アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「終戦のエンペラー」

2014-03-17 00:09:53 | 映画とドラマと本と絵画
   邦題は「終戦のエンペラー」ですが、現代は「エンペラー」。先ほど見ました。

   アメリカが描く、占領当時の日本。当時、アメリカ本国では、最高の戦争責任者として、天皇の処刑を求める声が高まっていました。その声に乗じると、その後の日本国内の統治が困難になることを予測したアメリカ軍総司令官のダグラス・マッカーサーは、日本の再建を成功させるためには、天皇に戦争責任がなかったことを証明したいと考えます。彼は、戦前、知日派で日本語も話せる部下のボナー・フェラーズに、天皇に戦争責任があるかないか、明確な根拠を得るよう調査を命じます。

   戦争開始から終結時まで、天皇の側近だった人たち30人あまりをリストアップ。逮捕を指示します。しかし、開戦時、天皇が明確に戦争遂行の意志を示したことも反対の意志を表明したことも、記録としては一切残っていないため、調査は暗礁に乗り上げます。

   しかし、行方が分からなかったある側近の証言により、ポツダム宣言の受諾を最後に決定したのは天皇だということが判明。終戦の詔勅を録音したレコードを奪おうと、軍部の将校達が決起して皇居に押し寄せ、天皇までも狙われたことがわかります。

   証拠となりそうな文書は一切残っていないのですが、フェラーズは、みずからの考えとして、天皇には戦争責任がなかったことを文書にまとめ、マッカーサーにわたします。

   マッカーサーは、天皇との会談を希望。この会談のおりに、わたしたちがよく知っている写真、マッカーサーと昭和天皇が並んでいるあの写真を撮影したのです。

   フェラーズの恋人が日本人女性ということになっていて、こちらはフィクションらしい。あとは、歴史の細かいところを、丁寧にえがいています。玉音放送のレコード盤が奪われそうになったことは、「日本の一番長い日」という映画で学びましたが、今回は、マッカーサーの思惑、アメリカ本国の動向、そして天皇を戦争責任者として追及することをやめた経緯がおよそのところで、わかりました。映画は、わかりやすくて楽に勉強できるからいい。

   ところで、米軍の車や天皇の乗った車が通るとき、日本の人々が焼け跡の中で、全員、後ろ向きになって立っているシーンがあって、驚きました。敬意をあらわす作法なのだと説明されていましたが、知らなかった。時代劇では大名行列がとおるときには土下座しますが、明治にはいってからは、あのような作法に変ったのでしょうか? それとも、創作? 気になる一こまでした。

コメント
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