いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米国、ロシアのグローバル責任。 global duty of u.s. and russia

2013-09-24 19:41:38 | 日記
 (1)シリアのアサド大統領は、中国メディアのインタビューで大量の化学兵器の製造と保有を認めた。だからといって、それを今回シリア内戦(domestic war)で使用したとは言わない。シリア政府は、化学兵器は反体制派組織が使用したと主張している。

 同国内で行った国連調査団の化学兵器使用調査結果の報告では、化学兵器の痕跡などからシリア政府が化学兵器を使用したと示唆(報道)する結論付けで、国連安保理でシリア問題の協議が始まる。

 (2)ロシアの提案に米国が乗り、シリア政府の化学兵器を国際管理下に置き完全廃棄する方針に、米、仏による軍事介入を避けたいシリア政府も受け入れる意向を示してリストを化学兵器禁止機関に提出したと言われている。

 今後同機関によるシリア国内の査察が行われるが、内戦の混迷の中でそれに先だっての冒頭のアサド発言で果たして大量のシリア政府化学兵器の査察、国際管理、完全廃棄のシナリオがどれだけ実効性のあるものか疑問視もある。

 アサド大統領からは、米国が資金を出すなら化学兵器を廃棄するというような発言(報道)も聞かれて、シリアの後ろ盾のロシア主導のシリア化学兵器処理問題を受けてシリア内戦の混とん、混迷もどこへやらのアサド大統領の余裕ぶりだ。

 (3)英議会がシリア軍事介入に反対決議し、米国内にもシリア軍事介入に議会、国民に反対意見が多くオバマ大統領の対応決断も揺れ出して国際的批判の的となり、この問題はすっかりロシアの思惑に支配された構図だ。

 米ロの対立するシリア内戦問題が、オバマ大統領が調停機能に期待しないとした国連も巻き込んで化学兵器対応が時間稼ぎに使われて、表向きの立場は軍事介入を表明した米国と化学兵器使用疑惑のシリアが逆転した格好だ。
 世界189か国が禁止条約に参加する化学兵器の大量製造、保有を自ら認めるアサド大統領の計算発言には、国際社会への非人道的なおごりと挑発の不遜なものだ。

 (4)そうこうしている内に、シリア内戦では間隙をぬってイスラム過激国際テロ組織が台頭して反体制派内での主導権争いも起きて(報道)おり、様相は内戦から中東紛争問題化に発展しそうな気配だ。

 英国も米国も議会、国民が危惧した軍事介入による内戦の拡大による自国責任への影響、不安は、米ロ調停の時間稼ぎの間にシリア内戦へのイスラム過激国際テロ組織の台頭を許して、結果として国際不安を残すことになることも懸念される事態だ。

 (5)国連安保理では既得権益保護の米国対ロシア、中国の対立構図で結局何も決めれない中で、シリア内戦が報じられるような市民、反体制派対シリア政府の対立構図からイスラム過激国際テロ組織の台頭という事態、変化を招いているとすれば、国連はせめてそれに対応したシリア内戦停止の強いメッセージを発信することはできないのか。

 国連の使命、責務でもある。それは今回の化学兵器完全廃棄で合意したように、それぞれ自国の化学兵器廃棄履行とあわせて米国、ロシアの国際責任(global duty)でもあるのだ。

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