いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

返す刀で。 by a returned ` katana '

2017-04-26 19:46:36 | 日記
 (1)今村「復興相」が東日本大震災に関連して「(東北地方の社会資本等の毀損も)25兆円という数字もある。これがまだ東北で、あっちの方だからよかった」(報道)と発言して一発で辞任となった。

 「復興相」として何を言いたかったのかわからないが、同講演で「(所属の二階派パーティの)みなさんのおかげで東日本の復興も着々と進んでいる」(同)と、自らの復興相としての東日本大震災復興効果を自賛したかったのならまだしも、「首都圏に近かったりすると莫大な甚大な被害があった」(同)と同会場に集まった仲間と自民1強時代の東京1極集中の特権意識を享受したかっただけなのだろうから困ったことだ。

 (2)この復興相には記者会見での質問記者と同じ立場、立ち位置に立って口論し、「うるさい」と質問を遮り退場するあきれた前歴もあり、この手の政治家は選挙では誰にでもペコペコして当選した途端にふんぞり返るイメージが残る期待できないタイプ政治家だ。

 (3)ところがである、その今村復興相を同日に更迭した安倍首相、自民党は「返す刀」で(by a returned `katana')沖縄辺野古地区の米軍滑走路建設のため海を埋め立てる工事に着手した。

 今村復興相が東日本大震災で甚大な被害影響を受けた東北被災者を愚弄(ぐろう)する発言に対して安倍首相は「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言」としておわびしたが、やはり米軍基地の70%以上が集中して基地過重負担を押し付ける沖縄県民に対しては、翁長沖縄県知事が先頭に立って反対表明する辺野古沖埋め立て工事を強行して沖縄の意思を無視するという二律背反の政治姿勢を「同日」にみせた。

 (4)東日本大震災では東北地方の陸と海の社会資本、自然資産、資源が根こそぎ破壊されて甚大な被害影響が出ているが、その社会資本、自然資産、資源がまだ残されている沖縄で、ここでは政府が政治力で有無を言わせずにこれらを破壊するというパラドックス政治(paradoxical politics)を見せつけられて、理論的にどう理解していいのか困惑する。

 (5)沖縄普天間飛行場移設問題は、辺野古移設が日米政府唯一の選択肢として沖縄県民の意思を無視しての日本政府の米軍第一主義による沖縄の社会資本、自然資産、資源の破壊工作だ。

 辺野古沖周辺のサンゴ礁群などはこれで死滅か再生に膨大な年月を要するといわれている。

 (6)冒頭の今村発言、更迭に立ち返ってみると、政府の「返す刀」での沖縄問題の差別化(discriminatory)がよくわかる。

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