超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ルーキー/サカナクション

2011-03-21 21:59:55 | 音楽





サカナクションのニュー・シングル「ルーキー」を聴きました。




これはとてもユニークなシングルで。
何がユニークかってカップリングの「スローモーション」のがシングルっぽい曲なんです。
そっちのが良いとかじゃなくて。ジャストシングルライク。
逆転現象といいますか
敢えて「っぽくない」方を表題曲に選んでるあたり彼ら流のひねくれを感じるというか何というか。

そもそも「ルーキー」自体、それまでのシングル曲とは全然違くて
それまではキラーチューンが多かったというか、敢えて狙ってる部分も大きかったと思うんです。
それこそ「アイデンティティ」なんかは大衆性とマニアックさが同居した名シングルだと感じましたし。
あの曲で一つの到達点を迎えたのは間違いない。
武道館でも破格の盛り上がりだったし。


が、これはほどほどのポップさはあれどそこまで大衆的とは感じず
ポップさよりもセンス優先の音作りだとか、サビをそこまで目立たせない謙虚さだとか
シングルっぽさが全然ない訳ではないけれど
どっちかというとアルバムに入ってそうなタイプの曲で。
全体的に漂う浮遊感が特徴的。バンド感よりも打ち込みの方に比重がいってる。
より電子音楽らしくなった気もします。
これはこれで凄く気持ち良くて。

個人的な考えなんですけど
割とそこまで気負わなくなったのかな、というかシングルで遊べるようになったのかなと。
一本調子で攻め切らない所に音楽的な豊かさを感じる。
また一歩表現者として成長したというか。
和の要素もしつこくならない程度に組み込めているのがまた良い。
これでまた次のアルバムが更に面白くなりそうな予感がしますね。
本当にメジャー/マイナーの中間を目指せてる感じが。成果として出てるな、と。




このシングルを引っさげて、なのかな?数ヵ月後にはZeppツアーも開始とどんどん大きくなっていく彼ら
今や若手の筆頭株なので是非頑張ってまた名盤を作って欲しいところです。
3曲入りで1000円という価格設定もまた嬉しい。



俺の妹がこんなに可愛いわけがない Blu-ray 第3巻

2011-03-21 01:40:47 | 俺の妹がこんなに可愛いわけがない




またも遅れましたが「俺妹」Blu-ray3巻の感想です。っていうか4巻は発売遅れるらしいですね。
色々なものが発売延期になって大変だ。
まあ楽しみに待つとしますけど。




■第5話 俺の妹の親友がこんなに××なわけがない

冒頭のドツボに嵌る桐乃が見てて可笑しい、そして可愛い(笑)。
まあ何にでも真剣な桐乃の事ですから(多分登場人物の中で一番根性ある)、
兄も趣味も学業も親友も頑張ってる訳なんですが
その内の一つ、親友が崩れてしまうと。趣味バレによってね。それをどうこうするって話。
 本当は兄貴の力には頼りたくなくて自分の力で解決したかったんだろうけど
同時に兄貴に助けて欲しい気持ちもあって。
やっぱり兄貴して欲しい気持ちもあって。傍から見ても面倒くさい性格ですけど、それもまた彼女の個性です。
京介が意識しては言ってないんだろうけど、確かにオタ趣味は二人を繋いだ絆でもある。
その言葉を聞けて桐乃も嬉しかったのでは?
最後の表情がまた印象的、そういう思いを確信させるには十分ですね。

あやせは極度の心配性っていうか、なんかもう「お父さんは心配性」のお父さんレベルの心配性というか。
彼女にとってオタ趣味は忌むべきものっていうのは間違ってない、
けどそれ以上に桐乃が自分のイメージの中から離れて行くのが嫌だった、純真なままで居て欲しかったというか。
嫌な言い方で言うと「イメージの押し付け」。
で、ここで重要なセリフが

「本当のアタシって何?」って事になる。

誰かのイメージ通りの自分なんて本当の自分とは言えないし
それこそ個性を奪う発言というか
桐乃はあやせの人形じゃないっていうか。
人にとってはゴミのようなものでも、誰かに取っちゃそれが宝物だったり
人の価値観なんてそれぞれな訳で。
誰が何に夢中になるかは分からない。
でもここで桐乃はそう主張するだけじゃなく、これがアタシだから!って分かってもらおうとした。
一方的な逃げ切りはせずに自分の口で「自分」を必死に説明した。
その熱量は観てて気持ちの良いものがありますね。

ちなみにエロゲと同じくらいのセリフは単に一つの象徴としてその言葉を出しただけで
言い換えると自分の生きがいであるオタ趣味と同じくらいあやせが大事
要は自分のアイデンティティの中にあやせも組み込まれてる!と。そう解釈してます。

当時の感想
http://blog.goo.ne.jp/nijigen-complex/e/f0682a690759c35b12188545213cf352



■第6話 俺の幼馴染がこんなに可愛いわけがない

桐乃はとっても面倒な性格なので、対となるヒロインは思いっきり分かりやすくしようと。
何となくそんな意図を感じる麻奈実のキャラ造詣。
事実この話はそんな中盤の箸休めとしては
申し分ないくらい分かりやすくて、狙いがよくみえて感情移入しやすい話です。
丁度ここら辺に入れるにはピッタリの話じゃないですかね。
桐乃のジェラシーの可愛さと
夫婦のような二人の関係性と雰囲気。ああ、そりゃあ桐乃も嫉妬するわな。
地味子、地味子と呼んでいるのはきっとそんな関係性を認めたくない、良さを認めたくないから。
だってきっと、認めてしまったら・・・
と考えると桐乃がますますいじらしく思えてきますなあ。桐乃が今になって兄貴との関わりを頑張ってるのは
留学の件の他に彼女の存在があったのかもしれませんね。
「そうなる前に・・・」的な。

きっと京介も麻奈実もお互いの想いになんかとっくに気づいてて
その上で友達って関係を敢えて選んでるような、そんな気がします。分かってて敢えて前に進まない。
それもまた滑稽だけど、お互い友達って関係性が一番似合うって思ってるのかもしれない。
しかしこれ観てると両方ムッツリやな(笑)。

当時の感想
http://blog.goo.ne.jp/nijigen-complex/e/af72ed34bc4805662835bdf168089138



特典のCDの感想。

オレンジ/高坂桐乃

これは今までなかったような、商店街の匂いもするような親しみやすいポップス。
夕暮れの時間帯まんまな雰囲気が聴いててほっこりします。
歌も桐乃の等身大という感じで身近に感じられるかも。


マエガミ/田村麻奈実

自分は圧倒的に桐乃派ですけど、こういう曲聴くとちょっと感情移入しちゃうよね(笑)。
なんかもう、降参って感じです。はい。
タイトルと歌詞は原作の前髪切り過ぎた~っていうワンエピソードが元になってるそうです。
全部終わったら原作も読もう。



という訳で相変わらずの面白さでした。一部追加されてると思われるシーンもあり、その意味でも楽しいです。
次回の配信も楽しみ。