(1)JR北海道では昨年、今年だけで5件の貨物列車の脱線事故が起きている。列車は脱線事故など1件でも起きれば大惨事を招く恐れのある重大事故だけに大変なインパクトのある事故で、原因究明はもちろん全線の保守点検強化がはかられて規律を正して列車の安全運行に努めるのが鉄道パラダイム(paradigm)だが、2年間で5件も列車の脱線事故が起きるなどとは鉄道運輸会社として機能と責任が崩壊し、放棄しているに等しい事態だ。
社長はその都度、記者会見で頭を下げて謝罪、陳謝のくり返しだが、とりあえずはそれしかないと言えばそうだが頭を下げて済む問題ではない。
乗客、貨物の安全輸送責任を負う企業としての責任は、その都度何度も何度も責任者の口から出てくる「2度とこのような事故を起こさないよう全社をあげて安全運行に努める」ことを、実際に確実に全社をあげて実行し鉄道事故を撲滅する以外にない。
(2)JR北海道のように2年で5件もの脱線事故を起こす統治不全企業ともなれば、経営陣、責任者の総入れ替え、再編は必然のことであった。
11年に旅客列車脱線事故の責任をとって当時のJR北海道社長が自ら命を絶った。同社員に対して鉄道事故を2度と起こさぬ意思(文書)を託しての自死であったのだ。
その当時社長の意思はまったく活かされた様子もないその後のJR北海道列車脱線事故の連続発生である。JR北海道に企業統治能力(corporate governance)のないことがあきらかだ。当時の社長の孤立感は、JR北海道の民営化の中での孤立感でもある。
(3)自らの命を懸けて社員に訴えた当時社長の意思の尊さを思うと心が痛いが、その責任の取り方も最高責任者として適切であったのか、そもそもJR北海道の機能不全、企業体質をあらわすものではなかったのかとの思いは強い。その思いを企業体質改革に向けてほしかった。
乗客、貨物の安全運行という社会的使命、重責を担(にな)う企業として、社長の意思が社内に反映しない、企業統治できない無責任体質がはびこっているということだ。
その結果、帰結としての鉄道連続事故の発生だ。
(4)直近の貨物脱線事故では調査の結果、社内基準を上回るレールの歪(ゆが)みが1年以上も放置されていた場所で起きており、その後の調査では北海道内97か所のレール異常が放置されていたあきれた実態が判明している。
鉄道安全運行の基本となるレール保守点検維持が恒常的になおざりにされていた。
JR北海道の技術力、管理力不足も指摘されている。政府は相次ぐJR北海道の鉄道事故で、JR東海に技術者派遣を要請していた。
(5)JRは、国鉄として政府が管理していた鉄道組織を民営化により全国に分離、分轄した鉄道企業だ。民営化によりJR東日本、JR東海、JR西日本はメイン事業の新幹線網を整備、所有して、収益率も高い日本列島の中央都市部の鉄道輸送を担うために技術力、組織力、管理力の高い人員構成を投入して、そのしわ寄せとしてJR北海道の組織、技術、管理能力劣化の影響が出ているのではないのかと思わせる企業統治、無力ぶりだ。
JR北海道は民営化ではみ出された(forced out of JRH)のではないのか。
その社会的使命、重責からもすでに企業統治が崩壊しているJR北海道の再編(reorganization of JRH)が必要だ。
社長はその都度、記者会見で頭を下げて謝罪、陳謝のくり返しだが、とりあえずはそれしかないと言えばそうだが頭を下げて済む問題ではない。
乗客、貨物の安全輸送責任を負う企業としての責任は、その都度何度も何度も責任者の口から出てくる「2度とこのような事故を起こさないよう全社をあげて安全運行に努める」ことを、実際に確実に全社をあげて実行し鉄道事故を撲滅する以外にない。
(2)JR北海道のように2年で5件もの脱線事故を起こす統治不全企業ともなれば、経営陣、責任者の総入れ替え、再編は必然のことであった。
11年に旅客列車脱線事故の責任をとって当時のJR北海道社長が自ら命を絶った。同社員に対して鉄道事故を2度と起こさぬ意思(文書)を託しての自死であったのだ。
その当時社長の意思はまったく活かされた様子もないその後のJR北海道列車脱線事故の連続発生である。JR北海道に企業統治能力(corporate governance)のないことがあきらかだ。当時の社長の孤立感は、JR北海道の民営化の中での孤立感でもある。
(3)自らの命を懸けて社員に訴えた当時社長の意思の尊さを思うと心が痛いが、その責任の取り方も最高責任者として適切であったのか、そもそもJR北海道の機能不全、企業体質をあらわすものではなかったのかとの思いは強い。その思いを企業体質改革に向けてほしかった。
乗客、貨物の安全運行という社会的使命、重責を担(にな)う企業として、社長の意思が社内に反映しない、企業統治できない無責任体質がはびこっているということだ。
その結果、帰結としての鉄道連続事故の発生だ。
(4)直近の貨物脱線事故では調査の結果、社内基準を上回るレールの歪(ゆが)みが1年以上も放置されていた場所で起きており、その後の調査では北海道内97か所のレール異常が放置されていたあきれた実態が判明している。
鉄道安全運行の基本となるレール保守点検維持が恒常的になおざりにされていた。
JR北海道の技術力、管理力不足も指摘されている。政府は相次ぐJR北海道の鉄道事故で、JR東海に技術者派遣を要請していた。
(5)JRは、国鉄として政府が管理していた鉄道組織を民営化により全国に分離、分轄した鉄道企業だ。民営化によりJR東日本、JR東海、JR西日本はメイン事業の新幹線網を整備、所有して、収益率も高い日本列島の中央都市部の鉄道輸送を担うために技術力、組織力、管理力の高い人員構成を投入して、そのしわ寄せとしてJR北海道の組織、技術、管理能力劣化の影響が出ているのではないのかと思わせる企業統治、無力ぶりだ。
JR北海道は民営化ではみ出された(forced out of JRH)のではないのか。
その社会的使命、重責からもすでに企業統治が崩壊しているJR北海道の再編(reorganization of JRH)が必要だ。