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アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

日本茜の苗をもらいました。

2016-04-18 15:41:51 | 草木染め
    京都にいたころ、茜染めばかりを専門になさっている染色家に何度かお会いしたことがあります。彼女の染める布はピンクにグレー、そして臙脂に茜色。自在に色を生み出しているようで、種々の作品をほれぼれしてながめたことでした。

    その彼女が使っていたのは、インド茜。「ほんとは日本茜を使いたいのだけれど、日本茜の根は細く、インド茜の10分の1しかない。大量の染めは到底できないから、仕方なくインド茜を使っています」

     さて、紫を染める紫根は絶滅危惧種に近いのではないかと思うのですが、茜は実はけっこうその辺にある草だと知ったのは、こちらにきてから。

     一二度、城ケ山のふもとまであかねの根を採取に行き、その根を使って染めを試みたことがあります。わずかな根しか手に入らなかったので、ほんの少しの布しか染められませんでしたが、それでも、オレンジ色のような茜空のような、いい色合いに染まった記憶があります。

      昨日、どんぐり工房に行ったら、職員が茜草の苗を見せてくれました。

      採取地は、稲武地区富永町。いまだと、他の草にまぎれていないので見わけやすいのだそうです。茎も根っこもほっそりしていて繊細。

      実を言うと、以前も、同じ畑の持ち主からいただいたことがあるのですが、他の草に負けてしまって、いつの間にか消えていました。再度試したいというと、職員がこころよく譲ってくれたので、帰宅後すぐに、耕したばかりの小さな花壇に移植しました。

      今度は、おそらく他の草に追いやられるということはなさそう。でも、可憐な草だけに、温度の急激な変化には弱いかもしれません。水もしばらくは面倒を見たほうがよいようです。

            
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昨日は、今年はじめての草木染め講習会でした。

2016-04-18 14:17:01 | 草木染め
   あさから大雨に見舞われた昨日の日曜日。今年初めての草木染め講習会が、どんぐり工房で行われました。

   今回使った染め材料は、ブルーベリーの小枝とカリヤスの乾燥葉。

   カリヤスもブルーベリーの小枝も、私の講習会ではよく使う材料なのですが、特筆すべきなのは、ブルーベリーのつぼみがだいぶふくらんだ枝を使ったこと。いつもは、晩秋から2月、遅くとも3月中ごろに剪定した枝を使います。

   アルカリ水で煮出しましたが、心配した通り、煮だし液が、なかなか色づかず、漉してから空気に触れさせても、なかなかいつもの赤ワイン色にかわりません。

   でも、時間をかけたら、この通り、ピンクとも紫ともつかない、微妙な色が生まれました。こころなしか、冬のブルーべリーよりも、紫が勝っているように思えます。

    カリヤスからは、いつものきれいな黄色が。そろそろ在庫が減ってきたので、今年こそ、どこかに採取に行かないと不足しそうです。

    こちらはカリヤス。左端は綿スカーフ、ひとつおいてTシャツ、右端はリネンの生地です。いずれもそれぞれ、安城と豊橋からいらした方たちが染めました。

    いつものブルーベリー小枝より、明るい色になりました。写真には写っていませんが、綿のジャージー布がことのほか、いい色に染まりました。

    こちらは参加者が持ち込んだリネンのパンツ。生なりの生地をカリヤスで染め、木酢酸鉄の溶液で媒染しました。

    この日、どんぐり工房の和室では、インストラクターの伊藤和久さんの指導で、おひとりのための藁草履 講習がおこなわれていました。布草履作りは見たことがありますが、藁草履は初めて。

    伊藤さんたちは、自分で編んだ藁草履をはいて、小学校に通った世代。手早い。

    片道2時間もかけてお越しくださった3人の方たちは、みな稲武は初めてだそう。荒れたお天気でしたが、思いのほか生まれた自然の色の美しさに驚嘆してくださり、ご満足いただけたようです。

    次回は5月22日。スギナかヨモギ、セイタカアワダチソウなど、春の若草を染めようとおもっています。雨天でも、屋内で実施しますので、ぜひ、楽しみにお越しください。

    
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春のセカンドスクールで草木染めの講習をしました。

2016-03-28 23:47:41 | 草木染め
   「3日間山の子供になる」のキャッチフレーズで数年前から実施されている、豊田市のセカンドスクール。春の部が今日から始まり、稲武にも20数人の子供たちが訪れました。

   初日は、昨年に引き続き、どんぐり工房での草木染め。私が担当しました。

   今年準備した染め材料は杉の葉とタマネギの皮。杉の葉は、採取したてのみずみずしいものをつかいます。

    ソーダ灰を入れてアルカリ性にした水で煮出しを。赤っぽい茶色というかムラサキっぽい茶色というか、一言で言えない複雑な色が生まれます。空気に触れるとさらに赤みが。

    下の写真の染め液は、赤タマネギの皮。普通のタマネギよりかなりオレンジ色が勝っています。

     こちらは、杉の葉。初めは濁ったような薄茶色だったのが次第に薄紫のようなピンクのような色に変化しました。

     市内のいくつかの学校からやってきた子供たち。昨年も参加した子もいれば、今年初めての子も。22人のうち男の子は6人。圧倒的に女の子の数が多いのは、草木染めがメニューにあるからとおもわれる、と世話役の知人が。女の子はやはり手仕事好きが多いようです。

    空き時間に始まったおはじき。布に模様づけをするときに使うおはじきは、子供たちの遊び心を誘うらしい。

    同じときに、工房の外で男の子たちはちゃんばら。

    最後の水洗い。赤タマネギは美しいオレンジ色になりました。模様が映えています。

    こちらは杉の葉。いい色になりました。いつも染める時期より遅いので、ちゃんと色が出るかどうか心配しましたが、ほぼ想像通りの色が出てほっとしました。

    最後の片付け。もくもくと鍋やバケツを洗ってくれる少女たち。

    みんなの作品です。
 
    輪ゴムやビー玉を外して布を広げた途端、子供たちの顔は輝きます。いい加減にやろうがまじめにやろうが、最後のこのときはみな真顔。去年染めたバッグをまだ使っているという子供たち。今年の作品も、大事に使ってもらえそうです。
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セカンドスクールの草木染め講習会

2015-03-31 00:14:09 | 草木染め
    豊田都市農山村交流ネットワーク主催のセカンドスクールがきょうから始まりました。このセカンドスクールのキャッチコピーは、「3日間・山の子供になる」というもの。ここ数年、毎年ほぼ二回、豊田市の山間地域それぞれ個別の企画で実施しています。

    稲武地区は、今回22名の小学生たちが参加。第一日目のきょう、まず最初にどんぐり工房に集まり、草木染めに臨みました。
 
    染めるのはバンダナとエコバッグ。最初に、ひもや輪ゴム、割り箸、ビー玉などで、簡単な模様漬けをおこないます。染め材料には、クリのイガと鬼皮、それに稲武で採取したカリヤスの葉を使いました。

    クリからはベージュと茶色、グレー、カリヤスからは黄色系が生まれます。

     子供たちは3年生から6年生。みな豊田市街地からきたそうです。

     彼らは今日から3日間、親元を離れ、この山里で暮らします。すでに、何度もこの企画に参加している子も多いとか。みな、楽しそうです。

     男の子も、染め液に入れた布の色の変化に声をあげて感心。とくに、クリで染めた布を鉄溶液に入れたあと、消石灰の上澄み液に入れると、とたんに茶色に変わるのを見て、みんな嘆声を発しました!

     こちらはカリヤス染め。

     最後の水洗いに入る前に、ビー玉や割り箸、輪ゴムをとります。特にビー玉は、輪ゴムで根元をきつく巻きすぎて、なかなかとれません。

     カリヤスのアルミ媒染。さえた黄色になりました。

     自分の作品を手にして、記念写真。

     こののち、彼らはどんぐり工房で夕食を作り、ホテル岡田屋で宿泊。あしたは、3,4人に分かれて数軒の家で、民泊します。お客様としてではなく、それぞれの田舎の家の子供として過ごすのがこの企画のコンセプト。積極的に家事も手伝うことになっているそう。

      きょうも、染め講習が終わった後、彼らは夕飯の支度にはやくかかりたがり、きそって、お米の選別をしていました。命令されてやるのではなく、やりたくてやっているときの子供の顔は明るい。きっとたのもしい子になって、明後日は帰路につくことでしょう。
 
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冬越しした藍染め

2015-03-29 17:09:09 | 草木染め
   ようやく梅がちらほら咲き出しました。寒い冬だったように思うのですが、開花は昨年より少し早い気がします。

   冬じゅうほったらかしにしてあった染めの作業場を少し片づけました。昨秋、古いシーツその他、どうなってもいい布類を、インド藍の残りの染め液につけました。そのまま。結局、液の中で冬越しさせてしまいました。

   忘れていたわけではありませんが、ほとんど凍っていたので、そのままに。藍液の入っている蓋付きの大バケツをあけると、白かった衣類がみな、きれいに染まっていました!

    藍染めをするには、ハイドロとソーダ灰などを入れて調整してやらないと、青色が出ません。だから、たぶんちゃんとした色にはならないだろうとおもいつつ、ダメもとで入れた布ばかり。それがこんなに美しい青になっていました。

    ずっと昔、柿渋で染めた座布団カバーです。汚れが目立ち、薄ぎたなくなっていました。よみがえりました!

    こちらは木綿の古シーツや絹の端切れ類。いつか裂き織りができるようになったら、その材料にしたいとおもって染めてみたのです。青だけでなく、グレーもいくつか。うれしい。

    今年は、何度も雪は降りましたが、何日も融けないような大雪には結局いたらずに終わりました。そのおかげかどうか、はじめてローズマリーが冬越ししました。

     3年ほど前、友人にもらった苗なのですが、1年目は秋に鉢上げして家の中で越年。次の年は、ローズマリーを囲うようにして竹をさし、半透明のビニールシートかけてやりました。この冬は、そうしてやる暇がなくて裸のまま冬に突入。どうなるかなあと心配しながら。とうとうなにもしてやらずに春を迎えました。こころなしか、たくましくなったように見えます。来冬は、きっともう大丈夫なのでしょう。

     ところで、どんぐり工房の草木染め講習会は、冬の間開店休業の状態でしたが、4月からほぼ予定通り、行います。4月はたぶん、春の若草を使って黄緑色を染めだす予定です。
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11月のどんぐり工房の草木染め

2014-12-21 16:37:45 | 草木染め
  11月のどんぐり工房の草木染めは、贅沢な材料が集まりました。

  こちらは、芥子菜。食べるとぴりっと辛子の味がします。市街地に住む友人の畑で育ったもの。無心して、たくさん届けてもらいました。

   こちらはローズマリー。これも市街地の友人の家でわんさと生えているので、頼んでいただきました。
  
   どちらも食用にする野菜とハーブ。もったいない話なのですが、あえてこの日は染め材料にさせてもらいました。ほかに、前日、三木さんの農園で拾ってきたブルーベリーの落ち葉も使いました。

   さて、芥子菜からは、青が出ます。とてもきれいな水色に近い青。うれしくなる色です。

    この日は晴天。市街地からご一家で来てくださった方は、何度目かの常連さん。たくさんの衣類や布を持って、参加なさいました。

    美しく染まったブラウス。よみがえりました。

    こちらは絹の手袋。綿も絹もよく染まります。

    このところ毎月来てくれている友人が持ってきたのは、ドンゴロス。濃染処理しなかったのに、ブルーベリーの落ち葉でこんなに染まりました。

    ローズマリーからは黄色。一番手前のストールは、竹布です。ブルーベリーの落ち葉でこんな色に。

    染め替え衣類いろいろ。一番右のブラウスは、ローズマリーの鉄媒染です。シック。

    きょうは、ほんとは12月の講習会の日なのですが、道中の雪が心配なので、中止にしました。今は、ほとんど雪が融け、明るい陽が差しています。こうして染めの写真を見ていると、実施したらよかったかな、と思うのですが、たぶんきっと水も風も冷たかろうと思います。

    来月・再来月と、暖かければ、講習会はいたします。いちおう、申し込みは受け付けますので、どんぐり工房までご連絡ください。冬は、木々の小枝から、美しい赤色が生まれます。
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10がつのどんぐり工房草木染め

2014-12-21 16:37:20 | 草木染め
10月のどんぐり工房の講習会で使った材料は、このころあちこちで黄色い波のような群落を作っていたセイタカアワダチソウとタカキビの殻。

   セイタカアワダチソウの花から、美しい黄色が生まれます。参加者の皆さんが驚いたのは、この植物を煮だしすと、白い泡がたくさん浮かぶこと。「「泡立ち」草の名のとおりね」と納得します。

    タカキビの殻からはいつも通り美しい朱色が出ました。タカキビを育てている人自体が少ないので、殻は貴重品。講習会で使うのは久しぶりです。

    セイタカアワダチソウの染め液につけた後、鉄媒染するとオリーブ色になります。その色がまた美しい。この日は、造形教室を主宰している方々4人もこられました。物を作ることの楽しさを実感している方たちだけあって、草木から出る色の美しさや不思議さに感動して、何度も歓声があがりました。

    この日も、たくさんの染物が仕上がりました。この風景、何度見ても飽きません。
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どんぐり工房9月の草木染め

2014-10-13 14:35:51 | 草木染め
    9月のどんぐり工房定例草木染め講習会では、秋の実りの代表・クリを使いました。

    クリといってもつかうのはイガと皮。大きいほうのイガは、りへいという種類のクリだそう。どちらも友人がもらってきてくれました。

    こちらはクリの鬼皮と渋皮。こちらも大量に市街地から持参。ありがたいことです。

    皮のほうは天日に干して、この日は、イガを煮だしました。

    もうひとつは、ススキとカリヤス。同じか本科なのですが、ススキは生で、カリヤスは乾燥葉を使います。

    カリヤス+ススキから出た見事な黄色。カリヤスは、昔から、黄色を出す代表的な染料とされています。

    クリのイガからはベージュが。写真は、染液につけた後、鉄の媒染液につけているところです。さらに黒っぽくなり、そのあと、石灰の上澄み液につけて茶色を出します。

    向こうのほうが、クリで茶色に染めあがった布。手前の黄色がカリヤス+ススキです。一番手前は紺色のジーンズ。膝のあたりが白くなってしまったというので、参加者の方がお持ちになりました。だめもとで、クリの染め液につけ、鉄溶液で媒染しました。なんとなく全体の色のトーンが暗くなり、白さは目立たなくなりました。

    このオーガニックコットンのソックスは、藍の茎を煮だした液で染めたものです。美しいシルバーグレーになる、と染めの本には書いてあるのですが、一度もそのように染め上がったことがありません。この日も、とりあえず煮だして、私が試しにソックスをつけてみました。でも、しばらく時間をおいても変化なし。たぶんまた色は出ないのだろうなとあきらめつつ鉄溶液に入れておいたら、でました! たぶん、これがシルバーグレーなのでしょう。実物はもっとずっといい色です。

     さて、今月の染め講習会は、第4日曜日ではなく、第4月曜日の27日に開催します。染め材料は、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ウツギそのほかなんにしようか、迷っています。

 ところで、わたしの草木染めの講習会のキャッチフレーズを決めました。「きさくにくさき染め」です。みなさん、お気楽に楽しみにお越しください。見学だけでもどうぞ! お問い合わせ、お申し込みは、どんぐり工房まで。
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藍の葉と原木マイタケをいただきました!

2014-09-27 00:05:42 | 草木染め
   稲生在住のFさんのところに、藍の葉をいただきに上がりました。

   国道を見下ろす眺めのいい畑の一角に、大きな葉の藍が元気に育っています。以前私が育てた時の葉の、3倍の大きさはありそうです。

  背の高さもちがうし、葉っぱの数も半端ではありません。「藍は肥しをやりさえすればどんどん育つ」と聞いたことがありますが、ほんとにそう。

   葉っぱだけ取って乾燥させておけば、いつでも簡単に藍染めができます。すくもを使った本格的な藍ではないけれど、美しい水色や青が生まれます。

   やわらかくておいしそうな葉っぱです。あしたからお天気が続くとカラッと干しあがるのですが、どうでしょうか?

   さてFさんは、9年前から友人たちといっしょにマイタケの原木栽培に取り組んでいます。わたしも2回ほど、原木をわけてもらって、敷地内に植えています。でも、毎年採取時期を逸してしまって、ほんとにおいしいマイタケを採取できたことがありません。

   写真は、Fさんたちが育てたマイタケ。いただきました。一般のマイタケは菌床栽培。香りが全然違うと、奥様がおっしゃっていました。おふたりのおすすめの食べ方はてんぷら。明日の晩、わたしもてんぷらにしてみることにします。

    こちらも、Fさんにいただいたもの。クリとクリきんとんです。うちにもクリの木はありますが、イノシシをはじめとする森の動物との競争で例年負け続け。今年は、一度だけほんの少し拾いましたが、それから見に行けていないので、彼らのおなかにだいぶおさまってしまったと思います。

    きんとんは奥様お手製。Fさんが飼っている日本ミツバチの蜂蜜で、甘味をつけています。完全につぶさないで、渋皮もちょっとはいっているところが野趣にあふれています。素朴なおいしさでした。

    蜂蜜の採取は10月だそう。できれば来春、わたしも巣箱を置いてみたいので、都合が合えば見学させてもらおうとおもっています。
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8月のどんぐり工房草木染め

2014-09-02 01:03:47 | 草木染め
8月のどんぐり工房定例の草木染め講習会は、先週月曜日25日に行なわれました。この日、染め材料にしたのは、藍。一昨年、東栄町に住む友人が育てて乾燥までしてくれた大貴重な藍の葉を使いました。

    本藍を建てるのは、大変な作業ですが、この乾燥した葉から青色を生み出すのは、けっこう簡単です。

    まず、藍の葉500gに対して水を1ℓほど入れて15分ほど煮出して液を捨てます。次に、水を800ccほど加えて、火にかけ、そこに還元剤のハイドロサルファイトとソーダ灰を100gずつ入れて、15分ほど煮出します。その液を漉したら、また水を入れて、一回目と同量の同じ薬剤を加えて煮ます。

     液の表面に青い泡の塊のようなものができてきたら、OK。40度くらいになるまで冷まします。

     水に浸しておいた布を入れます。液の中では、布は緑色。5分ほど浸したら、空気に触れさせます。すると、次第に布は青色に。この日は、青になるのが若干遅かったのですが、およそ20分ほどでほぼ青系の色になりました。変わったところで、また液に。最後は酢酸を溶かした水に浸して水洗いすれば出来上がり。まだ緑に近い色だな、とおもっても、酢酸液につけたとたん水色に返信した布もたくさんありました。

     生の藍の葉をミキサーにかけて漉した液でも、美しい水色がでるのですが、この方法だと絹しか染まりません。でも、生葉にしろ乾燥葉にしろ、ハイドロとソーダ灰を入れて仕立てれば(生葉と乾燥葉では仕立て方は異なります)、綿や麻などの植物素材でも美しい色に染まります。

     素材や織り方、液に浸けた時間や順番によって、色の濃さ、色の質がずいぶん違います。

     上の写真の左の大きい布は、参加者の一人が骨董店で手に入れた昔の蚊帳です。ポリエステルではなかろうかとおもったのですが、よく染まりました。たぶん麻なのでしょう。

     この日は、藍のほかに、クワの葉も煮出しました。稲武は昔養蚕が盛んだった土地。あちこちにクワの木が自生しています。写真は、どんぐり工房に生えていたクワ。この日使ったのは、私宅のクワの葉です。

    クワの葉は、今が一番緑が濃いとき。とてもあざやかな黄色が生まれました。クワの葉で黄色に染めてから藍の液に入れて、黄緑色も染めました。

    ひととおり仕事が終わってから、ハチヤガキの青柿を使って、柿渋の叩き染めも、試みてみました。

    うちから持参した、青柿。今年はことのほか鈴なりになっています。

     柿渋は、おろし金ですりおろしてつくります。晒し布で漉した液を葉っぱに塗りつけ、布の上に葉をさかさにおいたら、半紙をのせて拳でたたきます。

     塗り方や叩き方にコツがいるようで、わたしはなかなか上手には行きませんでしたが、こちらはうまくいっています。

     ボウルに残った柿渋を吸い取った布は,美しい茶色に染まりました。

     藍の葉染めは、これまで数回しか行ったことがないので、どうなることかといささか心配でしたが、どれもきれいな青や水色に染まり、ほっとしました。やはり、青はすばらしい。人をひきつける色です。近いうちにまた染めたくなりました。
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