いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

トランプ政権の試金石。 a touchstone of trump political power

2017-04-11 19:37:54 | 日記
 (1)トランプ大統領のシリア攻撃は、内戦で化学兵器が使われたとする被害者子ども、家族の悲惨な報道映像を見て決断したとある。その通りの卑劣な戦争犯罪行為であったが、決断はそれだけではない。

 オバマ前大統領がやはり内戦での化学兵器使用に対してシリア空爆直前までいきながら、ロシアの調停に乗って空爆を回避した判断をトランプ大統領が批判していた立場から、間を置かずにシリア攻撃を決断したこともある。

 (2)そしてうがった見方をすれば、トランプ政権発足後選挙で主張した政策を次々と大統領令で実施しながら評判がよろしくなく、イスラム圏からの移民、難民拒否の大統領令は連邦裁判所で一時効力停止の判決を受ける始末で、就任早々のトランプ政権支持率が30~40%と低迷している現状を打開したい意向も働いたと考える。

 時の政権が浮上を考えて外(国外)に活路を求めるのは常とう手段であり、折りも折り、中国の習近平国家主席の訪米、米中首脳会談の間隙をぬって化学兵器使用と断定したシリア攻撃をしたことで、「強い米国」を習近平中国国家主席を前にして内外に示せる相乗効果の機会と捉えたのではないのか。

 (3)何が起きてもおかしくない内戦とはいえ化学兵器使用の非人道的行為の国家を攻撃するとなれば、正義として国民の高い支持を集めて政権支持率も急激に回復するというシナリオがあった。

 今回のトランプ大統領のシリア攻撃の決断に対して、米国世論調査会社によると米国民の51%が支持すると回答(報道)した。ようやく過半数を超える攻撃支持で、シナリどおりの思ったほどの高い効果はみられなかった。
 しかも45%が「(攻撃による)抑止効果はない」(同・( )は本ブログ注)と思っている。

 (4)世論誘導という観点からみれば、トランプ大統領の決断は思ったほど効果はなかったということだ。米国が世界の警察官の役割から退き、米国第一主義、保護主義を掲げるトランプ大統領の主張に沿わない今回のシリア攻撃に対しては、同政権支持率が30~40%に低迷している米国民感情からはとてもそれを覆すだけのインパクトはなかったという結果だった。

 それが攻撃支持51%と抑止効果はない45%の相乗的効果の数字にあらわれている。

 (5)トランプ政権はさらに米空母群を行き先を変更して、急きょ朝鮮半島近海に展開しているが、これに北朝鮮がどう反応するのか、さらに米トランプ政権はシリア・アサド政権退陣を求めて(報道)おり、悪の枢軸二面作戦が効果を発揮するのかはトランプ政権の浮上の試金石(a touchstone of trump political power)でもある。

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