アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

花びら染め

2014-03-25 19:13:37 | 草木染め
今月中ごろ、どんぐり工房で花びら染めの講習会を開きました。参加したのは、名古屋市東山植物園の職員の方たちと名古屋の女子大学の学生さん達。

  花びら染めは手軽にできる染めですが、色あせが早いので、最近はほとんどやっていません。職員さん達のご希望でツバキの花びら染めをすることになったのですが、ひさびさなので前日にリハーサルをしてみました。

   といっても、稲武ではツバキの花はまだ蕾。豊田市街地に住む友人に頼んで、庭先のサザンカの花を摘んできてもらいました。

   満開になった花はすべて落ちたあとだったとかで、もらったのは蕾です。その蕾をごみ用のネットに入れ、水とわずかの酢酸を振り入れた中でもみだします。するとすぐに液がピンクに染まってきました。10分ほどもんでから、湯につけておいた絹の端切れを液の中に沈めました。布ははじめは薄いピンク、しだいにオレンジに近いピンクに変ってきました。数時間この中につけておけば、あとはゆすぐだけ。いちおう成功しました。

   さて、染め講習当日、植物園の方々がもってこられたのは、園内のツバキとサザンカ。この日の講習会は、今週末に行なわれるイベントで実施予定のツバキの花びら染めの予行演習のために開いたものです。おもちになったサザンカをもみだすと、すぐに美しい赤色に。

   一方、ツバキのほうはやたらアワが出てきました。職員の方によると、ツバキにはサポニンというアワのもとになる成分が含まれているそうで、そのせいでもめばもむほどアワが出るらしい。しかも、色は赤やピンクではなくて、ピンクがかった茶色です。

   そこで、サポニンが多く含まれている花の中心部をのぞき、花びらだけをもみだしてみました。中心部はそれだけでもむ、ということをしました。すると、それぞれがちがう色の液に。花びらだけの液はあかっぽく、中心部だけの液は黄色に。手前左は、二番もみだし液です。

   上の写真はサザンカの一番もみだし液と二番もみだし液。二番目のほうがアワが多い。下の写真は、一番液のほうにつけた絹のスカーフ。とても美しい赤です。期待していたのは、この色。

    この日は、花びら染めのほかに、普通の草木染めも体験していただきました。こちらは、杉の葉。カリヤスも煮出しました。

   染まった布いろいろ。手前左のハンカチ三枚は、ツバキ染め。残念ながら黄色くなってしまいました。濃染処理した木綿を使ったせいで、赤色の成分であるアントシアニンがうまく反応しなかったようです。

   手前の黄色はカリヤス。向うのほうの長い布3枚が、サザンカの花びら染めです。

   濃染処理した布なら絹同様の成分になっているはずとおもったのですが、そうはいかなかった。もともとタンパク質をもっている絹とは、やはりちがうようです。

   ツバキのサポニンも、予想外でした。いろいろハプニングの多い染め講習会でしたが、植物の専門家がお見えだったので、とても勉強になりました。

   さて、東山植物園の体験講習会は下記のとおり実施されます。

   *3月30日(日)午前10時半~11時半 
       2時間ほどつけおきして午後1時半に水洗いして終了。
   *場所 名古屋市東山植物園 合掌造りの家
   *参加費 500円
        絹木綿混紡のハンカチを染めます。ほかに、ツバキの実で油を絞る体験なども。

   詳しくは、植物園のHPをごらんください。ところで、東山植物園は、子供の頃行ったきり、もう何十年も足を運んでいません。いい機会なので、講習会の見学がてら、園内散策に行ってみようかなと思っています。

    

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