アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

自然にできたカタチ③氷編

2013-01-20 22:35:43 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
   中当町の氷瀑は、いまずいぶん大きくなっているはずですが、どんぐり横丁の広場でも、ミニサイズの氷瀑が見られます。水車に流れる水が凍りました。池も凍っています。2週間ほど前に撮りました。

    自宅の敷地内でも、ミニ氷瀑を見つけました。うちの裏の小川で、隣人が上流から水を引いているのですが、つなぎ目のところから水が噴出して、こんな形に。右下が小川です。

    枯草の形に凍りました。

    先週の月曜日に降った雪は、かなり水っぽくて、すぐ溶けそうだったのですが、温度が低くて凍りました。雪のしずくが氷に。美しい。

    雪が降ったのは一日だけでしたが、低温が続いたため溶けずに凍りました。

    薪小屋の北側の軒下をのぞくと、トタン屋根の形をした氷が屋根からせり出していました。氷が波型トタンの形になっているところがおかしい。

    きょうはやっと少し気温が上がったので、雪はだいぶ溶けました。お昼前頃、この薪小屋の北側を見に行ったら、トタンの形を保ったまま、氷が屋根から離脱を始めていました。
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サツマイモ仕事

2013-01-20 14:44:27 | 手作りのたべもの
昨秋、あちこちからいただいたサツマイモが、そろそろ凍みてきそうだったので、先日サツマイモのお菓子をいくつか作りました。

  まず最初につくったのが、大学芋。わたしも家人も、サツマイモのお菓子の中では最も好きなおやつなのですが、揚げるのがめんどうで、めったに作りません。ネットで、なにか手軽な大学芋の作り方がないかしらと思って、ネット検索してみたら、ありました! それもけっこういくつも。

  「揚げないで作る大学芋」です。

   その中の一つで、やってみました。①芋を乱切りして水に放つ。②ざるに上げて水を切る。③フライパンに、油→砂糖→醤油→酢の順に調味料を入れる。④ふつふつしてきたら、芋を並べて弱火で煮る。⑤芋を裏返し、飴状になった調味料をかける。⑥また裏返す。2,3回、繰り返して水分がなくなり、飴が芋にからんだらできあがり。


    以上の工程を、ほぼレシピどおりやったつもりなのですが、砂糖の量を減らしすぎたのが間違いでした。こんな飴煮いもになりました。

   どろっとした油がかなり残り、芋にはかりっとしたところがなくて、大学芋らしいところはありません。

   でも、甘くておいしい。今度は、ちゃんと分量どおりやることにします。

    次に作ったのは干しいも。

    蒸さないで、まるごと茹でました。最近、茹でるほうが、芋から出たうまみがまた芋にしみこんでよりおいしくなる、と聞いたからです。くしが通るほど柔らかくゆでたら、切って干します。

作ったのは夕方だったので、外には干せないため、ストーブの下におきました。ここは、いろろなものを乾燥させるのに、とても好都合な場所です。

    さて、最後に作ったのは、ムラサキイモの芋甘納豆。今年はこちらのレシピで作りました。

    選んだレシピは、砂糖が一般のほぼ半量。作ってすぐに食べることを前提に考えられています。そのため、干す工程がありません。

    私はやはり、外側が少し固いほうが好みだし、少しは日持ちするものにしたかったので、甘く煮てから、粗糖をまぶしつけ、ストーブ下においてみました。

    ところが、これはいけなかった! 砂糖は熱を持つと溶けます。せっかく粗糖をまぶしつけて表面水分が飛んでいたのに、またぬれてきてしまいました。

    ほんとは、煮た芋を干してから粗糖をまぶしつけるべきだったのに、先にまぶしてしまったのも、いけなかったとおもいます。せっかく砂糖の量を半分にしたのに、うえから相当の量を付けてしまいました。

    結局こちらもほしいも同様、2日ほどストーブ下におき(曇りや雪の日が続いたので)、きょうやっと外に干しました。芋納豆のほうは、いまだにウェット。表面のカリカリも、去年より少なそう。早く食べてしまわないといけないみたいです。

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「エミリー・ローズ」

2013-01-14 15:10:38 | 映画とドラマと本と絵画
   だいぶ前に、レンタルビデオ店で安売りしていたので買ったDVD(コチラ→)。「衝撃の実話」というキャッチコピーに惹かれたのですが、ホラーみたいだし、聞いたことのない映画なので、なかなか見る気になれなかったものです。

    ふたつきほど前、やっと見ました。コピーどおり、「衝撃」的な話だったので紹介します。

    アメリカの片田舎が舞台です。たぶん70年代の頃のことだと思いますが、厳格なキリスト教徒の家に生まれ育った主人公・エミリーローズは、奨学金をもらって、念願の大学入学を果たします。親の反対を押し切っての自立。街での生活が始まります。

    大学の寮で、彼女はある夜突然幻覚に襲われ、すさまじい痙攣を起こします。以来、たびたび体に異常を感じた彼女は、精神科の治療を受けます。しかし、医学では治せないと感じた彼女は、実家の教区の神父に打ち明けます。

    本人同様、エミリーに悪魔が取り付いていると判断した神父は彼女に治療をやめさせ、教会の規定どおりのやり方(!)で、悪魔祓いの儀式をおこないます。しかし、結局エミリーは命を落します。

    エミリーを診察した精神科医は、神父を被告として告発。神父は、エミリーが襲われた幻覚が、ただの精神病の発作ではないことを、録音したテープや手紙で証明しようと試みます。

    たしかに、エミリーの痙攣も叫び声もただ事ではないのですが、精神病の症状としてすべて説明できる、と精神科医は主張します。

    裁判では、非常に良識のある判決が下されます。陪審員の提案に、裁判長が賛成する形で下されるのですが、この判決には感心しました。

    さて、映画で見る限り、私も、エミリーの発作も幻覚も彼女の身のうちだけで起こった出来事と当然おもいます。彼女は、街での大学生活でカルチャーショックを受け、神と家族への不信を抱き始め、そのことに対する後ろめたさが、いろんな形で彼女を内部から痛めつけたのではないかとおもいます。

    そして、神父に明かしてからは、お互いの強い幻想に飲み込まれ、二人して悪魔の像を頭の中で作り出した。

    素人の私のいいかげんな批評に過ぎませんが、こんなことは、今の心理学や精神分析学などで、もっともっと詳細にしかも的確に説明できる事柄だと思います。

    私が「衝撃」的だと思ったのは、彼女の発作や幻覚ではありません。実在したエミリーのモデルや神父、家族達が、本気で悪魔の存在を信じているらしいことです。どの人も、現代に生きるごく普通の人にみえるのに。

    そしてさらにおどろいたことには、このエミリーのモデルとなった少女の墓には、いまでも訪れる人が後を絶たないというのです。つまり、西洋には今も、悪魔がいると信じている人がかなりいるということ、それにおどろきました。そういえば、何十年も前、「エクソシスト」が公開されたとき、映画館でたくさんの人たちが失神したと聞いたことも、思い出しました。

    この映画の元になった事件は、1976年にドイツでおきたそうです。エミリーのモデルは、カトリック教会から「悪魔に取り付かれた」という正式の認定をうけていたとのこと。私の若い頃に、先進国のドイツで、同世代の女性が「悪魔付き」とみなされ、悪魔祓いをされたということに驚きを禁じえません。

    西洋の服を着て西洋料理を食べて、西洋の文物をたくさん吸収して西洋式の生活をしている私達ですが、根本的に理解していないことがたくさんあるんだろうなということを、あらためて気づかされた作品でした。    

            
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画期的なごはんの炊き方

2013-01-13 13:28:53 | 手作りのたべもの
 5分搗き米や3分搗き米をとてもおいしく炊く方法を見つけました。強火にしたあと、蓋を開けてあくを取ってから、ごくごく弱火にして炊くのです。

   ご飯を炊くときあくを取るなんてこと、やったことありません。できたごはんがこちら。穴が適度に開いて、いい状態です。使ったのは、ルクルーゼの鍋です。

   いままで食べた3分搗き米の中で、最もおいしく炊けていました。玄米のうまさと白米のうまさがどちらも備わっている感じです。残りをおにぎりにしました。

   粒が立って光っています。お米は、隣町の設楽町名倉で有機農業を営んでいる三川さんが栽培したもの。天日干しはしていませんが、おいしいミネハルカです。でも、3分搗き米はいつもあまりおいしくなかった。筒井重之さんのお米でも同じ。玄米や5分搗き以下のお米はおいしいのですが、3分搗きはいまいちでした。

   今回やってみた炊き方は、神奈川の葉山でマクロビオティック料理教室・白崎茶会を開いている白崎裕子さんが考案した方法です。先日買ったこの本に載っていました。

    分搗き米は、玄米や白米に比べて糠がたくさん米粒についているので、よく洗う必要があります。まずその洗い方に、白崎さん独自の工夫があります。

    「①水を素早く洗い吸水させる 大き目のボウルに米を入れ、たっぷりの水を加え、素早くかきまぜ、1回目の水は捨てる。水を捨てた状態で数回とぎ、新しい水を入れて素早くまぜ、すぐに捨てる。この作業をくり返し、濁らなくなるまでしっかり洗う。水をざるに上げ、しっかりと水けをきる。鍋に米と水を入れ、約1時間浸水させる」

    わたしはこれまで、分搗き米は糠くさくなるからとよく水を替えてはいましたが、3分搗きはなかなか水が透明にならないので、少々濁っていてもその水に浸したまま炊いていました。よく洗うことも大事ですが、最後にざるに上げて水をきる、というのもポイントのようです。

    東南アジアのどこかの国でも、米を煮るときあくをすくっているそうですし、日本でも、豆を煮るときもやっています(私は小豆も黒豆もとりませんが)。それと同じと考えれば、米のアクを取るのはさほど邪道とはいえないかもしれません。

    さて、水切りした米を鍋に入れ、米の1.4倍の水を入れます。この1.4倍という数値も、白崎さんが見つけ出した比率です。普通、水は米の1.2倍なのです。

    「②炊く ふたをして強火にかけ、勢いよく沸騰させ、アクが出たらすくい取る。ごく弱火にし、17分加熱する。時間になったらふたを開けて、中の状態を見る。水分量がちょうどよければ、ふたをして、強火で5~10秒加熱して火を止める」

    水っぽいときはさらに加熱。水が足りないときは熱湯をまわしかけて、数分弱火で加熱します。アクが出たらすくう、というご飯の炊き方は、これまでの飯炊き方法から言えば、かなり驚異的です。

    「③蒸らす そのまま15分蒸らす。タオルや布で鍋を包むとさらにおいしくなる。表面にかに穴がぼこぼこ開いていればおいしく炊けた証拠。しゃもじでごはんの上下を返し、ふんわりとほぐしておく」

     私は普段から、玄米以外は土鍋で炊いているので、鍋で炊く手間に抵抗はありません。洗い方にあと少し気をつけ、炊き始めた後アクをすくう。これだけが余分の仕事だったわけですが、手間をかけた分の何倍ものおいしいご飯にありつけました!

    今夜は、彼女の方法で圧力釜での玄米炊きをしてみます。やはり今回と同じように、最初のあく取りが肝心みたいです。また、続けて報告します!

     

    
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「猟奇的な彼女」

2013-01-11 12:25:05 | 映画とドラマと本と絵画
   昨夜、BSで韓国映画の「猟奇的な彼女」を見ました。しばらく前の映画で、有名なので見始めたのですが、途中、何度も「いったいどういう映画なの?」とあきれました。それでもとりあえずとおもって、見続けました。

   ヒロインは酔っ払って電車の中で反吐をはくし、赤の他人の彼女を成り行きで仕方なくホテルに連れて行く主人公の男はかなりかっこ悪くて、おまけに反吐で汚れた体を洗うためにシャワーを浴びる後姿を観客に見せるし、で、かなり汚い。

   7歳まで女として育てられた主人公はよく言えば優しく、悪く言えば優柔不断。対する女は、気が強くてひどいわがまま。恋人と別れたばかりなので、よけいいらだっています。主人公が自分の言うことを聞かないとぼかすか殴るし、飲み屋で援助交際らしいことを相談しあっている男女グループに食って掛かったり、公園で吸殻を捨てる男性にいちゃもんをつけたりと、かなり暴力的で変人です。「猟奇的」とは、大阪弁でいう「けったいな」に近いニュアンスだとか。

    この二人の、恋人のような友達のような、王女様と召使のような奇妙な関係が続き、結局2年後の再会を約束するところで別れます。かなり後半なのですが、この時点でも、まだ、先の展開がつかめません。ラブコメのはずなのに、もしかしたら悲劇なの?と思わせるシーンもあります。

   ところが! ラスト5分前、話は急展開します。ネタはばらしませんが、この展開で、私は突然涙が出てきてしまいました。感動的な終わり方です! いい脚本!

   最後まで見てよかった。荒唐無稽で、なにがおもしろいのか分からないシーンもたくさんあったのですが、それでも見られたのは、退屈な画面が少なかったからだとおもいます。女優をちゃんときれいに撮っているし、写真として美しいシーンもありました。それに、なんだかへんてこな感じがずっとあって、妙に気になり、チャンネルをかえるに至らなかったのです。

   ネットでいまさっき調べたら、この映画の原作はネット小説だそうで、爆発的な人気を呼び、映画化されたそうです。でも、ラストは映画独自の展開だということで、終わり方はまったく違うそうです。
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だし入りの白菜漬け

2013-01-10 11:54:48 | 手作りのたべもの
  この冬初めて漬けた白菜漬けが、ほぼできあがりました。

   今年は、いつもの漬け方とはちがう方法をとりたくてネット検索したら、こんなレシピが見つかりました。「横手ばあちゃんの白菜漬け」。この白菜漬けを作っている「おばあちゃん」は、ニンニクとタカノツメを入れるから「朝鮮漬け」といっているようですが、これは普通にやること。変わっているのは、ニンジンとだしを投入するところです。

    彼女のレシピを元に、私が作った今回の白菜漬けのレシピは以下のとおりです。

    材料にしたのは、白菜約3キロ、塩150gと大さじ1杯半、カツオだし600cc、タカノツメ、ニンニク、コンブ、ニンジン。それに、するめの頭を小さく切ったもの。前に食べたするめの残りです。

    初めの塩漬けから変わっていて、ちゃんと重石をしません。洗って干しておいた白菜を手で割り、塩を根元あたりにすり込みながら重ねます。2,3時間放置しておくと少し水が上がるので、今度はお盆とかお皿とか軽い目の重石をして、また2,3時間放置。水がけっこう上がってきたころ、ざるにあげて水が切れるまでまたまた放置します。しぼらいないのです。

    さて、本漬けの前に、まずだしを取っておきます。出しパックでも煮干出しでも何でもいいのだそうですが、私はカツオでとりました。そして冷まします。

    漬物容器に、白菜とニンジンそのほかの具材を2段重ねに入れて行きます。最後に上から塩大さじ1杯半とだしをかけて、ラップをかぶせてから落し蓋をして重石をし、蓋を。三日目の今日、少し塩辛いけれど、今夜から食べてもよさそうな具合に仕上がりました。

    元のレシピでは砂糖を少量入れているので、そうしたらたぶんもっと早く水が上がると思います。

    昆布がたくさん入っている上に、カツオだしとするめを入れているので、味がかなり濃い。まだあと2,3日してからのほうがなじむと思うのですが、浅漬け好きの私には頃合いの感じです。夕飯まで待てません。昼食にちょっと切って食べてみます。

   ただし、少し気になるのが、日持ちのこと。普通の漬け方なら、水分は野菜から出たものだけ。でも、こちらは外から出し汁を入れているので、腐敗が早いのではないかと心配しています。早めに食べきったほうがよいのかもしれません。
   
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「美味しんぼ」109巻のこと

2013-01-07 23:02:14 | 映画とドラマと本と絵画
   2ヶ月前に発刊された「美味しんぼ」109巻は、原作者・雁屋哲の、日本の食文化に対する真摯な思いがいつにもましてはっきりと表現されていました。

   この巻は、2大新聞社が対決をつづけている「日本全県味巡り 島根編」。「震災の復興がままならないというのに、悠長な「味巡り」などしていたら世間から顰蹙を買うにちがいない」とひるむ主幹たちに対し、海原雄山は、こう言います。

   「今、多くの日本人の脳裏にあるのは、破壊された東北のあの惨状だ。その光景に心を縛られていては、心が沈むだけで復興の力が湧いてこない。かつての東北に劣らない美しい風土。現実にそれをこの目で見て、この身をその体験で充満させて復興に当たらなければ、目の前の惨憺たる光景に負けてしまう」

   そして、雄山は、味巡りの県として島根県を提案します。島根には、10月になると日本中の神が集まるという出雲大社があり、「日本書紀」や「古事記」より古い時代にできた「出雲国風土記」があるように、日本のなかでも、とくに古い歴史を持つ地方です。その島根に息づいている食文化を紹介することで、日本の風土の豊かさを再認識してもらおう、というのです。

   雄山に対抗している側の、東西新聞社の山岡さん一行が最初に向かったのは島根県庁。農水産部を訪ねます。部長・次長クラスの職員が彼らに語ったのは、「島根県有機農業推進計画」。中山間地が70%を占める島根の、地の利を生かす農法として、自然農法、有機農法を県が応援しているというのです。

  「これからの日本は人口も減りますし、大量生産、大量消費とは逆の方向に行くのではないでしょうか。(中略)島根県は量や規模では勝負しづらいが、豊かな自然があるので、有機を特徴にやっていこうと考えたのです」

   県単位で有機農法に取り組む方向を示すとは、興味ぶかい。職員が一行を案内したのは、在来の生姜で作る生姜糖屋とその栽培農家です。しっとりと柔らかいこの出西生姜といわれる在来種は、よその土地では同じように育たないのだとか。

   県の農水部が島根の特長としてあげたのは、山が多いため、土地によって環境が変わり、変化に富んだ質の高い農産物ができること。その農産物のひとつが、この生姜というわけです。 

   彼らは、隠岐の島で、アメフラシという気味の悪い動物の料理に出会います。ゲテモノ料理などではなく、れっきとした郷土食です。料理対決の会場では、このアメフラシの料理から始めて、審査員の度肝を抜きます。

   ついでクロモジのお茶、クロエイの炊き込みご飯、こじょうゆみそ、サバの塩辛、ツガニ団子などなどが登場。どれも、おいしそう!

   さて、もう一方の雄山たちが初めに訪れたのは旧柿木村。こちらは、町をあげて有機農業に取り組んでいます。30年も前に「有機農業をすすめ、合成食品添加物を追放して、村本来の伝統的な食べ物を追求していく取り組みを始め」ました。現在150戸ある出荷農家のほとんどが、有機農業に取り組んでいるのだそうです。

   雄山は、料理対決の会場でこの村を紹介しながら、「このように全村挙げて有機農業に取り組むことは、地域を活性化し、外国の産品と競合しない新たな生産物を生み出す。TPPに対処する有効な方法だということを理解していただきたい」と、いったん結びます。

   しかし、ついで、「TPPにアメリカの(有機栽培)基準が適用されたら、日本の基準との違いが問題になるかもしれない。その場合、柿木村のこれまでの取り組みが否定されたり、アメリカの有機農産物に対抗できなくなる恐れもある。(中略)村の取り組みが無にならないよう、日本政府がTPPに賢く対応するように見張ろうではないか」とつづけます。

   審査員に出されたのは、ふたつの町の違ううずめ飯、アゴだしのモズク雑煮、焼き飯茶漬け、ホンダワラの漬物、亀の手の吸い物などなど。そして、松江で獲れたスズキの奉書焼き、ヤイトガツオのおつくりとカマの塩焼きのあと、最後に宍道湖のシジミの味噌汁が供されます。

   雄山は、最後にまた一言付け加えます。

  「この素晴らしい自然環境を失う危険を、島根県自身が抱えている。島根原発が事故を起こしたら、本土も隠岐諸島も現在の福島のような状態になってしまう。島根原発が福島のような事態を引き起こさぬよう、日本人全体が心を一つに注意を傾け、力を尽くしていただきたいと思う」

   私は、この巻に出てきた島根の郷土料理をひとつも知らないのですが、読んで絵を見るだけで、この地に育った産物を最大限生かすために、島根の、古今のたくさんの人たちの深い知恵と工夫が集められて生まれたものだということがよくわかります。どれもみんな食べてみたい。 

   さて、私は20数年前、マクロビオティックの雑誌の編集に携わっていたときに「美味しんぼ」を知り、書評欄で取り上げました。当時はまだ、グルメ漫画としかおもわれていなかったし、自然食や環境問題を取り上げることはなかったと思います。でも、素材の出所や調理法の細かいところまで言及するところなどが、他のグルメ漫画とは一線を画しているとおもったのです。

   以来、ずっと買い続けていまや109巻。100巻を越えたあたりから、中身が俄然変わってきました。堰を切ったように、食の安全や環境問題を取り上げるようになったのです。

   山に牛を放牧させる山地酪農の素晴らしさ、ダム建設にまつわるとんでもない問題点、そのほかさまざまの、食と環境に関する事柄を、私はこの「美味しんぼ」で学びました。

   この巻は、雄山が山岡さんに向かって、「今、福島について何が真実かはっきりしない。私は福島の真実を掴むためにこれから動く。(中略)私に協力したかったら言って来い」と、かなり柔軟な態度を見せるところで終わります。

   大きな力に立ち向かうために、この親子はいよいよ和解の方向に向かうようです。二人が見聞きした「福島の真実」にも、彼らの和解の仕方にも、強い関心をそそられる終わり方でした。次の巻の発売が待ち遠しい!
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リース作り

2013-01-04 21:43:53 | 手作りいろいろ
    小学4年生のFちゃんが、リースというものを作ってみたい!というので、正月あけの今日、一緒に作ることになりました。

    昨日、南天の木がしなるほど覆い尽くしていたツルを、端から切ってまとめておき、まず二人でリースの土台を作りました。リースとして使えそうなツルはほとんど青ツヅラフジ。細いけれどとても強いツルで、今の時期でも緑色を保っているのですぐにそれと分かります。
    
   左下が私、上と右のリースがFちゃんの作品です。リース作りのために彼女と約束した時間は1時間。どこまでできるか、心配でしたが、期用で熱心な彼女は、みごと二つも完成させました。右のリースにつけたオレンジ色の実はホオズキ。彼女のおじいちゃんが育てたものです
    
    土台につけた材料は、これまでにあちこちから拾ってきたりもらってきたりした木の実や葉っぱ、小枝です

     たとえば、こちらはシキミの実。つい先日、薪をもらいに行った先で見つけました。いいにおいがするし、中華料理に使う八角そっくりなので、もしかしたら仲間?とおもったら、そうでした! フェイスブックに載せたら知人が教えてくれました。でも、こちらは毒性だとか。食べなくてよかった。

    どれくらい似ているかというと、これくらいです。

    左がスパイスの八角。右がシキミ。

    ほかに、今日使ったのは、月桂樹の葉、唐辛子、ブルーベリーの枝、ワタの顎、沢クルミ、ドングリ、アメリカフウ、千日紅などなど。
   
    リース作りは、私も半年振り。短い時間でしたが、やはり楽しい。シキミのほか、つい最近、こんな材料も手に入れたばかりです。

    ただし、名前はわかりません。稲武の友人の家の裏山で拾ってきました。

     この大木の実です。モミのようなツガのようなトウヒのような実。でも図鑑で見てもどれとも特定できません。

     ちょっと家の周りを巡ったり、その辺の野原を気に留めながら歩くと、なにかしら面白い形の木の実や葉を見つけます。アンティマキでは、「野遊びメモリー」と題して、ごくときたま、リースやクラフトを作って販売しているのですが、このところひさしく休業しています。野山で遊んだ、あれこれの思い出のかけらのような実や草や木でつくるこのクラフト、作っているときは無心になります。Fちゃんとの1時間で、作りたい気持ちに火がつきました。
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Facebookはじめました。

2013-01-03 21:18:59 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   アンティマキのFacebookをはじめました。「Auntie Makiアンティマキ」で、検索して、ページ右上の「いいね!」ボタンをクリックして下さい。

   Facebookでは、アンティマキのブログのリンクのほか、イベント出店の際の直前でのお知らせや、どんぐり横丁への納品の詳しい状況などをお知らせするつもりです。Facebookは、コメントも簡単にできますので、ぜひともいろいろお知らせ下さい! ただし、私はまだまだ初心者なので、不手際なことやご無礼することも多々あると思います。何かありましたら、どうぞご遠慮なく連絡下さい。そして、どうか、長い目で見てくださることをお願いもうしあげます。
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飲みやすい安ワイン

2013-01-03 14:47:38 | のみもの
   正月に飲んだワインを2本紹介します。どちらも金額は1000円前後。手に入れやすくて、意外とおいしく飲めました。

    左は、稲武に一軒だけあるコンビニ、サークルKにありました。チリ産で「Cono Sur」とラベルにあります。ワインの名前は、「カベルネ・ソービニョン」。瓶に下げられた札には、「「コノスル」では、葡萄作りをガチョウ達がお手伝い」というキャッチコピーの下に、こんなことが綴られています。

    「コノスルは、「革新的であること」という理念の下、サスティナブル農法や有機栽培の実践など、時代に先駆けて数々の取り組みを行なっている、チリのワイナリーです。リーズナブルな価格で高品質なコノスルのワインは、農夫達のハードワークと自然のサイクルを基本とした葡萄作りのシンボルである「自転車」ラベルで親しまれています」

    ネットで調べてみて、このワイナリーは後発なのにいまや世界で最も有名なチリのワイナリーに成長しているのだと知りました。環境に配慮していることでも有名だそうですが、価格を押さえていることでも世界を席巻。おいしくて安くて安全なら、人気が出るのは当たり前でしょう。

    右は、岩村のバローによく置いてあり、たびたび買っているオーガニックワインです。1100円前後だった気がしますが、これも値段のわりにおいしい。イタリアの「サルトーリという会社の「カベルネ・デッレ・ヴェネツィエ・オーガニック」です。赤も白もあって、さわやかな飲み心地です。「イタリア政府認定の有機ワイン」で、「ブドウは化学肥料を一切使用せず造られ」ているそうです。

    オーガニックだからおいしい、とは限らないのですが、これは値段に比していいワインだと思います。もっとも、私はまだワインの高級品というものにめぐり合う機会を持たないので、上等のワインがどれほどおいしいものなのか、しらないのですが。    
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