超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Syrup16g全曲レビューその22「前頭葉」

2011-03-28 23:11:07 | Syrup16g全曲レビュー





ちょっと間が空きました。Syrup16g全曲レビューその22です。今回は「前頭葉」です。





前頭葉         アルバム「delayedead」収録




とても高圧的というか、暴力的というか
押さえつけるように
締め付けるように
掻き毟るように
過剰に必死に歌われる自己否定なのか自己肯定なのか、曖昧な歌。
この歌はきっと自分自身に対して歌われてるんだと思うけど、一種の諦めと言うか
ヤケクソというか。
どうせ傷付くんなら思いっきり傷付いちまえ、みたいな。
中途半端にヤラれるよりも、思いっきりグサっと刺さった方がかえって救われる、気付ける事もある。
それによって捨てられる事もある。
ストレートな意味じゃなくて、そこには皮肉的な意味も込められてるけど。
どうせ避けられないのならば、思いっきりくらってしまえ。思いっきりヤラれてしまえ。
そんな諦めにも似た感情。
ヤケクソって言葉をそのまんま体現してるような歌詞と歌と演奏。
間奏で弾かれるいきりたったギターソロや
がなるように歌うサビは
割とシロップの中でも珍しい?立ち位置の曲と言うか、単純に「前頭葉」っぽい曲は少ない気がする。
というか他にない気がする。
その意味でも貴重といえば貴重な曲です。自分を納得させる為に聴く事が多いかもしれない。

「冷たい風が頭をヒューとすり抜けてく」

前頭葉とは検索で調べると脳の中の感情・思考にあたる部分らしく
そこに冷たい風がヒューと吹き抜けると。
吹き抜けるはいいが
それに対して抵抗できる人間と抵抗できない人間が居て
自分は間違いなく後者で、だったらそこに突っ立ってろ、と。
言い換えれば「ひたすら耐えろ」という意味にも聴こえる。冷たい風が吹いたとしても
自ら吹くのは止めておけ。
受け止めるだけで良い。
焦んないで、慌てないで、じっくりと考えればいい。悩めばいい。落ち込みたいなら落ち込めばいい。

これらは総て自分の勝手な解釈なんですが
一聴すると単純に高圧的に歌われてるようで、実は忠告というか、願いというか。
そんなものが込められてる気もなんとなくします。
勿論ガサついた気分の時にストレス解消的に聴くのも全然OKな気はしますけどね。
これもまた確実に必要な曲です。
イントロのやや感傷的なギターの鳴りも好きですね。サウンドもシャウトも格好良い。




この曲ライブで聴いた事なかったんですが、やったら確実にアガっただろうなあ。って思う曲でもある。




アナログフィッシュ/STAn@新宿red cloth 11.3.27

2011-03-28 01:14:58 | ライブレポ






今日は久々にライブに行って来ました。1ヶ月ぶり・・・かな。ここ最近は全部延期だったので。





東京は新宿にて。
東京に行くのも2ヶ月ぶりでした。久々すぎて京葉ストリートの変わりっぷりに驚きつつ
中央線で新宿へ。でも正直箱探しに迷ってしまって、4人もの人に道尋ねて、それでも開演ギリ、っていう
へタレっぷりでした。というか駅から遠いし目印が暗くてよく分からねえ(笑)。
個人的にも地図苦手過ぎる。
で、箱はかなり小さめですね。Queよりちょっと大きいくらい。けど天井の照明がオシャレで音の鳴りも良かった。
初めてですが雰囲気良くてゆったり楽しめたな、と。

そう、この状況下で音を鳴らしてくれるってのは相当に勇気になるもんで
少しずつかつての日常が帰ってきてるような、そんな気がしました。
加えて行く予定の公演が次々延期になった事で
改めて知るライブの有り難味。
アナログでは抑えたけどSTAnは結構ガッツリ体動かしたかも。とはいえモッシュとかは当然ないけど(笑)。

という訳で実に気持ちの良い対バンでした。では以下。






●アナログフィッシュ
1.TEXAS
2.平行
3.チアノーゼ
4.新曲
5.新曲
6.戦争がおきた
7.PHASE
8.新曲
9.Clap Your Hands
10.荒野(新曲)


新曲中心のセトリ。以前にも増して大胆な組み方ですね。
驚いたのが数ヶ月前に観た時と比べて「PHASE」が異様に馴染んでるなあ・・・と。
なんか定番曲?ってくらい安定感と観客の盛り上がりを感じました。歌も脂が乗ってた。
それに加えて「チアノーゼ」のあまりの良さにもビックリ。
元々年末の新代田からよく耳に残る曲ではあったけど、本当個性の強い曲だな、と。
不協和音のようなベースの音がいつまでもグルグル回ってくれます。

最初からアンサンブルは飛ばし気味、今は「平行」が代表曲ポジションなのかな
成る程間奏の暴れまくってるギターや飛ばしてるベース等淡々としながらも
ロックバンド的な前のめり感も漂ってくる曲で。
生だとちょっと印象変わりますよね。

一番のハイライトは「Clap Your Hands」だったと思っていて、あの曲は今この状況に於いて
演奏すべき曲だな、っていうか敢えてこの曲をチョイスしたんだなってのが伝わって来て。
まあ元々定番の一つではありますが。
でも、やっぱり単純に楽しかった。みんなで手を叩いて口ずさんで。シンプルだからこその強み。

最後の新曲「荒野」も良かったですよねえ。
最近の新曲は今まで以上にアレンジに凝ってて音源化がとても楽しみですよ。
ちなみにSTAnとの対バンは初だそうです。意外だ・・・。



●STAn
1.After all
2.S.T.An
3.Ice Candy
4.俺の右の心臓
5.THE FIRE
6.Born to be mild
7.ダルい男
8.大人になれば
9.Virginia Sky,Endless stardust&Darlin'
10.タイガーアイ
11.毘沙門天
12.Nazca
encore
13.ULTRAMAGNETICSTANS


いや、あれですね、もう・・・カッコよ過ぎ!!(笑)。
個々の演奏能力があまりにも高すぎて、間近で観てたら思わず感嘆の声が出ちゃうくらい滾りまくった演奏
何もかも冴えてるような状態で。
よっきゅんのドラムは毎回観るたびに上手くなってるような気がするし
エムちゃんは観るたびに佇まいが格好良くなっていくし
kygはいつ観てもkygだなあ、って感じだし(笑)。
 ただ後半に連れてボーカルの熱量があからさまに高くなっていった感じがあって
最後らへんはもうほぼ叫んでるような、むしろがなってるような状態で
それはそれで貴重だったというか
いつも以上にアガってしまいまして。いや本当に凄いですよSTAnは。もう絶対に観て欲しい。って直に思う。
本当ならAXとかでワンマンやってなきゃおかしいでしょ。
って観てて思っちゃったんだけど。
本当に音の太さが凄いわ。問答無用に体動いちゃうくらいにね。

なんかもう、どの曲もいちいち振り切ってたんですが
序盤の「俺の右の心臓」はお客さんの一体感も凄くて、有無を言わさず夢中になってしまう勢いがありまして。
この曲終わった段階で既にかなりの満足感が。
 その他にも「THE FIRE」ではよっきゅんの鬼ドラムが見事に炸裂し
「ダルい男」は音源より更にブラッシュアップされたバンド演奏に聴き入り
「大人になれば」では珍しくエムちゃんの叫びが聴けてそれもまた楽しかったり。いやはや熱い。
よっきゅんいわく「大人になれば」は数年ぶりのKygによる「いい曲」らしく
語弊を生む形容だったけど、なんとなく分かる気もした。
フィーリングで。

個人的に大好きな「タイガーアイ」演奏してくれたのは本当に嬉しかったし
この曲で歌われてるメッセージは本当に胸に刺さると言うか、心に響くっていうか。
「毘沙門天」ではこれまた珍しくKygのギターソロから始まったり
「Nazca」では最後にマイクスタンドを掴んで、くしゃくしゃになって、必死の形相で
「愛してる!」と何回も何回も叫んだりと
こういう状況だからこそ、観る人の胸を打つライブがしたい、演奏がしたいっていう意志が
伝わってくるようで
その心意気がまた涙腺に来たり(笑)。最後の「お前ら全員愛してる」は中々忘れられません。

アンコールでも凄まじいテンションで「ULTRAMAGNETICSTANS」を演奏
がむしゃらに見えて演奏は本当しっかりしてるんだもんな。
なんでこれで売れないんだろ。
最後は「STAn、アナログフィッシュ、Quip、今日のお客さん・・・日本マジやばい!」と吐き捨てて終了
色々なものに対しての敬意が感じられる最後でした。
レッドクロスにもお礼言ってたしね。

気持ちいい汗たっぷり流してライブは終了。久々という事もあっていつも以上に楽しめた、
のは演奏側も、かな?素晴らしい対バンだったと思います。
正直色々と発散出来たような気がします。
バンドも、箱も、ありがとうございました。




最近ライブレポ全然書いてなかったけど、久々に書くとやっぱ楽しいですね。
ライブ自体が楽しかったもんね。
系統が全然違うのも無意味に比べられなくて好都合だったかもしれない。意外と食い合わせ良いっていうか。