いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

メイ首相の決断。 decision of premier May

2017-04-19 19:52:16 | 日記
 (1)英国下院は政権保守党が330議席(44%)で野党第1党の労働党が229議席(23%)とダブルスコアで優勢だが、EU離脱か残留かの国民投票では残留を主張した当時保守党キャメロン首相が敗北してEU離脱が決定した。

 この結果キャメロン首相が辞職し、保守党政権は現在のメイ首相を選んで後を引き継いだ。政党支持率と国民投票の結果はそのままの関係が反映されないものとなった。
 英国内では経済関係の変化、悪化を懸念してEU残留を求める国民層が国民投票の再投票を求める運動が伝えられて、EU残留を求めるスコットランドは英国連邦からの脱退を示唆してメイ政権に対して独自の国民投票を求める意向も伝えられている。

(2)EU離脱か残留かの国民投票は僅差の勝負となってEU離脱が決定したが、英国からの外国企業拠点のEU圏流出など経済関係の悪化を懸念する声が多くなり、この問題で国内世論が二分されて対立が深まっていた。

 英国のEU離脱は英国が正式にEU側に文書で伝えて本格的に交渉が開始されることになったが、EU側は英国の人の自由往来(移民、難民受け入れ)は拒否してEU市場との関係は継続するという「いいどことり」は許さないとして、厳しい交渉が予想されている。

 (3)メイ首相は国民投票でのEU離脱支持に従ってEUとの離脱交渉を進めるものと見ていたが、ここにきて政党支持率の優位のもとに解散総選挙でEU離脱交渉のイニシアティブ(initiative)を確保して、国内的にもEU側に対しても政権基盤、国民支持の安定確保を背景にしてEU離脱交渉を優位に進めたいという意向が考えられる。

 問題は政権支持率では政権保守党がダブルスコアの優位に立ってはいるが、EU離脱交渉のダイナミズム(dynamism)を問う解散総選挙ということでこれまでEU残留を求めて国民投票の再投票を求めていた国民層にとっては願ったりの総選挙であり、政党支持率を超えたEU離脱、残留メリット・デメリットについての論戦の再燃で国民の意思がどちらに重きを置くのかは注目されるところだ。

 (4)政党支持率とEU離脱・残留国民投票結果の反比例の間で、たとえ政権保守党が総選挙で勝利しても議席を減らせば英国政府のEU離脱交渉は厳しい局面も考えられて、すでにEU離脱の国民投票の結果がありながらさらに解散総選挙を選択したメイ首相の政治的判断の評価、意図も問われることになる。

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政治を変えたい。 we want to change the politics

2017-04-18 19:50:43 | 日記
 (1)小池都知事が都民ファーストを掲げるのは当たり前のことだが、東京一極集中との関係はどういうことになるのだろうか。
 まさか都知事がもう東京は生活機能不全の許容量(capacity)を超えているのでぜひ東京に来ないでほしいと言えずに(それぐらいのことを言ってもいい状況だが)、首都として国政の中核機能が集中して、経済、金融の中枢でもあり、文化、社会の中心として財源も潤沢で、今さら都民ファーストでもない気がする。

 (2)国際的に見ても、米国は政治はワシントン、経済、文化、社会はニューヨークと分離(separation)されて機能が拡散されており、新しい国家像、国づくりでは政治と経済、文化、社会の中心軸は切り離すのが基本的な方法論(methodology)だ。

 日本でも東京一極集中、地方過疎化が顕著になってきてへい害影響が問題化した頃に、首都機能を地方に移転する話、構想、候補地も語られたことがあったが、立ち消えになっている。

 (3)最近では国の機関の一省庁を地方に移す実験も試みられているが、実験の結果からは東京の国政中核機能との時間的、距離的、決済的、判断的ロスから地方移転に消極的な意見が大勢を占めている。

 東京一極集中、地方過疎拡大、格差社会の日本で小池都知事が掲げる都民ファーストの理念がよく伝わらないが、トランプ大統領が米国ファーストを掲げて保護主義を前面に掲げて話題、注目を集めたその話題性、関心中心のもののようにも映る。

 (4)小池都知事の都民ファーストは、築地市場の豊洲移転問題で就任前に方針が決まっていて移転直前になって豊洲市場の安全性が問題となって、都民の食の安全を守る立場からこれにストップをかけて安全性を再点検するということにあらわれた。

 しかし現行の築地市場でも基準を大きく上回る有害物質が検出されて安全性に問題があきらかになって、それでも豊洲市場移転問題の判断を遅らせて、つまりは自らの地域政党の都民ファーストの会で政治進出を狙う夏の都議選の争点として判断を先送りしているとしか捉えられない。重要政治問題を政局化している。

 (5)小池都知事は豊洲市場問題を就任前の決定にかかわった戦犯探しに終始して、肝心の都民の食の安全を守る都民ファーストの理念、判断がなおざりにされているという矛盾も露呈している。

 小池都知事がこれほど注目を集めているのは、自民党の推薦を断わってひとり都知事選に出馬して自民、公明党推薦の有力候補者を破って当選して、その後も自民党と対決姿勢を示している心意気だ。

 (6)夏の都議選では自らの都民ファーストの会の支持勢力には「自民党は入っていない」(報道インタビュー)と明言して対決姿勢を鮮明にした。

 今の自民党1強のやりたい放題のタガが緩んだ政局で、小池都知事の都民ファーストの会が都議選で自民党と対決して圧勝、圧倒することが唯一のそして必要な待望する政治的意味、役割である。政治を変えたい。(we want to change the politics)

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韓国新大統領と日本。 new president of korea and japan

2017-04-17 19:41:51 | 日記
 (1)今年は国際関係を大きく左右する大統領、首相選挙が続く。韓国も朴クネ前大統領のひ免にともない、大統領選がスタートした。突然の大統領選前倒しとなって、15人が立候補しての本命不在の混戦、乱戦模様だ。

 しかし日本とっては誰が大統領になっても朴前大統領の慰安婦問題の決着に対する国民的反発を背景に、日本に対して厳しい態度で臨む(報道)ことが予想される顔ぶれだ。

 (2)現在混戦、乱戦をリードしている文在寅候補は、大統領に就任したら慰安婦問題の決着を見直し、日本と再交渉する(報道)と主張している。国際関係が大統領の交代にともなってそれまでの関係を見直されるのは、米国トランプ大統領でもいやほど経験済みだが、韓国の場合は朴前大統領がひ免されての交代という特殊なケースなだけに、朴前大統領の政治、行政関係が厳しく見直されるのは国民大多数の意向に応えるためにも必然的といえる。

 (3)特に韓国はこれまで堅調に国内経済成長を支えてきた家電業界のサムソンが朴クネ前大統領とのゆ着摘発で同会長が逮捕されて組織崩壊状態で国内経済の立て直しにも迫られており、さらに北朝鮮の挑発も続いて外交、軍事でも厳しい局面に立たされている。

 新しい大統領には相当の国内外に重い課題、問題を抱えての政権スタートとなるだけに打開策(a way out of depression)が求められている。

 (4)朴クネ前大統領は在職中は持論の中国寄り姿勢を鮮明にして、中国との経済的連携を強めてまた当初から歴史認識問題でも同じかっての日本による侵略支配被害の中国とともに日本に対して厳しい責任の取り方を要求してきた。

 日本と中国が関係改善に動く中で米国(オバマ政権)の強い意向も受けて、慰安婦問題での決着和解に動いて実現させたが、その矢先での自ら招いた政治の私物化、収賄疑惑で政権を追われる事態となった。

 (5)新しい大統領は基本的には日米韓同盟関係を維持して北朝鮮の挑発に対峙するとともに、日本に対しては朴クネ前大統領のひ免による政治責任による見直しを理由に当時の慰安婦問題決着などの外交戦略の見直しで再交渉を求めて、政治的にも国民意識的にも当分はギクシャクした関係に戻ることが考えられる。

 (6)トランプ大統領は挑発を続ける北朝鮮対策として米軍空母群を北朝鮮近海に急きょ派遣して北朝鮮を威かくしているが、中国が動かなければ米国独自で軍事対応を取る(報道)と警告していることから、朝鮮半島有事での日米韓同盟関係との軍事バランスがどう動くのか不透明なところもあり、新しい韓国大統領にとっても日本との厳しい対を取ることにも影響を及ぼす懸念材料ともなる。

 (7)日本としても、北朝鮮問題も含めての韓国新大統領との東アジア緊張緩和の協力関係促進のための方策構築が重要テーマだ。

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EU崩壊のプロローグ。 a prologue of collapse of EU

2017-04-16 19:52:51 | 日記
 (1)3月のオランダ総選挙では選挙戦前に注目、支持を集めていた極右勢力、政党であったが、国民が選んだのは中道の与党の勝利だった。オーストリアでもそれまでヨーロッパに吹き荒れていた極右勢力の風で支持率1位を保っていた極右政党に代わって中道左派が1位を奪還(報道)した。
 それでもEUへの移民、難民の大量移動で混迷が続くヨーロッパにあっては、移民、難民を規制する右傾化が流れになりつつある。

 (2)その流れに決定的な影響力を与えるとみられる仏大統領選(2回投票制)の1回目の投票まで1週間と迫った。これまで一貫して支持率トップを走ってきた極右政党のルペン氏だが、ここにきて4候補の支持率が急接近(報道)を見せている混戦模様だ。

 ルペン氏は厳格な移民制限を主張し、仏第一、EU離脱を掲げてこれまで高い国民支持を集めており、このままルペン氏が当選することになればEUの高い理想、理念は厳しい局面に直面することになる。

 (3)最近のヨーロッパに流れる高い極右勢力支持に対する最後の最後で全幅の信頼、支持を置かない選択からすると、ルペン氏にとっても4候補支持率急接近は不安材料だ。
 さらに仏大統領選の2回投票制での上位2名での2回目決戦投票では、他の3候補が中道、急進左派で主張の異なる下位候補との連携はあるのかできるのかの判断も大きく結果を左右する。
 やはり極右政党ルペン氏の勝利への道は相当厳しいとみる。

 (4)ドイツ・メルケル首相とともにEU体制を主導してきた仏・オランド大統領は「記録的な低支持率」(報道)で今回大統領選の立候補も見送っており、国民意識はEU存続には厳しい判断が予想される。

 メルケル首相も同じで、これから実施される首相選挙では劣勢が伝えられている。最後の最後には極右勢力に全幅の信頼、支持を置かないヨーロッパの理性だが、EU理念、理想に対しては疑心暗鬼、不信が根強いこともあり、EU崩壊の危機でもあるといえる。

 (5)財政、金融不安、経済破たん国家を抱えるEU体制が仮に崩壊ということになれば、一気に国際政治、経済は激動を迎え、ベルリンの壁崩壊後の政治、軍事バランスの崩壊、変化のような世界政治体制の激変期を迎えることになるだろう。

 仏大統領選の行方がそのプロローグ(prologue)だ。

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同じ過ちー大型爆弾。 one and the same fail - a huge bomb

2017-04-15 19:43:20 | 日記
 (1)トランプ大統領が米軍空母群を北朝鮮近海に急きょ派遣したことについて、「無敵艦隊を派遣した。空母よりずっと強力な潜水艦も持っている」(報道)とメディアのインタビューで述べた。

 一部には「無敵艦隊」は日本語訳の間違いとの指摘もあったが、新聞がそのまま報道しているのでそのとおりなのだろう。「無敵艦隊」といえばかっての海軍王国時代のスペイン艦隊の呼称で有名だが、現在の米軍海兵隊は巨大空母群で核兵器も搭載して戦闘能力も高く「無敵艦隊」時代とは比較にならない強大さ、強力さを誇っているから、トランプ大統領の表現には随分と時代感覚の違和感はある。

 (2)確かに時代感覚のズレから日本語訳に間違いがなかったのか気になるところだが、問題はそういうトランプ大統領の威かく論の方だ。無敵艦隊がトランプ大統領の発言だとすれば、シリア攻撃に続いて返す刀で北朝鮮の核実験、ミサイル発射強行の挑発に対する米国、米軍による軍事的圧力による威かく攻撃を「言葉」で応じたものだ。

 北朝鮮は核実験、ミサイル発射強行による挑発を国営テレビニュースでの最大限のおおげさな表現を駆使した「言葉」でさらに挑発するというやり方で、変な話だがそのおおげさな想像力、空想力の表現力を文学観にいかされれば相当な小説が出来上がるのではないのかと思わされるものだ。
 トランプ大統領もついそのレベルに乗っかっての「無敵艦隊」発言ではないのかとさへ思える。

 (3)ところが、その米軍が今度は13日にアフガン東部でISの地下施設に「大規模爆風爆弾兵器」(MOAB)を投下したと発表した。
 こちらの大型爆弾(a huge bomb)は「爆心から半径600メートル圏内は跡形もなく吹き飛ぶ」(報道)威力で、けっして想像力、空想力豊かなおおげさな表現などではなく、人類にとって脅威となる爆弾兵器が使用された。

 日本人にとっては1945年に米軍による広島、長崎への原爆投下を連想させる脅威と同じだ。

 (4)トランプ大統領は「私が軍に権限を与えた」(報道)とし「新たな成功だ」(同)と記者団に自画自賛した。1945年の米軍による広島、長崎への原爆投下は、米軍の戦争を早期に終わらせる原爆投下正当性論理が今も根強く米国民に支持されており、米国のIS掃討作戦の大型爆弾使用の正当性(justification)にも使われる恐れはある。

 (5)ISがこれほど国際テロ組織として増長した原因はどこにあるのかを歴史的、時系列的に分析することなく、現在のIS脅威論だけでISに対する大規模爆風爆弾兵器(核兵器以外の通常兵器で最も強力といわれている)の使用を「新たな成功」と正当化するのであれば、米国は歴史的な同じ過ち(one and the same fail)、汚点をくり返すことになる。

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