今井ユウ「イモリ201」3巻読了。
今回も今回で面白かった、というより(良い意味で)下らなかったんですけど(笑
でもなんか、いい歳こいてこれだけ馬鹿出来るのも才能なのかな・・・なんて思いつつ
きっと井森さんの行動の一つ一つって誰かに構って欲しくて、
必要とされたくてやってる事なんでしょうね。
なんで、
そういう中でぞんざいに扱われたのに耐え切れなかった、
だからこそまた一人になろうとして、孤独に逃げ込もうとして・・・。
そこからの流れは所謂友情物語!って感じで良かったんですけど
こういう世界にとって自分が不必要な感覚
誰の輪の中にも入れない感覚というのは
個人的にはよく分かるんですよね。
大勢の中に身を置いても、
結局誰とも波長が合わなくてかといって派手な活躍が出来るって訳でもない
大人になってもモラトリアム精神を抱えて、必要に誰かに構って欲しいとアプローチする
そんな井森さんの姿って笑えるけどその分痛々しくてセンチメンタルでもある。
だから、一面的な感じがしないというか
半分はアンニュイな物語として読める懐がある
何一つ目標がないようで
実はこの「永遠の夏休み」を抜け出すという巨大な目標は未だに抱えている
そんな方向性が保たれてるからこそ真剣に読める節はあって
一見不真面目なギャグ漫画ですけど
その本質って結構にリアルでシリアスなものなのかなあ・・・とか思ったりもします
今は逃げ続けている状態ですけど、いつか本当に向き合えると良いですよね。
そして、水面下で川島の一途さも光ってたりして(笑
そういう部分も含めて個人的には好きな漫画です
まあお話にムラはあるものの(笑
ハマった時には思いっきり爆笑出来たり、感情移入出来たり、ポテンシャルは相当に高い作品ですね。
相変わらずお馬鹿な面々ですけど、案外憎み切れないい意味での滑稽さがとても良いですね。
次はまた初夏の季節に出るという4巻にも期待、です。
それにしても、絵柄は何気にちょっとづつ洗練されて来てる気もしますね(笑
まあ元々ヘタウマの部類に入る絵柄だとは思うんですけど
多分お色気もそんなにお色気としては機能していないし
美少女漫画だけどそこまで美少女って感じでもない
そう考えると、結構にニッチだと思うんですけど
その分味があって、この漫画にしか出せない哀愁があるんじゃないか・・・とは確実に思う
基本的に出てくる人たちは色々とどうしようもない方々ばっかなんですけど
ある種これが一つの現実でもあると思うんですよね(笑
誰もがこういうアレな一面を抱えている
そういった類の人間臭さ?は個人的にはとっても好きだなあ、と思いますね
恐らくインパクトって点では1巻、2巻に負けるとは思いますが
その分この世界観が身近に、より素直に愛せるようになって来た感覚なんかもあったりして
その意味じゃ成功とは言える新刊にはなっている、と思います
何より、個人的に、好きです(笑)。
いい歳こいて全力で馬鹿やってるからこそ
いい歳こいて全力で馬鹿やりたい願望が残ってる人間にとっては面白い。
そういう作品になっていると思います。好きな方は是非という感じで。
他人に迷惑だったり、傷付ける描写は度々あるんですけど
その行為に対して反省や罰の描写がいちいち入るのが読んでてつっかえるものがなくて良いですね
そういった意味では、真面目な作品なのかもしれないですね。青葉の友人の態度とか。