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アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

アカネ染め

2014-07-07 20:30:08 | 草木染め
   久しぶりにアカネ染めをしました。使ったのはインドアカネです。わたしの草木染めはたいていその辺で採集してきた草木を使っていますが、日本アカネを探してとるのはたいへん。それで染めるときは、染料店で購入したアカネの根をきざんだ物を使っています。

   アカネは赤さを引き出すために、煮出すときに食酢を少量入れます。そして先に媒染をしておきます。

   入れてすぐ、朱色に近いような赤に染まりました。前に染めたときは、たしか綿や麻はピンクに近い色だったはずなのに、絹との違いがほとんどないほど赤い。

   どうやら、布の量に比して、アカネの根を大量に入れすぎたせいらしい。はじめ染める予定だった布を急遽取りやめたので、濃すぎたのです。つまりかなりぜいたくな染めになりました。

  絹の手袋もこんなにあざやか。

  写真中央の風呂敷は、模様のまんなかだけ鉄媒染したら若干茶色になりました。ほんとは、鉄媒染で赤っぽいグレーにしたかったのですが、染めの色が濃すぎたせいか、こんな色に。でも、なかなか深みのある色です。

   うちの敷地から道路にはみだしたクズを刈って、緑色に染めました。宇治茶色です。ほかに、月桂樹も煮出しました。一番液はあまり色が出ませんでしたが、硬い葉が少し柔らかくなっていたので、2番液は少しは濃い色が出そうです。来週のことになりそうですが、続行します。

   さびだらけの古い大鍋で月桂樹を煮出して染めをしたことのある友人によれば、媒染せずに、美しいオリーブグリーンが生まれたそう。私はそういう重宝な古鍋を持っていないので、木酢酸鉄の溶液で普通に媒染して美しい色を出したいのですが、うまくいくかしら。
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今月のどんぐり工房の草木染め

2014-06-27 00:51:59 | 草木染め
   今月の草木染め講習会は、今週日曜日に開かれました。参加者は7名。新城、名古屋、安城、岩村など、遠方からの方ばかりでした。

   材料にしたのは、ただいま旺盛な成長振りを見せているクズ。緑色にするためにアルカリ水で煮出す方法と、そのままで煮出す方法のふたつを試みました。
  
   こちらは、緑葉染めをした糸。この日は、織りをして見える方がお二人も来てくださり、絹や木綿の糸染めをしました。絹糸と木綿、どちらもよく染まりつきましたが、真ん中はどうやら化繊との混紡らしい、と、染めてみてわかりました。
   
   黄色は、クズを普通に煮出したもの。なかなか冴えたいい黄色になりました。オレンジっぽい色は、タカキビの殻です。大勢で染めると、いろんな模様やいろんな布が勢揃いするので、同じ染め液からでも、微妙に違う色が出るのがたのしい。

   染めを知っておくと、古い衣類の再生が楽しみになります。この日わたしは二枚の、かなり古ぼけたインド製のブラウスを染めかえました。もとは、どちらも生成りだったのですが、薄汚れたので染めました。でも何年かたって色あせたので、また染め重ねました。右のブラウスは、何度も染めかさねています。もう着られないかな、と思っていましたが、また甦りました。

   草木染め講習、7月は、第4日曜日ではなく、第3日曜日の20日です。お申込みは、どんぐり工房まで。
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どんぐり工房での4月の草木染め

2014-05-25 14:49:31 | 草木染め
   今年は、春らしい日の訪れがいつもの年より遅く、このごろでもまだ、朝夕寒くてストーブを焚いたり点火したりするときもあるほどです。でも、月日だけあれよあれよいうまにすすんでしまい、もうじき夏。ブログを書く暇がなかなかとれず、報告や告知も遅れがちです。ひと月も前のことになりますが、4月の、どんぐり工房草木染め講習会のようすをおしらせします。

   4月末の27日、今年度最初のどんぐり工房での草木染め講習会が開かれました。参加者は8名。常連の方もはじめてのかたもいらっしゃって、快晴の春の一日を楽しみました。

   使った材料は、この日の数日前に剪定したばかりのブルーベリーの小枝と、しばらく前に採取したという桜の小枝、それに、やっと土筆が終わり、青々と繁り始めたヨモギです。

   ブルーベリーの小枝は、これまで冬場にしか染めたことがありません。つぼみが膨らみ始めたこの時期に切った枝から、果たしていつものような赤っぽい色が出るかどうか、心配でした。でも、杞憂でした! いつも以上に赤みが冴えていて、布によってはピンクに近い色も生まれました。

   ブルーベリーも桜も、鍋に入れた水にソーダ灰を加えてアルカリ水にしてから煮出します。煮出した後は、空気中に触れさせて酸化。みるみるうちに美しいワインのような色に変身しました。

   参加したTさんが持っているのは、ブルーベリーの枝で染めたTシャツ。鮮やかな色です。

   スギナは1・2番液から黄緑色、3・4番液から冴えたみどりが出ました。こちらも満足できる色でした。

   参加したかた全員が興味津々だった桜の小枝。こちらもアルカリ水で煮出しました。ブルーベリーの小枝とよく似た色が出たのですが、1枚だけ、いかにも桜らしい色合いに染まりました。

   1番上のガーゼマフラーです。ほかの素材では、ムラサキや茶色が勝ったような色になったのですが、ガーゼは別。織りが粗いせいでしょうか?

   同じ染め材料に浸しても、布の素材や降り方によって微妙に違う色合いになることが多いのですが、今回の桜染めはずいぶん違っていて、興味ぶかいことでした。

   参加者全員、自然の醸し出す不思議さにびっくり。それぞれ満足して帰っていただけました。さて、どんぐり工房での草木染めは、今月は中止しましたが、来月22日は予定通り行ないます。

   クズが旺盛に繁茂しだし頃なので、クズを使っていつもどおりの染めと、アルカリ水で煎じたみどり葉染めを実施します。ほかに、野原の様子を見てのことですが、マルバアカソが染めにふさわしいときになっていたら、赤っぽい色の染めもしたいとおもいます。お申込みは、どんぐり工房までお願いします。

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花びら染め

2014-03-25 19:13:37 | 草木染め
今月中ごろ、どんぐり工房で花びら染めの講習会を開きました。参加したのは、名古屋市東山植物園の職員の方たちと名古屋の女子大学の学生さん達。

  花びら染めは手軽にできる染めですが、色あせが早いので、最近はほとんどやっていません。職員さん達のご希望でツバキの花びら染めをすることになったのですが、ひさびさなので前日にリハーサルをしてみました。

   といっても、稲武ではツバキの花はまだ蕾。豊田市街地に住む友人に頼んで、庭先のサザンカの花を摘んできてもらいました。

   満開になった花はすべて落ちたあとだったとかで、もらったのは蕾です。その蕾をごみ用のネットに入れ、水とわずかの酢酸を振り入れた中でもみだします。するとすぐに液がピンクに染まってきました。10分ほどもんでから、湯につけておいた絹の端切れを液の中に沈めました。布ははじめは薄いピンク、しだいにオレンジに近いピンクに変ってきました。数時間この中につけておけば、あとはゆすぐだけ。いちおう成功しました。

   さて、染め講習当日、植物園の方々がもってこられたのは、園内のツバキとサザンカ。この日の講習会は、今週末に行なわれるイベントで実施予定のツバキの花びら染めの予行演習のために開いたものです。おもちになったサザンカをもみだすと、すぐに美しい赤色に。

   一方、ツバキのほうはやたらアワが出てきました。職員の方によると、ツバキにはサポニンというアワのもとになる成分が含まれているそうで、そのせいでもめばもむほどアワが出るらしい。しかも、色は赤やピンクではなくて、ピンクがかった茶色です。

   そこで、サポニンが多く含まれている花の中心部をのぞき、花びらだけをもみだしてみました。中心部はそれだけでもむ、ということをしました。すると、それぞれがちがう色の液に。花びらだけの液はあかっぽく、中心部だけの液は黄色に。手前左は、二番もみだし液です。

   上の写真はサザンカの一番もみだし液と二番もみだし液。二番目のほうがアワが多い。下の写真は、一番液のほうにつけた絹のスカーフ。とても美しい赤です。期待していたのは、この色。

    この日は、花びら染めのほかに、普通の草木染めも体験していただきました。こちらは、杉の葉。カリヤスも煮出しました。

   染まった布いろいろ。手前左のハンカチ三枚は、ツバキ染め。残念ながら黄色くなってしまいました。濃染処理した木綿を使ったせいで、赤色の成分であるアントシアニンがうまく反応しなかったようです。

   手前の黄色はカリヤス。向うのほうの長い布3枚が、サザンカの花びら染めです。

   濃染処理した布なら絹同様の成分になっているはずとおもったのですが、そうはいかなかった。もともとタンパク質をもっている絹とは、やはりちがうようです。

   ツバキのサポニンも、予想外でした。いろいろハプニングの多い染め講習会でしたが、植物の専門家がお見えだったので、とても勉強になりました。

   さて、東山植物園の体験講習会は下記のとおり実施されます。

   *3月30日(日)午前10時半~11時半 
       2時間ほどつけおきして午後1時半に水洗いして終了。
   *場所 名古屋市東山植物園 合掌造りの家
   *参加費 500円
        絹木綿混紡のハンカチを染めます。ほかに、ツバキの実で油を絞る体験なども。

   詳しくは、植物園のHPをごらんください。ところで、東山植物園は、子供の頃行ったきり、もう何十年も足を運んでいません。いい機会なので、講習会の見学がてら、園内散策に行ってみようかなと思っています。

    
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冬の草木染め

2013-12-28 17:52:54 | 草木染め
半月ほど前、友人達とうちの裏庭で、冬の木々を煮出して染めをしました。その日の数日前に、稲武は初雪。いつもより、少し早い雪でした。

   染めに使ったのは、ピラカンサの小枝、ブルーべリーの落葉、それと乾燥させておいたカリヤス、アベマキのカクトです。

   ピラカンサは、アルカリ水で煮出す冬の木々の染めの中では、もっとも美しい赤が出ます。足助に住む友人が前日採種した小枝を持ってきてくれたので、さっそく煮出しました。

   ところが、いつまでたっても液が赤くなりません。それどころか、緑色になります。布を浸してみたら、緑色に。春先から初夏にかけて緑葉染めで出る色と同じ色になりました。写真の一番左がそれです。

   こんなことははじめて。持ってきてくれた彼女に尋ねると、どうやら、採取したのは、若い小枝らしい。それで、季節が違っても、緑葉染めの色になったようです。季節は冬なのに、不思議なことが起こるものです。

   ブルーベリーの落ち葉は、この日の一週間前に煮出した液を使いました。放置した間に、液はよりいっそう赤味を増しました。写真右から2番目の色です。赤というより茶色に近い色です。

   カリヤスは黄色。写真一番右は、タカキビです。アベマキは濃い目の茶色になりました。

   たくさん着込んで、寒い寒いといいながら外での作業を続けました。最後は、うつくしい色がたくさん生まれ、皆さん満足。

   さて、この日の数日後、朝おきたら、一面真っ白。初雪のときより、ずっとたくさん積もりました。ほぼ5センチほど。

   それでも、この日の雪は、かなり水っぽかったらしく、わりに早いうちに融けたのでひと安心でした。でも、これからは、ひたすら寒くなる稲武。きょうは、昼間でも稲武交差点はマイナス1度でした。

    イベントの季節が終わり、冬はちょっと一息つける時期。草木染めの仕事を進めたいところなのですが、作業場は外なので、今年もなかなかはかが行かないかもしれません。
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ブルーベリーの落葉染め

2013-12-09 23:11:26 | 草木染め
   先日、野入町の三木さんのブルーベリー園で、ブルーベリーの落葉を拾ってきました。

   モミジよりずっと鮮やかな赤です。すでに茶色にかれてしまったものもいっしょに拾ってきましたが、美しい。昔、軽井沢だったかどこか観光地に、この真っ赤なブルーベリーの押し葉が売られていたと聞き、わたしも電話帳に挟んで試みたことがあります。真っ赤のままとはいきませんでしたが、意外と長い間美しい色を保っていました。

   ソーダ灰を入れてアルカリ水にして煮出します。

   2番液で、この色。素材はリネンです。おもったより赤くなりませんが、上品な茶色です。

   こちらはガーゼ。赤味を帯びた茶色です。

   この染めをしたのは二日前。ガーゼのほうは液につけたままです。きょうの昼間見たら、赤みが増したみたい。あすかあさって、洗って干すことにします。3番液も作ってあるので、続けて別の布を染める予定です。

   週末には、落葉のほか、小枝でも染めるつもり。秋から冬にかけては、木々の枝葉で美しい色が染め出せます。出店予定のイベントが全て終わり、やっとひといきついたところですが、今度は、冬しかできない仕事をこなさなくちゃ。疲れが出ないよう、気をつけながらすすめます。
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9月のどんぐり工房の草木染め

2013-10-16 14:16:43 | 草木染め
   報告が遅くなりましたが、先月22日の日曜日、どんぐり工房定例の草木染め講習会が開かれました。お天気は最高。秋晴れでしたが、キャンセルがあったため、参加者は市街地に住む親子さん一組だけ。ゆっくり染めを楽しんでいただきました。

   朝、私が用意して行った素材は、クリの皮とウツギ。ウツギは今の時期よく染まる素材なのですが、わたしはいつも染める適期を逃してしまい、一度くらいしか染めたことがありません。

   でも、やはり、ウツギでは薄い黄色のような茶色のような色しか出なかったので、予備に持っていった乾燥させたカリヤスを急遽煮出しました。美しい黄色に、お母さんはうれしそう。

   クリの皮を煮出しただけだと赤っぽいベージュにしかならないのですが、鉄媒染したあと、石灰の上澄み液につけると、クリの皮そのものと同じ茶色になります。この色、まさに秋の色です。

    男の子も、草木染めにけっこう興じて、またぜひ来たいとしきりに言ってくれました。うれしいことです。自作のバンダナ、よく似合っています。

     どんぐり工房の草木染め講習会は、ほぼ毎月第4日曜日に開催しています。詳細は、どんぐり工房にお問い合わせ下さい。なお、今月の講習会はお休み。来月11月の24日は開催します。
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稲武の親子グループが草木染めを体験しました。

2013-10-16 13:52:32 | 草木染め
    稲武地区の親子グループ・地球子屋(てらこや)が、先月末の日曜日、草木染めを体験しました。体験したのは、大人4人、子供6人です。

    場所はどんぐり工房。まず、近くの崖に垂れ下がっているクズの葉をみんなで採取しました。クズは、このあたりのどこにでも生えているやっかいな雑草。子供達は、クズのつるを引っ張ってちぎり、たくさん集めてくれました。

     工房の厨房でエコバッグに模様付けしているところ。結んだり、洗濯ばさみではさんだり、ゴムや麻紐で縛ったりするだけで、おもしろい模様ができます。

     この日のお昼ご飯は、大野瀬町の筒井重之さんの低農薬栽培米を使ったおにぎりと豚汁。親子みんなで作りました。

      染めに使った素材は、クズのほか、クリの皮。クリご飯にするために剥いた皮で染めます。女の子達はおしゃべりしながら和気藹々と、仕事に励んでいます。

      すてきなエコバッグ、できました。

      左3枚はクズ、右はクリの皮から出た色です。

      地球子屋グループでは、稲武地内を流れる川の水質調査、星空観察や石の観察、キャンプや石窯遊びなどのアウトドアでの活動を、親子で楽しんでいます。

      田舎に住んでいる子どもでも、今は、誰もが山や川で遊んだ経験を持っているわけではありません。親や周囲の大人が率先して連れ出さないと、都会の子と同じ遊びしか知らないで育ってしまいます。それでは体験が少なすぎ。この日、地球子屋の子供達が、草に触り、煮出したときのにおいをかぎ、草木から生まれる色を目の当りにする機会をもってくれたのは、うれしいことです。
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絹の手袋のヨモギ染め

2013-10-15 18:24:46 | 草木染め
    ひとつきほど前、絹の手袋を草木染めしてほしい、との依頼を受けました。頼んでくださったのは、岡崎にある本コミ企画。自然食品店や自然食レストラン、生協などに、雑貨や書籍などを卸している会社です。

    まず最初は、見本として、稲武にある草木だけを使って、1双ずつ違う色で10色に染めました。

     下3双は、カリヤス。右からアルミ、チタン、鉄で媒染したものです。上は右からタカキビ、次の3双は、栗の皮で染めました。残りの3双は、写真にはありませんが、ヨモギで色を出しました。

     結局、ヨモギの鉄媒染で100双の絹手袋を染めるよう、注文をいただきました。実は、これまで私は、まったく同じ色で大量の布を染める、という仕事はしたことがありません。草木染めは、同じ素材を使っても、採取時期や採取場所、煮出し時間によって微妙に色が変わります。また、染め時間をちょっとでもずらすと、色の趣が変わってきます。だから、同じ場所で採取した素材をいっぺんに煮出し、100双分の液を作って同時に染めないといけません。

    こういう「職人」らしい仕事を請けたのは初めてなので、ぜひやってみたいと思う反面、うまく染めあげられるか、かなり心配でした。

     なにより心配だったのが、これだけ大量の布を染めるためのヨモギを確保できるだろうか、ということです。

     案の定、このあたりはどこも丁寧に草刈りがしてあって、群落にはなかなかお目にかかれません。目を凝らしながら国道を走り、やっと見つけたのが、257号線沿い。一回目の染めの量は採取できました。

     大きなたらいで一気に染め上げ、一晩置いてから媒染。みるみる灰色になります。ヨモギ染めは、季節により違いはありますが、おおむね、黄色系に染まり、鉄媒染すると灰色がかった緑色、国防色に近いような色になります。

   でも、今回は、最初染め液に入れたときから、どうも黄色みが薄かった。はじめ黄色みが強いと、鉄溶液に入れたときに緑っぽい色になるのです。思ったとおり、鉄の溶液につけても、緑っぽい色になりません。   

   そのときはたと気がつきました。わたしが国道沿いで採取したヨモギは、どれも丈の短い柔らかい草でした。つまり、何度か刈った後にまた生えてきた若草なのです。

    若草のときと、勢いよく伸びきったときとでは、生まれる色が違います。ヨモギ染めは10月がいいといわれるそうですが、それはたぶん、穂の出る直前の、植物のエネルギーが十分に出きったときだから、煮出すといい色が出る、ということなのだとおもいます。

    でも、季節は10月なのに、採れたヨモギは若草というわけです。でも、しかたありません。グレーでも、悪くはない色なので、とりあえず水洗いして乾燥させました。

    ついで、2回目の染めに。今度は、黒田ダム付近に物色に行きました。国道沿いのヨモギよりはよく伸びていましたが、やはり草刈り後のヨモギです。でも、二度目の染めをしたら、少しは私が目指している色に近くなるかもしれない、と思って刈っていたら、豊田市街地に住む友人から電話が。

    「いま、矢作川の川原でヨモギを採ったよ。明日もって行く」

    翌日届いたヨモギは、私がほしいと思っていたヨモギの姿そのもの。旺盛な生命力を感じさせる草でした。

    ふたつの場所で採ったヨモギを刻んで煮出し、かさね染めをしました。一日染めて媒染し、また染めると、出ました、緑がかったグレーが。

     これで、ほぼ満足。洗って脱水し、干しました。アイロンをかけて箱詰め。はじめての仕事だったので緊張しました。

      でも、案ずるより産むが易し、意外とスムースにことは運びました。いつかまた発注いただいたときのために、来年は、家の敷地内のヨモギが他の雑草に負けないよう、気をつけて見守っていてやらなきゃ。

      ところで、この絹手袋、中国のクズ繭から糸をつむいで編んだものだそうですが、編んだのは日本の工場。かなり丁寧につくられていて、同じような中国製の絹手袋に比べると、さわり心地がとてもいい。夜、手にクリームなどを塗ってからこの手袋をつけて寝ると、朝、すべすべになっているそう。

     冬は特に手が荒れますが、この手袋なら、手荒れ防止になるだけでなく、末端の冷えにも効果がありそうだし、第一気持ちよさそうです。この手袋の入手方法などについては、本コミ企画にお尋ね下さい。     
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足助の11市で、草木染め講習会が開かれました。

2013-10-11 22:43:09 | 草木染め
   「3.11を忘れないために」と、今年6月から、足助の慶安寺で毎月開かれている11市(いちいちいち)。主催しているのは、慶安寺の荒木順子さんと、町家カフェ・バンバン堂喫茶室を切り盛りしている鳥居智子さんです。今月は草木染め講習会が企画され、本日、講師としてお邪魔しました。

    お寺の広い厨房で、栗のイガと鬼皮、セイタカアワダチソウ、ビワの葉を煮出しました。

    栗のイガと鬼皮、ビワの葉は、鳥居さんと荒木さんが準備。セイタカアワダチソウは、昨日稲武・大野瀬町で採取してきました。

     ビワの葉は、なるべく古くて硬い葉を選んで採ってもらいました。それを刻んでソーダ灰を加えたアルカリ水で煮出します。10月のビワの葉で染めるのは初めてですが、素晴らしい色が出ました。

     集まってくださったのは、主宰者を含めて10名。ほとんどが近所に住んでいる方々です。

     ビワの葉で赤っぽい茶色、栗でベージュやグレー、茶色が出ました。

     右ののれんは、栗の鉄媒染。おもしろい柄になりました。右はセイタカアワダチソウのアルミ媒染です。

     足助の街中の裏手にある、静かなお寺でおこなわれた染め講習会は、にぎやかなうちに終了。どの草木からもきょうはかなりいい色が出て、来て下さった方全員に、満足して頂けたようです。

     ところで、セイタカアワダチソウはアレルギーの元凶の一つといわれていますが、実は濡れ衣。20年以上前に、植物学の専門家から「セイタカアワダチソウは悪くない。かわいそうな植物だ」と聞いたことがあるのですが、詳しいことは聞きそびれていました。つい最近、毒草のブタクサと間違えられていることを知り、ようやく得心。セイタカアワダチソウは、悪くないどころか、体に有用な植物だということも知りました。

    というわけで、染色材料にだけ使っていたこの雑草、今度採取できたら、乾燥させてお茶や入浴剤に使ってみようと思っています。
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