超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

チャットモンチー/LOSTAGE/rega「SHIBUYA CYCLONE 15thANNIVERSARY」@渋谷CYCLONE 12.11.1

2012-11-03 21:36:59 | ライブレポ










一昨日、チャットモンチーとLOSTAGEとregaの対バンを観に渋谷に行ってました。








いやあ、本当に楽しかったッス!
元々チャットモンチーとLOSTAGEって組み合わせの時点で素晴らしいんですけど
初見のregaもめちゃめちゃダンサブルで、盛り上がれて、言う事なしの約4時間でした。
なんか、純粋に「音楽って楽しいね」とか「バンドって気持ち良いね」っていう
そういう原点に立ち帰れたような本当に至高の一夜で。
良い思い出しかないですね、この日は。
種類はそれぞれに違えど、基本は全員屈指のオルタナバンドなので
その意味じゃオルタナ成分大量補給!みたいな感覚で満足度は天井知らずに高いものだった
滅多に見れない上に、方向性もバラバラ、でもそれが何より一番面白いという
対バンの一番良いポイントを真っ直ぐに受け止めて消化出来た
そんな幸せな一日でもありました。
また、この組み合わせで観てみたいなあ・・・と思えるくらいには
組み合わせの妙に拠る化学反応が生まれてる素敵なブッキングだったと思います。
初めて行くハコでしたが、渋谷サイクロンどうもありがとうございました。15周年おめでとう。


で、渋谷で初めてのハコって時点で半分迷うのが確定なんですが(笑
ただ一度この辺はWWWで来ていたし、それなりのイメージもあったのですんなり到着
WWWは結構迷って道聞いたくらいだったのに相当あっさり辿り着けちゃって
これも経験値に拠るものなのかなー、とか何となく思った
んでサイクロンは小さいけど音は良かったですね。
個人的には代官山UNITをそのまま縮小したような、雰囲気があって良い感じのハコでした。
LOSTAGEは基本轟音のバンドなんですけど、結構音がクリアに聴こえたもんな。
それもあってよりこの日の熱演を楽しめた感触はアリアリと。
この辺もハコ密集してますよね~。







◆チャットモンチー
1.ハテナ
2.テルマエ・ロマン
3.少女E
4.染まるよ
5.初日の出
6.ふたり、人生、自由ヶ丘
7.歩くオブジェ
8.余談
9.満月に吠えろ
10.きらきらひかれ


面白かったー!!
本当に、噂どおりめちゃめちゃロッキンなライブでした。
楽曲ごとにパートがコロコロ変わるオルタナティブな姿勢に関してもそうなんだけど
一番は、二人でも、全然良いんですよね。「全然良い」ってなんだそりゃって表現ですけど
「物足りない」というよりは「これはこういうものだ」として受け入れられる
別物だから比べる必要もなくなってる感じ?
とにかく、熱かったです。
不満一切なし。

一曲目はこれまた定番だと聞いていた「ハテナ」から。
思った以上に力強く響いてくる福岡さんのドラムに圧倒されつつ
最後の「ワン、ツー!」もきっちり決まってて良い感じ
続く「テルマエ~」は一見荒唐無稽に聴こえるんだけど、よくよく耳を澄ましてみれば
どんどんポップに開けてくる、そんな音像の変化が最高に気持ち良かった!
一見ネタに思えて
何気にメッセージ性の高い楽曲ですよね。
問答無用で格好良かった。

しかし、それを凌ぐ勢いで格好良かったのは「少女E」、
ここまでへヴィでヒリヒリするチャット節を久々に生で聴いたからか
初期の雰囲気が蘇って来た感じと共に相当に興奮出来ました
歌詞はただただ厳しく、辛いんだけど
それがむしろ沁みる、という。多彩なギターフレーズもまた独特のセンスを感じられて良かった。


アレンジをキーボード主体のシンプルなものにしたからこそ
ボーカルの熱量が際立ってた「染まるよ」の威力、
そこから間髪入れずに橋本さんが攻撃的にドラミングをぶちかました「初日の出」、
これは正直絶対演奏すると思ってたのでニヤリと(笑
ロストエイジと対バンするなら
やっぱこういう破天荒なオルタナチューンでアピールするのは必須だよね、と感じつつ
意外とライブ向けだったのは「ふたり、人生、自由ヶ丘」で、素直にバンドとしての格好良さ
バシッと決まってる手際の良さにカタルシスを十二分に受け取りながら
歌モノとしてのタフさもビシビシ伝わってきました
「敗れたら励ましてよ」っていうのは本当に言いたい事ちゃんと言ってて凄いな、と。

音源でも凄まじい曲なんですが、ライブで聴いても凄まじかった「歩くオブジェ」、
励ますでも、慰める訳でもなく、ただただ「認める」だけの歌
でもだからこそ一切の距離なく素直に響きます。
ストリングスが入ってなくても、
きちんと感動出来る仕上がりになってたのは元々のメロが壮大だからじゃないかと思う
それにしてもこの曲をここに入れてきたのはちと意外でした。
それが嬉しかった。

抜けの良い歌声が最高に気持ち良かった「余談」、
なんと橋本さんドラムでハンドマイクっていう相当アナーキックなプレイをかましてましたが(笑
それでも、全然面白く情感豊かに聴こえるんだから凄いよなあと
数少ないMCでは
「今日がツアー初日みたいなもんやな 笑」と
何気に衝撃的な発言もされてました(笑)。だったら運良いよねえ。
ロストエイジとregaが大好きだから対バン出来て嬉しいって発言もしてたし
やっぱりオルタナバンドの繋がりって深いのかな、とか思った
その後、決定的アンセム「満月に吠えろ」。

これが、本当に良かったんですよねえ・・・。
かなり近くで観ていたのもあるっちゃあるとは思うんですが
凄く地に足の付いた楽曲だって事を理解出来た
ライブで聴くとそれが尚更実感出来て
単純に賑やかで気持ちが華やぐナンバーだっていう感触もあったりして
橋本さんのギターソロもまたキマってて、生で聴くと福岡さんの雄叫びも素直にカッコいい
「大丈夫はもう誰も言わない―」この曲の真価を初めて味わえた幸福なプレイでした。
聴く度に好きになれる楽曲です。

最後の「きらきらひかれ」もまた絶品だったなあ・・・。
ある種の福音にも聴こえる降り注ぐようなアンセム感が実に心地良く
最高の気分でライブを観終える事が出来ました
このサイズのハコで、
あんなに距離の近い場所で、
チャットの真髄を体験出来た、受け止める事が出来たってだけでただただ至福な一夜でした。
そして、何よりも新譜の曲が一番格好良く聴こえた。それってバンドとして正しいなあ、と思いますね。







◆LOSTAGE
1.BROWN SUGAR
2.真夜中を
3.僕の忘れた言葉達
4.あいつ
5.楽園
6.BLUE
7.DOWN
8.カナリア
9.ひとり
10.夜に月


キレッキレの凄まじいライブでした!
元々爆音なのに音がクリアに聴こえるって言うのは
本当に麻薬的な気持ち良さがあるな・・・と。勿論やってないですけどね(笑
でも相当にアドレナリンは出まくってたはず、それくらいに
鋭利かつ恍惚的なパフォーマンスで
全国ツアーを経て新譜の曲が更に磨かれてるのを如実に感じましたし
五味兄のノリもいつも以上に円滑で妖艶で、ロックボーカルとして満点の出来だったなあ・・・と
「脂が乗った状態」って言葉そのまんまで、滲み出る全力感にひたすら陶酔出来た至福の一時間でした。


一曲目「BROWN SUGAR」の時点でもう
「楽しすぎ!!!!!!!!!!」っていう
それくらい、
言葉に出来ないくらいのカタルシスを獲得出来て早くも絶頂気味
続く「真夜中を」は、もう「気持ち良すぎ!!!!!!!!!」、という・・・
って「何が違うんだよ? 笑」って話なんですが
もうね、
単純に楽しさや気持ち良さの臨界点を軽々と越えちゃってるって、そういう事なんです。
チャットで相当に温まってたのも、自身が大ファンというのも加味されてますが
それでももう単純な言葉だけで形容を済ませてしまいたい
それくらい音楽的オルガズムを一心に感じつつ、
全員バラバラに暴れてる印象なのに、その方向性が同じだから非常にまとまって聴こえるという
そんなバンド・マジックも十二分に堪能出来た名演の連発に実直に感動。
ある意味、ツアー以上に興奮出来てたかも(笑

「僕の忘れた言葉達」は未体験の方が思ってる以上にライブ向けの楽曲だと思う
兄弟が一緒に歌うパートの威力が高く、思わず目頭が熱くなるような
そういうドラマ性を内包してる楽曲でもあるから。
オルタナとポップが混じったような音像もやっぱり気持ち良いし、単純にアガる。
続く「あいつ」にもまた相乗効果で気持ちを熱く盛り上げる効果があったりして
実は歌モノをやらせても強い、という
隠れた爪が浮かび上がったかのような絶妙な流れでした
この「あいつ」って曲を聴いてると無性に頑張らなきゃ!って気分になれるんですよね。
だから、演奏してくれて本当に嬉しかった。

既に定番曲となった印象の「楽園」は、本当に拓人さんの趣あるフレーズの数々が魅力的で
勿論歌も良い具合に沁みて最高なんですけど、一番に注目してしまうのはやっぱりギターフレーズで
この夜はそれと合わせて岩城さんのドラムの一音一音との波長がいつにも増してピッタリ
何気にアーティスティックな空間を演出出来る貴重な一曲だと思いました。
そして後半のコーラスもまたじんわり響くんだよなあ・・・。


MCは、「喋りだすと長くなってしまうから」という理由で少なめ
珍しく客席を煽って野太い声が響き、今度のクアトロワンマンに来てや!と言うと
チケット買ったよ!というレスポンスが返ってきたりして
さり気にいい雰囲気のMCになってました(笑

そんな雰囲気が手伝ったかのように、いつも以上に流麗に聴こえた「BLUE」の洗練された格好良さ
この曲もまた観る度に格好良く、スマートに味付けされてるようで非常に楽しいです。
そこから超爆裂モードの「DOWN」は前後の雰囲気もあって強烈なインパクト
まるで奇声にも近いサビの連呼には血を滾らせつつ、
「真下に落ちていくだけ」のフレーズは微妙に歌い方が変わってる
微妙にマイナーチェンジを感じさせる叙情的な歌声が生ならではって感じで面白かった

そこから、定番「カナリア」だったんですけど
この日は相当妖艶に響いてた気がするなあ。いつもは硬質なんですけど
何かこの日は、妖艶って言葉のが似合うような「カナリア」で、
それもまた常連としては新鮮で面白い!
定番でも印象が違うのが嬉しい。
そして、これまた通常以上にロックショウ的な決めの格好良さを感じれたのもまたプラスでしたね。
また一つ、この曲の輪郭を自分なりに消化出来た感覚がありました。


拓人さんがまるで滾った獣のようにいきりたったギターを弾き倒してた「ひとり」の破壊力、
間奏の部分なんかはまるで耳に爆撃を受けているような感覚でしたが(笑
でも、その過剰さこそが何よりロックバンドらしくて素敵
そして「夜に月」はかな~り久々に聴いた楽曲でしたが
後半の荘厳な雰囲気が心地良かったのと、最初から最後まで、静かな部分ですら
暴れ回ってる岩城さんのドラミングが特に強烈で(笑 全力疾走の価値を教えてもらった気がしました。
サビも今では普通に盛り上がるくらいポップに研ぎ澄まされた印象があるなあ。
最後までオルガズムを維持し切った素晴らしい熱演でした。
ガッツリ興奮して、
でも疲れすぎたので(笑
「カナリア」では不意にヘドバンしちゃったし
最後のregaは後方に退がってリラックスしながら観る事にしました。
それくらい、この時点で私は完全燃焼してましたね(笑
これは本音ですけど、
ワンマンを二本観た感覚でした。言い過ぎかもしれないけど、それが正直な所です。
最高のロックショーを堪能出来ました。ありがとうロストエイジ。







◆rega


でも、regaも良かったんだよなあ~(笑
ライブも初見だし、楽曲も詳しい訳ではないから
そこまで込み入った事は書けないんだけど
ただただ、楽しかった
縦横無尽に動き回るメンバーの華やかさ、賑やかさ、が実直に聴き手の楽しさに繋がっていたし
複雑でありながら、シンプルな快感をもたらすアンサンブルの旨味も十分に堪能
インストバンドの可能性やオリジナリティを追求している印象の、
インストである必然性をひしひしと感じさせるバンドでした。
初見でもめっちゃ盛り上がれたので、
もし好きなバンドの対バンがregaだったら迷わず行くべし!って太鼓判を押せるくらいには
純粋に音楽そのものをたっぷりと楽しめる絶好のステージングだったと思います。
いや、ホント、掛け値なしに楽しかったです。


同時に、ただただ夢中になって、純粋に楽しむ事って
本当は一番大事なのかも・・・ってこの日のregaのステージから教えてもらった気がする
ウジウジ考えてる普段の自分が愚かで恥ずかしくなるくらい、
陽性のエネルギーをしっかりと受け止められた
初見なのに、
詳しくないのにここまで感動を書いちゃっていいのかって感じですけど(笑
でも、本当にそう感じましたね。初見で客を踊らす事の出来るバンドが悪いはずがないっていう。
素敵な締めをありがとうございました。









同じ方向性のバンドで一体感を目指すのも良い対バンですけど
それぞれ全く違う雰囲気のバンドが、それぞれで最高のパフォーマンスを披露する
それはそれでこんなに充実感を受けれるものなのか・・・!
と、個人的に感動しました
割とファン層は分かれてたみたいだったんですけど
ロストエイジのファンがチャットのステージを観た後で評価してくれてたり、
チャットモンチーのファンがロストエイジのライブでも普通にノリノリで踊ってたり、
regaの終演時間までギュウギュウ詰めの状態が続いてたり
その辺もすっごく気持ち良くてね、
帰る奴も
ノリの悪い奴も、
(自分の観た限りでは)見当たらないという
本当に素敵な音楽イベントだったなあ・・・と。気付けば多幸感溢れる一夜になってた気がします。

LOSTAGEとチャットモンチーが対バンって時点で相当自分向けですけど(笑
でもregaも負けないくらい良かったのを加味すると
結果的にも大当たりのイベントだったな、と。
いつもより長くなってしまいましたが、それくらい充実度の高い発見だらけの良スリーマンでした。
万歳!