仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

寺院のグループ化

2016年04月05日 | 都市開教
昨4日(28.4月)、「産経新聞」と「読売新聞」が、大きく寺院について特集を組んでいました。「産経新聞」は「アマゾンのお坊さん便」で、色々なところで書かれている「お布施の明瞭化を」といった二番煎じの記事。内容を深めるのならば、ボランティアで出勤している組織の紹介や、儀式の商品化などの切り口で執筆したら面白いと思います。

「読売新聞」は「人口減少社会の寺院考える」といういい記事でした。

“人口減少社会減の中、地方の寺院運営の現状を豊富なデータや事例で示し、仏教や寺院のあり方を考える『人口減少社会と寺院』(法蔵館)が刊行され檀信徒の減少や後継者不足などに苦しむ中、「信頼」や「つながり」などか取り結ばれる「ソーシャルーキャピタル」(社会関係資本)として寺をとらえその必要性を考察している”と櫻井義秀・北韓同大学教授の意見を紹介していました。

その記事の中にあった櫻井教授の意見です。(以下転載)

全国に約8万ある寺のうち、観光や庶民信仰などで潤う有名な大寺院はごくわずか。95%は市井の寺院だ。桜井教授は「名もなき寺院でも、賦課金で宗門の財政を支えているが、少子化などで家の継承か事実上崩壊して檀家制度を維持できず、自腹を切る住職もいる。それも限界に来ている」と指摘する。
寺院を存続させるため、櫻井教授は「寺院一宗教法人」の発想と体制をやめるとの試案を示す。幾つかの寺院でグループをつくり、中核的な寺院には専業の住職を置き、ほかの無住化する見込みの寺院を兼務する。「異論はあるだろうが、連携のあり方を今考えておかないと総倒れになってしまう」

 人口減で寺院が危機に直面しているのは事実だが過疎化が進む地域社会でこそ寺院が果たすべき役割もあるという。注目されるのが、高齢者の見守り機能や「居場所」の提供だ。
 本書では、仏教婦人会が中心となって病院で行うボランティア活動や、地域住民のサロンとして寺を開放する事例などを紹介する。桜井教授か調査を行った秋田県藤里町では、地元の住職が、自殺予防のため住民の話に耳を傾ける活動をするカフェを開くなどし、小さな地域社会だからこそできる住民と連携した社会福祉活動が活発になった。過疎化の影響を和らげるためには、そうした絆こそ必要になると考えている。広域合併で広くなった自治体ではや十分行き届かないような活動を、はるかに多い既成の寺院が担えるのだ。人口減少時代の寺や宗教のあり方を考えることは、日本社会の今後の方向を考える一つの手がかりになるのは間違いない。(以上)


寺院のグループ化は、新しい意見であり面白いと思います。
コメント
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