超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

OGRE YOU ASSHOLE「100年後」リリースツアー@SHIBUYA-AX 12.11.24

2012-11-25 04:15:22 | ライブレポ










OGRE YOU ASSHOLEのライブを観てきました!









観ていて思ったのは、正直出戸くんがめちゃめちゃ格好良かった・・・って事ですかね
ああいう余分なものを一切感じさせない無駄のなさは本当に凄いなと思った
野暮ったさが全然見受けられないというか。
結構前の方で観てたから感化され易かったというのもあるとは思うけど、
それにしてもあの音楽以外の他意を感じさせない佇まいというか、有り方はある種の理想だな、と。
非常に無欲だし、無心だし、夢中でもあるし・・・って事で
そんな彼の姿がいつも以上に焼き付いた公演
そして出戸学以外の面々の極まりっぷりも半端の無かった間違いの無い名演
似合わない形容かもしれませんがロックスター的なムードやオーラも感じ取れたワンマン
徹底的に音楽の深みや凄みを掘り下げて提示してみせた見事な一夜でした。
本当に大好きですね、このバンドは。









いつもは中規模のハコでワンマンをやっているOGREですが、この日は大バコのAXという事で
どんなもんかな?と期待を寄せつつ渋谷まで向かったんですけど、これがね
思った以上に似合ってましたね~!
というか、
個人的にはホールとかでも聴いてみたいと思ったくらい
大きな会場でOGREの音楽が思いっきり鳴ってるのって気持ちが良いんだなあ、と思えた
それは元々「聴かせる」バンドであるという事実と、もう一つの要因としては
浮遊感だったりサイケデリックな音像は反射すると非常に快感でして
それ即ち更にコアにマニアックに進化を遂げたようで
実はよりスケールの大きなバンドにもなっていた
そういうOGREの表現の規模が拡大しつつある実感も受け取れてその意味でも幸福な公演でしたね。
まだまだいけると思う、このバンドは。どんどんユニークに変化していますからね。


一曲目「これから」の時点で既に会場を完全にOGRE色に染め上げる面々
スロウテンポなようでザックリと空間を切り裂くフレーズの鋭角さは素晴らしかった
最高のスタートを切った後、
意外にもロックショウ的な雰囲気の中盛り上がった「100年後」
音源ではエキゾチックで聴き込むタイプの曲という印象があったんだけど
ライブで聴くとかなり生演奏向けのインパクトのある曲だと気付く
そして逆にライブでの爆発を期待していた「素敵な予感」に関しては、
繰り返されるアンサンブルの中毒性が半端ではなく
ツインギターの美しい絡みも絶品、
早くもヒートアップしてステージ上を自由奔放に暴れ回るメンバーの姿にグッと来たりと
予想通りの手応えでしたが、反面繊細な曲でもあるんだなー、とか思えたり
この時点で既に発見がいっぱいのワンマン
MCで新メンバーの紹介をしつつ、次の段階に向かいます。

海沿いのテラスを彷彿とさせるくらい爽やかな風を感じた「すべて大丈夫」は単純に気持ち良かった
そこから初期の名曲「タニシ」を演奏する面々、この曲が来て本当に嬉しかった。
今用に若干シックに落ち着きながらも、音源の良さもきっちり抑える
この曲の不気味さが前々から好みだったので
完全に変えなかった事がより嬉しい
そして、畳み掛けるように歌声が空を切り裂く「平均は左右逆の期待」!!
声高にサビを歌った後の「そうかい」って呟きで思わず鳥肌が立ってしまいました
あの部分が大好きだった事を久々に聴いて思い出したんです。
何も考えず音だけに集中出来たくらい格好良かった。
旧曲の中ではトップクラスの出来でした。

「ふたつの段階」は前回のリリースツアーには行けなかったので初聴きだったんですけど
ここまでアグレッシヴに盛り上がる楽曲だったとは、という印象でした
時折ブレーキが外れて無心で崩れるように演奏するメンバーの姿がとても刺激的
そして、これまた凄かった「フラッグ」の2連発!!
どういう事かと言うと、
アレンジを施した「フラッグ」と音源と同状態の「フラッグ」を立て続けに披露したんです
これがまた良い完成度と良い演出になっててかなりの興奮を記録したと思います
アレンジver.はワンテンポで推す独特のアンサンブルが面白くて
更に全体的な雰囲気が民俗音楽のようなテイストになってる
その後に
音源と同じテンションの「フラッグ」を再度演奏する事によって
ある種の解放感のようなものが生まれて・・・いやはや、本当に見事でした。
今でも以前のようなシャキシャキとしたバンド演奏を披露してくれる事に感動しつつ、
一音一音から郷愁感だったり感傷的なテイストを感じられたり
アウトロの瞬間まで本当に楽しませてもらいました。
魅せてくれますね、実に。


音源とは違って、意外と真っ直ぐに響いてた感覚もあった「黒い窓」、
高い空に向かって延々と叫び続ける空虚感とストレートさを身に感じつつも
ひたすらに丁寧に歌を紡いだ「ユーレイ」の誠実さ
単純に良い歌を響かせた「夜の船」の沁みる感
そして、音源以上にブルージーなギターの響きが胸に刺さった「記憶に残らない」の渋み・・・
新作がいかに音楽として真っ当に素晴らしいのか、を実直に伝えるような流れ
一気に浸らせてもらいつつ、
最後はアルバムと同じ「泡になって」をスポットライトを使わずに裸一貫で歌いこなす、演奏し切る面々
ふと感じたんですが、この曲ってちょっと何かのエンディングテーマっぽくもあるなあ~とか
多少陽気なアレンジの所為もあって、個人的には結構新鮮な発見でした。
正に何もかもをなくした、取り払った上での演奏
見事な熱演の数々に拍手!
最高の本編でした。








セトリ
1.これから
2.100年後
3.素敵な予感
4.すべて大丈夫
5.タニシ
6.平均は左右逆の期待
7.ふたつの段階
8.フラッグ(アレンジver.)
9.フラッグ
10.黒い窓
11.ユーレイ
12.夜の船
13.記憶に残らない
14.泡になって
encore
15.ロープ(Long Version)







アンコールのMCで「最後に大暴れして下さい!」と言ってから演奏された「ロープ」は
これまた前回のツアーには行けなかったという事で初聴き、
これが物凄いインパクトでしたね(笑
音源の「ロープ」とは違って
まるで稲妻が走ったかのような鮮烈で躍動感のあるバンド演奏に兎角圧倒されっぱなしでした
最後はメンバー全員が死に物狂いで楽器と音に集中し対峙するように、
踊り狂うようなテンションで怒涛のアンサンブルが見事に完成してました
その無我夢中っぷりというか
もう音楽だけ、音楽の行方にしか興味がないような無欲さは
本当にミュージシャンのあり方としては大正解だな・・・としみじみ感じつつ終了。
嘘偽りないオルタナティブミュージックを最大限に楽しむ事が出来ました。感謝!



大体リリースワンマンっていうのは、
新譜の曲がとにかく生では初聴きだからそればっかが印象に残るか
いつもの定番が一番おいしい所を攫っていくか
2パターンなんですけど
それはそれで全然OKなんですけど
この日のOGREの場合、新曲は新曲でどの曲も音源とは違ったアプローチもあって面白いし
旧曲も旧曲で「100年後」のワンマンに入れても違和感のないように磨かれてる
その意味じゃ本当にライブに賭ける気合が真剣そのものストイックそのもの
表現に於いて一切温度差や手抜きのないバンドという事実、
その事実を身に沁みて実感する事が出来て
更にバンドとリスナーとのある種の信頼関係が築かれたような、誠実で価値あるワンマンライブだったかなと
歌詞にそこまで拘ってないようで、実は物凄い高いレベルのメッセージ性も感じられた一夜でした。
そして、出戸くんの格好良さはやっぱり異常でした(笑)。
ストイックな人間って、そう見える人間ってやっぱり格好良いものだな、と。



アルバム「100年後」レビュー



厨ニくんを誰か止めて! 2巻/サンカクヘッド

2012-11-24 22:18:08 | 漫画(新作)









サンカクヘッドってこんなテイストだったっけ・・・?









いやもう厨ニも何も完全なるラブコメにシフトしちゃってて
設定は半分くらい関係なくなってるんだけど、そんな事よりもすっげえド真ん中のラブコメ作家になってて、
なりつつあって、正直読んでて驚いた。と、同時にどんどんタガが外れていくような快感があった(笑
元々シュールな日常系ギャグを得意としている作家さんという認識だったんですけど
凄いスピードで切れ味の良い王道ラブコメを極めつつあるのが手応えとして感じられて
画力も女の子の魅せ方も1巻以上にレベルアップしている感覚があった
そんなベタベタな描写の数々にニヤニヤが抑えられず(笑
もう五十嵐ちゃんの反応がトコトン可愛くてね
厨ニの必死な態度もいじらしかった
突飛な設定で売り出された1巻とは対照的に、加速度的に本格ラブコメに変わりつつある
そして、その方向転換がある種1巻の飛躍にも思えるのでそれ程違和感もなく
むしろこの短い間にこんだけ進化出来た手応えに感動した、
王道ラブコメの質の良さを感じさせた2巻目でした。
非常に面白かったです!


個人的にこの漫画で面白いと思うのは、今やアニメ漫画では普遍的なものになった厨ニ設定が
最終的に「モテたい」って理由で使われてるという事で
こういう理由ってあんまないと思うんですよ(笑
大概格好付けとか自意識過剰とか
或いは何らかのきっかけがあったりして、
「モテたい」という目的でそういう人間を装うのはめちゃめちゃ滑稽で非合理な感じがしてならないんですが
それを本気で信じてしまっている、厨ニ病で女の子の気が引けると真面目に考えちゃってる
その良い意味での阿呆さがこの漫画の味であり
何だかんだ言って頑張っちゃってる健気さも滲み出てたり
割と隙間を突けてる作品かな、とか思います
お話の展開の仕方もジェットコースターのように駆け抜ける勢いだったり
きちんとオチが上手く決まる構成力も感じさせたりと
基本的なクオリティも高い
その上で更に美少女度を上げた作画と雰囲気、ニヤニヤも加味されつつあるという事で
個人的にはめちゃめちゃ楽しんで読めた新刊でした。この方向性、全然合ってると思うし
需要もあると思う。
もっとサンカクヘッドの描いたラブコメや青春作品も読んでみたいですね。
そう思わされるくらいにははっきりとした進化が感じられた2巻目でした。五十嵐ちゃん可愛すぎ!







しかし元々ヒロインの五十嵐ちゃんが主人公だったはずなのに
いつの間にかダブル主人公みたいな感じになってますね(笑
思春期男子を描かせても上手いなあ・・・と思う。
ポスターにキス、とか夏服の膨らみに過剰に反応する場面とかね!
相当オートマティックに楽しめた気がする。
理屈とかじゃなく。




O/A 7巻(最終巻)/渡会けいじ

2012-11-23 03:37:31 | 漫画(新作)









渡会けいじ「O/A」7巻読了。









なんかこう・・・浮上してそのまんま安定期に入って終わり、って締め方ではなく
最後も最後で落とし穴が待っている、というのがいかにもこの作品らしいなあ、と(笑)。
ただ個人的には都合上仕方なかったとは言え、
意地悪な言い方をすればある種の「ズル」をしてたのは間違いないですから
そういう設定に対しての落とし前がこの結末なのかなあ、とは読んでてなんとなく思いました
しかしだからといってはるみとの漫才のような日常が無駄だったのか?と言えば
勿論そんな事はなくあれで一定の地力を身に付けたのは作中でも描写は逐一されてはいたので
何だかんだで実力主義のゆたかはこれからもまた浮上を続けるのだと思います
必死に這い上がって登っては突き落とされるという作中の構図は
まるで人生の縮図そのもののようで
でもその中で得がたいものも何度も得ている
忘れられない思い出も登る度に増えてる
それを糧に、この先もそれぞれの道を進んでいくんだろうな・・・と感じられて
終着点としては割ときれいにまとまったのかな、って思います
まあ大会は終わるの早っ!って感じたのは正直な所ですが(笑)。
元々実力不足で転落した訳ではないので
あれはあれでむしろゆたかの変わらない実力をアピールする結果と演出になってたのかな、とも思います
一度落ちぶれた芸能人が再ブレイクすると以前よりも人気が増すのがセオリーでもあるので
その意味でも復活後にドームをやれるようになったのは結構リアルだな、とか
微妙に感じつつ
もう二人はある意味一心同体
これからもお互い心配しつつ、お互い見守りつつ違う道を歩んで行くんだろうな、って事で
今更ですが「出会い」と「成長」を軸に据えたストーリーだったんだなと
約3年間楽しませてもらいました。ありがとうございました。


最初から最後まで徹底されてたんですけど
ゆたかってアイドルなのにアイドルらしくないというか
変な設定もないのに全然アイドル系統の作品のアイドルとは違うように思えた
凄い現実的だし、何も被ってないし、ある意味ではスレてる
要するに日常ではそこまで可愛くなかった
でも、
それがこの作品の「リアル」だったんだな、と改めて思いますね
変な幻想がないというか、偶像を私生活まで持ち込ませずに自然体を貫き通して描かれた印象
でもぶっちゃけいえば現実だってあんなもんだし、それが私らと何も違わないという証拠
その分切り替わる時のスイッチは物凄い・・・という描写が幾度もされてたのも
差別化という点では役に立っていたかな、と
しかしその距離感、偶像に対する距離の置き方が個人的に大好きでした(笑
過度に添加も幻想も組み込まず、かといって必要以上に裏表を激しくしない距離感
それは本当にこの作品ならではの個性だったと思うので
それが最後まで貫かれていた事に安心した
そして、そんなゆたかちゃんのリアル感は「ホントかよ!?」って嘘臭さも感じさせなかったので
個人的には終始大好きでしたね(笑 これもある意味ギャップに対する可愛さを感じてるのか。

一方で、はるみのゆたかに対する想いの片のつけかたも好きなもので
置いて行かれてる、遠い存在になったと思うな
そんな卑屈な感情よりも
あの人と私は繋がっていた、一時でも一心同体だった、それを誇りにすればいい
糧にすればいい、という納得のさせ方はちょっとジーンと来てしまいました
要するに考え方や角度を変えろというオチなんですけど
そうやって転換すると
個人的にもちょっと気が楽になるような気がします
はるみがいなければゆたかの再ブレイクへのきっかけは発生しなかったし
ゆたかがいなかったらはるみは場数を踏む事が出来ずに今も燻ったままだった
そんな足りない・欠落した同志が一心同体で力を合わせて
お互いの目標地点まで辿り着き、
そして最後は「そこ」に甘えずにちゃんと卒業していく
だけど卒業したのは「そこ」だけでこれからも心や想いは確かに繋がってく
そんなお互いの道を進んだ先で交わる地点があったら、個人的には素敵だなあと思いましたね。
最後まで「らしさ」を貫き通した良作でした。次回作にもまた期待しています!








個人的にゆたかがはるみの親父に見せた一発ギャグはちょっとドキッとしてお気に入りでした(笑
本音を言えば、芸能界で奮闘するゆたかの活躍をもっと見たかった気もしますけど
それはこの作品の本質的なテーマという訳ではないので
あくまでゴール地点はお互いの「巣立ち」って事だったんでしょうね。
紆余曲折ありつつ、最後は爽やかに仕上げた渡会けいじの手腕に乾杯!
またいつかゆたかたちに会えることを密かに願いつつ。




ZAZEN BOYS「すとーりーず」全曲レビューその3「はあとぶれいく」

2012-11-22 03:44:03 | 音楽








ZAZEN BOYS「すとーりーず」全曲レビューその3「はあとぶれいく」です。








3.はあとぶれいく









【心のかけらがぶっ飛んだ】


この曲は、初めて聴いた時ちょっと驚いたんですけど
ビックリするくらいの哀愁ソング、寂しい夜に酒を飲みながら聴きたい類の分かりやすいペーソスが滲んでて
ある種向井秀徳なりのブールスとも取れる今まであんまり作ってこなかったような一曲
自分の中で納得や折り合いが付けられずにイライラしている様子だったり
大人になればなるほど子供っぽさから逃れられない
どんどん退化していくという現実。
振り返って考えると10代の後半にボロボロと泣いた記憶、夜中に震えた記憶というのはあんまりなくて
そういうのが出始めるのが大体20代の後半から・・・って考えると
本当に歳を取れば取るほど子供に戻っていくのかもしれない
そんなどうにもならない現状の歌
それらを溶かすような一曲。

同時に、子供の頃は明確に成長だとか可能性だとかが目の前にあってそれなりに楽しくは生きれてた
だけど、大人になってある程度過ぎるともうずっと同じ事を繰り返している様に思える
自分が成長したという手応えも、精神的に大人になったという手応えも
両方得られぬまま同じ地点をぐるぐる回っている
現状に甘えるようになる
そういう意識を多少牽制する目的なんかも感じつつ、結局はこれもまた傷を癒し前に進むための一曲になってる
心が真っ直ぐに砕かれた感触のある大人の皆さんは是非じっくりと浸ってみてはいかがでしょうか。
出来れば酒なんかをチビチビ飲みながら。


この曲もまた本当に今の向井秀徳の、彼ならではの年代だからこそ歌えた曲という気がします
少なくとも青春や妄想の幻影を追い駆けてたナンバーガール時代には絶対に歌えなかった
それに歌ってもそこまで説得力は持ち得なかったと思う
気が付けば自分も夜中一人で泣くようなしみったれた大人になってたけど
だからこそ、今の自分の心境や趣向、変遷の果てにもフィットするような感覚で・・・
これもまたお気に入りの一曲です。
サウンドは「4」の楽曲に近い電子音を駆使した滑らかな感触
だからこそ普遍的なルサンチマンを歌った詞がスムーズに入ってくるのかもしれません。
上手い具合に青年後半~中年全般のやりきれなさや退化感を端的に表している楽曲です。そういう表現が好きです。



恋染紅葉 第28話(最終回)「恋染紅葉」 感想

2012-11-21 08:33:04 | クロス・マネジ(WJ系)










今まで楽しい漫画をどうもありがとうございました。









全28話で全4巻。うん、まあ客観的に見れば巻数は少ないしヒット作とは言えないけれど
それでもある程度流れが出来てた上での完結ではあるので
不思議とそこまでの不満はなく
むしろある意味良い具合にまとまったんじゃないかなあ、とは思える
それもまたこの作者ならではの構成力の賜物という事で・・・成長しましたねえ。
そんな成長が結果に結び付かなかった事が個人的には残念ではありますが
まあ言ってしまえば読切の時点である程度完成されてた物語ではあったので、このくらいの塩梅が
ここが限界地点なのかな・・・って気もしつつ
裏を返せば
読切で様子を見ないでそのまんま来るべきだったかな、とも思うけど(笑
まあそれでもこの作品が最後まで面白く、読んでて気持ちの良いラブコメだったのは変わらない。
最後の最後まで登場人物が純真であることを貫き通したある種の傑作だったと思います。
それはあくまで個人的な評価に過ぎませんが、
過程からして
この結末も納得出来たというのが本音ではあるので。
翔太も、今や随分男らしくなったものですね。
出来ればこの先の物語も覗きたいけど、
まあそれは想像なり単行本の描き下ろし等で補完する事にしましょうか。
坂本次郎さんミウラタダヒロさん今まで本当にお疲れ様でした。

振り返ってみると、この作品は基本的に一本道の物語だったような気がします
由比ちゃんの登場は分かりやすく紗奈ちゃんの嫉妬を煽る為
小鳥の登場はその後押しを決定付ける為、
要するに基本的にメイン二人の為にこの世界は回っていた印象がある訳なんですけど
この漫画はそういう装置として用意されたキャラクターに対しても誠実だった
由比ちゃんは由比ちゃんで最後まで健気で可愛かったし
小鳥の活躍に関しては書くまでもなし
メインヒロイン3人が割と均等に活躍していて、印象にも残ってる
その丁寧さというか生真面目さというか、他の子をおざなりにしない姿勢なんかは
振り返って考えると本当に立派な構成だったなー、と思います
これが中々出来るようで難しいですからね(笑


単行本で読むと、いかにそういう段階を踏んでるのか、複線を仕掛けてるのか、丁寧なのかが
一発で分かる仕組みにはなってるんですけど、それはキャッチーな路線とは必ずしも言えない
だけど先天的な客引きに頼らずに、
じっくりとじっくりと二人の物語をしっかりと紡いで
最後まで手を抜かずに完結まで漕ぎ着けた
そういう誠実さというか
真面目な姿勢はやっぱり素敵だったし、読切と変わらぬ純真さは端々から感じられた
その証拠に翔太はこれまで一度も他の女の子にはなびかなかったし
最初から最後まで紗奈ちゃん一筋を貫き通した
揺れる事すらなかった、
揺れてもすぐに切り替えしたりと
そういった主人公の一途な感じはやっぱりこの漫画特有の良さだったのではと
それが人によっちゃ必死に映ったのかもしれないけど、能動的である事の何が悪いのか?と
個人的にはそう思います
そういう部分を評価して欲しかったんですけど
まあ流石に今週の翔太はきっと男らしいって感想を抱いてもらえるかな、と
最後の紗奈ちゃんの絶品スマイルを含めて最終回に相応しい至高の出来でありました。
この漫画をずっと読んで単行本も買って来て良かった、と素直に思えた瞬間。
結果的には打ち切りですけど
丁寧な流れのお陰で打ち切りには感じない
それ即ち、良作である証拠ですね。
また3巻や4巻の感想も頑張って書いていきたいと思ってます。
連載は終わっても、まだ単行本で続きが読めるっていうのは嬉しい。
2月が早くも楽しみですね。

後、この最終回で初めてマネージャーさんを好きになれたような気がします
彼女もまた紗奈が大好きで彼女の為を思って動いている事がしっかりと伝わってきて。
何気に良い味出してましたよね。
ストレートに「恋愛」を描いた最高の最終回だったと思います。万歳!!
この出来ならばきっと短期の良作としては記憶に残るんじゃないかと。
そう思いましたね。
それもまたここ数週の丁寧な積み重ねの効果、かな。







まあそれにしてもなんですかね、もうジャンプでお色気込みのラブコメは無理って事なんですかね?
お色気も立派な表現だと思ってるんですけど。明らかに減っていったからなあ。
それに対して「あざとい」とか「狙ってる」とか
少年誌なんだから当たり前じゃん、って個人的には思います
そういうサービス的な表現すらダメだなんて私的にはちょっと息苦しいし、
なんだかつまんねえなあ、と。
ゆるやかに去勢されていってる感覚が・・・。

まあそんな愚痴はさておき、実は今年の新連載の中でも安定度に関してはトップクラスだと感じてました
最後の最後までピュアピュアな恋愛模様を魅せて頂き個人的に大感謝です!!
改めて、ありがとうございました。