アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

ローズマリーのこと

2014-03-16 14:48:46 | アンティマキの場所に生きる動植物
   ローズマリーはことのほか、わたしが好きな香りを放つハーブです。

   「マリアのバラ」と名づけられたこの木は、文字通り、聖母マリアにちなむハーブだそう。

    昔、聖母マリアが幼いイエスを抱いてエジプトに逃げる途中、白い花の咲く香りの良い木に自分の青いマントをかけて、一休みします。

    気分が癒えて出発しようとして、彼女が木からマントをとると、その木々の花がすべてマントと同じ青い花に変っていたとか。その逸話から名づけられたのがローズマリー。古くから薬用植物として大事にされていたからこそ、マリアと結びつけた逸話が誕生したのでしょう。

    私は、このローズマリーをいろいろに使います。まず、料理。シチューやスープのほか、ジャガイモを茹でるときに水の中に入れたり、魚をグリルで焼くときに、受け皿の水の中に入れたりします。ジャガイモにはいい香りがつき、魚の臭みは消してくれます。たくさん手に入ったときは、リースをいくつもつくり、友人達にプレゼントします。

   お菓子やパンにもよく使います。アンティマキでは、オートミールクッキー(ローズマリー入り)に続き、先日、穀物クッキーのローズマリー入りも新発売しました。こちらもなかなか好評です。今度ハーブのフォカッチャを作るときは、乾燥バジルとオレガノに加えて、ローズマリーも入れようかな、と思っています。きっとチャイにも合うことでしょう。

   ところで、このローズマリー、実は稲武では露地での冬越しは見込めません。夏場は青々と繁っていても、晩秋になるとかならず色が悪くなり、年が明けるころには、茶色く変色。そして枯れてしまいます。

   一昨年の秋だったか、友人から鉢植のローズマリーをもらいました。何度も冬越しに失敗した経験があるので、その年は、家の中に入れて越冬。初夏のころ、だいぶイキイキしてきたので、土におろしてやりました。

    そして秋、だいぶ根が張ってきました。鉢あげするのもたいへんそう。それで、竹でいわゆるトンネルみたいなものをつくって、厚手のビニールをかけてやりました。

    しばらくは緑が保たれていましたが、2月半ばの大雪のあと、ふと見てみたら、かなりの部分が茶色にかわっていました。やはり、凍てついた土の中では生きられないのだな、とあきらめていたのですが、きょう、見たら、前より緑の部分が増えていました。この調子なら、あとひとつきもしたら、トンネルを外してやれそうです。よかった!

    ところで、このトンネル周りをよく見たら、たくさんのワケギが育っていました! こちらは一昨年冬か春先かに、たくさんもらってきたワケギの球根を、いいかげんに掘った土の上にのせてやって、ざっと土をかけておいたもの。昨年はほとんど芽が出なかったので、枯れたものと思っていました。地中でちゃんと生育していたようです。春の気配をようやく感じ始めた昨日今日。嬉しい便りを、庭先からもらいました。

   一番上の写真は、先日、豊田市街地に住む知人からいただいたローズマリー。伸びて困るほど、というので、お願いしていただきました。ただいま、薪ストーブのある部屋で乾燥中です。

   
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今年も、ほんわか里山交流まつりが開催されます!

2014-03-16 14:16:57 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   一昨年からはじまった、豊田市の山里で開かれる交流イベント、「ほんわか里山交流まつり」が今年も来週の日曜日に開かれます。

   このイベントは、都市に住んでいる方々に、山里のよさを知ってもらおうという一日だけのお祭りで、昨年までは、旧足助地区のすげの里で行なわれていました。

   今年は場所を変えて、旧旭地区の笹戸温泉で開かれます。

   五平餅や野菜たっぷりの汁物、カレーに玄米弁当、新鮮な野菜や産み立ての卵、焼き菓子や豆腐、味噌、それに竹細工や布小物、石けんなどなど、多彩な食品や加工品、手作り品のお店が並びます。

   毎年恒例の里山ウォーキング、棒の手や三河万歳など地元の伝統芸能の披露のほか、日本舞踊、和太鼓、ベリーダンスも舞台に登場します。

   奥三河Three trres+は初回から参加。今年も、いろいろな商品をもって出店します。春の一日、ぜひ山里でひとときをお過ごし下さい。詳細は下記のとおりです。

   *日時:3月23日(日)午前10時~午後2時30分
   *場所:笹戸温泉 豊田市笹戸町平畑1
   
   来場者には、笹戸温泉「とうふや」の入浴引換券(500円分)が進呈されるそうです。わたしは、旭のこの地区は不案内。初めての場所です。どんなお祭りになるか、楽しみ。
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醤油絞りしました

2014-03-16 13:56:58 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
昨年の3月ごろ、豊田市旭地区に住む知人の家で、醤油つくりをはじめました(コチラ→)。数ヶ月暗いところに樽をおき、しばしば天地返しをし、梅雨が明けたころ、日の当たる場所に移動。そして半年後、発酵が完了しました。ほとんど知人の手で仕事はすすみ、私たちは、最初の天地返しとそのあとの様子見にお邪魔しただけでしたが、ことは順調に運んだようです。

   そして、2月下旬、最後の仕事である絞りの日が来ました。月半ばに降った大雪がまだ残っていましたが、日差しはなんとなく春めいた一日でした。

   下の写真が、1年寝かせた醤油のもと。1年前に比べると、よくなじんだ味になっています。

   絞りの作業は、長野県に住むなかやさんが自作の道具をもってきて、進めて下さいます。これは、醤油を絞るための袋。ポリプロピレンなのだそうですが、立派に醤油染めになっています。いい色。

   なかやさんがなさっている作業は、醤油のもとに沸騰した湯を入れてかき混ぜているところ。水をどれくらい入れるかは、勘だそう。できぐあいによって変ります。

   木製の道具が醤油絞りになくてはならないもの。昔は、このあたりにも、醤油絞り屋さんがきて、各家で作っておいた醤油のもとを絞ってもらったものだ、と、近所の方がおっしゃっていました。

   袋に醤油のもとをいれているところ。

   下のほうに沈んでいる茶色のものが、袋。重ねていきます。

   上から重石をかけてしばらくすると、反対側から液体が出てきました。これが醤油です。なめてみました。かなりしょっぱいけれど、立派にお醤油です。
  
   この日、参加した友人の子供たちは、出てくる醤油をなめつづけました。おいしかったらしい。

   つきたてのもちやゆでたてのうどんに、できたての醤油をつけて試食。生醤油だからか、まだ若い感じはしますが、おいしい。なにより、本職しかできないとおもっていた醤油が素人の手でできあがったことに、感動しました。

   この日は、昼食後、薪で火を熾しながら、醤油の加熱作業をしたのですが、私は中座したので、残念ながらこちらの作業は見学できませんでした。

   火を入れる前の醤油がこちら。生醤油です。色はずいぶん薄いので、淡口醤油なのかしら。全体をかき回す前に掬ってもらってきたものなので、深みに欠けますが、フルーティーです。

   醤油は、加熱したあともどんどん発酵をつづけるそうです。だから、一升瓶にふたはしないで、和紙をかぶせ、紐で縛りました。

   こちらはあとで届けてもらった醤油の絞り粕。水を入れてどろどろにし、野菜や豆腐、魚などを漬けるとおいしいそう。友人は、このカスを乾煎りし、コンブなどを炒ったなかにいれて味付けしてふりかけにしました。わたしはまだ何にも使っていないのですが、とりあえず、薪ストーブの上で、乾燥させておこうかな、とおもっています。

   ところで、なかやさんの話では、私達が携わったこの醤油の醸造の仕方は、一般の醤油屋さんの作業からみると、かなり革新的な方法なのだとか。

   「普通は湿度のあるところで、よくかき混ぜ続けて保管します。でも、北信州の萩原忠重さんという方は、「①温度を上げる。②あまりかき混ぜない。③日の当たるところに放置する」という画期的な方法を発案しました。今の社会は、生産者と消費者がはっきり分かれているのが当たり前みたいになっていますが、醤油作りでも、生産者=消費者になれるんだ、ということを実感してほしい」と、なかやさん。なかやさんは、信州の山里で自給的生活を実践しておられる方です。

   おっしゃるとおり、醤油製造でも、ほとんどの工程を自分の手でこなすことができると知るのは、とても満ちたりた気分のするものです。

   家で消費する醤油をすべて作るのは大変ですが、ごく一部でも自分達の手で作るという仕事を続けられたら、うれしいことだな、とおもいます。まだ今年からは無理かもしれませんが、今後は、稲武の友人達と樽を持つことができたら便利だし、しょっちゅう醸造の成り行きを見ることができるので、そうしたいとねがっています。

   なお、この醤油作りについては、岐阜県中津川市加子母にあるもりの家を主宰している森本さんのブログに、くわしく書かれています(コチラ→)。
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