仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

最高に素晴らしい死去の挨拶状です

2010年12月03日 | 日記
「死去のご挨拶状」の続きです。過去、これ以上の挨拶状はないと思った文面があります。正しくは挨拶状ではなく、葬儀の挨拶にと逝去された人が認めたものです。

7.年くらい前、築地別院において、ビハーラ講座が開催された。その年は、「グリーフワークを考える」と題して、体験者の方を招いて、その体験を聴かせて頂きました。その後、会報ビハーラに掲載したので、その掲載したものからの転載です。転載なのでお許しいただけると思います。


それは、山田英昭さんが奥さまである故山田栄子さんが残された手記をご紹介いただいたものです。

山田英昭さん 妻・栄子のこと

50人の聴衆者を前に、静かに妻である山田栄子さんとの闘病中の出来事や死別の体験、自分の思いや家族のことなどを語られた。
 山田栄子さんは昭和26年11月22日生れ、昭和50年12月に結婚され、平成10年6月30日卵巣がん3期と診断され入院、5回の抗がん剤治療を受け、11月5日退院、翌年1月5日、卵巣がん再発による再入院、2月19日ご逝去されている。
 葬儀の際、ご挨拶に立った夫である山田英昭さんは、生前栄子さんが記されていた「私の葬儀にあたってーお礼のこと」と読み上げ、また手記に記されてあったように「み仏に抱かれて」を歌い、『最後の最後、車がでるとき、皆さんに、手をあわせられるのではなく、拍手で‘いってらっしゃい。お疲れ様でした’の拍手がいいな』の言葉の通り、涙の拍手で送られたことを、静かに語られました。

お礼の言葉

今日はどんなお天気でしょうか
雨でも降って 皆さまにご迷惑を
おかけしていなければいいと思いますが…

私の人生は 山あり谷ありの人生でした
毎日よく泣き よく笑い よくわめいていました
楽しい 幸せな日々でした
生きているという事は それだけで 光と夢に
あふれていたんですね

私は皆さまに ご迷惑ばかりおかけしていましたが
皆様からは すてきなご縁を やさしい笑顔を
生きていく毎日の元気を たくさんいただきました
有り難うございました

この世に生を受けて本当によかった
命を授けてくれた父の母に感謝します
私のわがままによく耐え 大切にいつくしんでくれた
夫に感謝します
私のもとに生まれてくれた4人の子ども達に感謝します
多くの人に愛される人生であってほしいと祈っています

皆様 本当に有り難うございました
お先に『さよなら』を言わせていただきます
1998.11.18 
コメント
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