどこがええねん?とおばちゃんの目から見れば不思議ー?ですが、みんながこの子に羨望の眼差しをそそぐ
パンクよりディスコ?
テディエをはじめ他の生徒たちが強引に二人の映画製作に参加するようになり、カーター主導だった製作が、ウィル主導へと変わっていくなかで
ウィルが、二人の関係が、おかしなことになって・・・

ある事件をきっかけに、本当の友情に気付くふたり。
そして本当に大切なものに気付くウィルの母とカーターの兄

全編子供の目線で描かれ、大人が気付かない、言葉にならない子供の心の揺れや機微が伝わってくる感動の映画です。
久々に、胸にズドンっとくるいい映画でした

どうしようもない悪ガキも根っからのワルではなく、寂しさの裏返し。本音を聞いてやる大人がまわりにいたら・・・と思わずにはいられません。
テディエも実は・・・。

ところで、宗教って悩める人たちを救うところじゃないの?
教義に反するからと破門して切り捨てる宗教なんて信じられへんわ!って、これは映画のお話でした。




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