西森博之「鋼鉄の華っ柱」1巻読了。
前作「お茶にごす。」も好評だった西森博之の新作です。
この人キャリア的に言えばかなりのベテランなのにベテラン臭がしないのは何故だろう。
むしろどんどん洗練されていってるような・・・
絵も全然古くならないし。
相変わらずシャープな絵柄が素敵です。
今回は、坊ちゃんが主人公。誇り高き名家の生まれで。
でもまあ、性格は多少・・・多少?歪んでるわけでして。表向きは、ってヤツでしょうか。
そんな坊ちゃん主人公が会社の倒産を期に親が海外に逃げて無一文となり
更に家も差し押さえで、完全にゼロの状態になって
またやり直すって話なんですけど。
普通そんなんなったら慌てるし、絶対に涼しい顔なんてしてられないと思うんですが
この主人公、真道は至って冷静・・・と思いきや心の中では心底ムカついたりしてるんですが
それを表に出さず、あくまで紳士で、金持ちだった頃の自分を貫いて生きていく。むしろ社会見学のつもりで。
それってある意味滑稽とも取れるんですが
この男はそんなものじゃなくて
むしろ虎視眈々と成り上がりの計画を建てていく、っていう。再び戻ってやるぞ、と。
例え生活が貧しくなっても、心までは貧しくならない・・・っていう真道の態度は傍から見ると非常に格好良く
また時折覗かせる魔性の一面が印象的な男でもあります。
今までもインパクトのある主人公を生み出してきた西森漫画でありますが
どうやら真道はいつもとは別角度から楽しませてくれそうな男ですね。
早速如何にもな下衆が登場、って事で
ここからの叩き落し、それによる成り上がりにも期待したいところです。
しかしその下衆の親分が本当に悪そうな顔をしていて、こういう奴描くの本当に得意だよなー、って思いました。
だからこそ落とされる瞬間が楽しみ、っていうか(笑)。
久々の週間連載、って事で期待してます。サブキャラの活躍も楽しみ。