サカナクションのニュー・シングル「ルーキー」を聴きました。
これはとてもユニークなシングルで。
何がユニークかってカップリングの「スローモーション」のがシングルっぽい曲なんです。
そっちのが良いとかじゃなくて。ジャストシングルライク。
逆転現象といいますか
敢えて「っぽくない」方を表題曲に選んでるあたり彼ら流のひねくれを感じるというか何というか。
そもそも「ルーキー」自体、それまでのシングル曲とは全然違くて
それまではキラーチューンが多かったというか、敢えて狙ってる部分も大きかったと思うんです。
それこそ「アイデンティティ」なんかは大衆性とマニアックさが同居した名シングルだと感じましたし。
あの曲で一つの到達点を迎えたのは間違いない。
武道館でも破格の盛り上がりだったし。
が、これはほどほどのポップさはあれどそこまで大衆的とは感じず
ポップさよりもセンス優先の音作りだとか、サビをそこまで目立たせない謙虚さだとか
シングルっぽさが全然ない訳ではないけれど
どっちかというとアルバムに入ってそうなタイプの曲で。
全体的に漂う浮遊感が特徴的。バンド感よりも打ち込みの方に比重がいってる。
より電子音楽らしくなった気もします。
これはこれで凄く気持ち良くて。
個人的な考えなんですけど
割とそこまで気負わなくなったのかな、というかシングルで遊べるようになったのかなと。
一本調子で攻め切らない所に音楽的な豊かさを感じる。
また一歩表現者として成長したというか。
和の要素もしつこくならない程度に組み込めているのがまた良い。
これでまた次のアルバムが更に面白くなりそうな予感がしますね。
本当にメジャー/マイナーの中間を目指せてる感じが。成果として出てるな、と。
このシングルを引っさげて、なのかな?数ヵ月後にはZeppツアーも開始とどんどん大きくなっていく彼ら
今や若手の筆頭株なので是非頑張ってまた名盤を作って欲しいところです。
3曲入りで1000円という価格設定もまた嬉しい。