熊本~大分地区の地震災害のお見舞いと早期の復旧をお祈り申し上げます。
香春岳;「青春の門」の舞台、烏尾峠よりの風景
五木寛之の大作である「青春の門」の第一部・「筑豊編」冒頭は、
『香春岳は異様な山である。けっして高い山ではないが、そのあたえる印象が異様なのだ・・・・・』
で始まります。
この小説や、映画のファンでもある私ですが、烏尾峠から田川に入る際に形容された
上記の香春岳の姿を私なりに味わってみたいと思い遠望してみました。
もちろん、小説の書かれた時代と今の風景は全く異なっており、遠望する町並みも違いますし、
特に香春岳の一の岳は、石灰石の採掘で、開発前は最も高い山であったそうですが、
今は、すっかり低くなり、ベンチカット方式で、平らになっているので、随分印象も異なります。
小説(1969年)や映画(1975年)に描かれた頃の光景、は、グローリーホール方式で、採掘され、
斜面がえぐり取られたような、高さもさらに高いレベルでした。
そして、昭和初期の未開発に近い状態も参考にして、想像力をたくましく働かせて見ました。
1.烏尾峠からの筑豊盆地に聳える香春岳です。
「青春の門」の第一部・筑豊編の冒頭の『香春岳は異様な山である。・・・』を想像してみました。
ウ~ン、私としては、いつも見慣れているので、見る場所が変わっても、どうしてもそんな印象には
なりません。初めて見る人や、見る人の様々な心の風景を反映して、石灰岩の山特有の
いきなり尖った形状から、そのように異様に見えるのでしょうね。
2.かっての香春岳です。昭和初期の一の岳の原形をとどめる姿です。
3.最近見た『青春の門』DVDのケースの画像です。
40年前の映画の「タエ役の吉永小百合」と、背景の香春岳です。
香春岳の斜面が、石灰石採掘用のグローリーホール方式で3つほど、穴が開いて見えます。
このボタ山は、夏吉の三井田川の六坑です。今は木々に覆われた普通の山並みに見えます。
*映画のロケ地には、第二豊州ボタ山が使用されています。今では運動公園になっています。
4.そして、今の平地レベルから見た、香春岳です。
40数年前、あるいはそれ以上前に見ると「香春岳は異様な山である。・・・」となるのかなあ・・・
という風にも感じました。特に昭和初期の原形を留める白黒写真のイメージには、感銘を受けます。
参照;◎『青春の門・筑豊編』の舞台 2015年10月27日
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎こちらもどうぞ:
「みんなで選ぶ筑豊市民遺産 筑豊の誇り」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~