(1)核兵器にしても原発にしても製造してもこれを破棄、廃棄(abandonment)するとなると膨大な予算とそれなりの廃棄施設、設備に、原発廃炉では数十年もの年数が必要として一朝一夕には事は進まない非生産的な破壊的な事業だ。
シリア政府の化学兵器を国際管理下に置き、完全廃棄させるとした米国とロシアの協議が合意した。①シリアが1週間以内に化学兵器を申告し、②今年11月までの国際審査を受け入れ、③来年前半までに完全廃棄するとしたものだ。
このため米国によるシリア軍事攻撃は当面見送るとして、シリアの後ろ盾のロシアの要請でもありシリア政府は全面的に受け入れるとみられる。
(2)シリア内戦が続き、同国内で化学兵器が使用された可能性が高く、子どもを含む多くの市民への被害が確認されている中での化学兵器の国際管理、完全廃棄に「限定」した米ロ軍事大国による裁定という悠長な(leisurely)動きには、国際政治、社会の理不尽、不条理(unresonableness)が浮きぼりになって無常、無情を感じるだけだ。
シリア内戦が国内問題というにはあまりにも悲惨な報道で、シリア政府も主張するように仮に反政府勢力に国外勢力が加担しているとすれば国内問題といえるのか、結局はそれぞれの後ろ盾の米ロの思惑にほんろうされるだけの代理戦争でしかない。
(3)国連にその影響力がない中で、国際社会、とりわけ今回化学兵器廃棄でシリアに迫る合意の米ロが本来目的の内戦の停止、仲裁にこそ動かないのはどういうことか、国際政治、社会の理不尽、不条理を世界が認めている結果だ。
シリアは今回の問題で、国連に対して世界189か国が加盟している化学兵器禁止条約への加入手続きを申告した。
(4)その化学兵器禁止条約にもとづく化学兵器廃棄期限を米ロが守れずに、特別措置で延長されている(報道)ことが明らかとなった。同条約では07年までの10年間以内での廃棄を定めているが、米ロはこれを守れずにいる。その米ロが今回シリア政府に早期の化学兵器廃棄を迫るのも何とも痛し痒(かゆ)しのパラドックス(paradox)世界だ。
米ロ軍事大国が軍事力既得権益の独占を目論んで自らの立場を揺るがす危険な後発国の化学兵器は認めないという、勝手な覇権大国主義がここでもまかり通っている。
化学兵器同様に人類大量破壊兵器の核兵器についても、まったく同じ軍事力既得権益独占の大国論理がまかり通っている不条理な世界だ。
(5)後発北朝鮮が米国、国際社会の反対を押し切って核兵器開発、製造に走る理由付けを与えて、その足元を見られた国際政治、社会の不条理性だ。
今回の米ロ合意によるシリア政府化学兵器国際管理、完全廃棄は、米ロの「顔」、思惑をとりつくろっただけのものであり、内戦の行方に無頓着な関心度とのあまりの「落差」に意味も意義も薄れる大国都合主義だ。
そこへきての米ロ自身による化学兵器廃棄義務の先送りとあっては、この合意も米ロの自己都合主義(外的脅威封じ)が鮮明で、比較色あせるばかりだ。
(6)国連調査団によるシリア国内の化学兵器使用実態調査の報告も、事務総長がすぐに報告を受けるとしたがようやく16日にも国連安保理に提出される見通し(報道)だ。
シリア政府による化学兵器使用を示唆する内容(報道)の報告と言われており、この報告を受けて化学兵器使用にとどまらずにシリア内戦の終結に向けて国連安保理がどんな反応、影響力を示すことが出来るのか、米ロによるシリア化学兵器廃棄合意だけでは「完結(conclusion)」しないシリア問題だ。
シリア政府の化学兵器を国際管理下に置き、完全廃棄させるとした米国とロシアの協議が合意した。①シリアが1週間以内に化学兵器を申告し、②今年11月までの国際審査を受け入れ、③来年前半までに完全廃棄するとしたものだ。
このため米国によるシリア軍事攻撃は当面見送るとして、シリアの後ろ盾のロシアの要請でもありシリア政府は全面的に受け入れるとみられる。
(2)シリア内戦が続き、同国内で化学兵器が使用された可能性が高く、子どもを含む多くの市民への被害が確認されている中での化学兵器の国際管理、完全廃棄に「限定」した米ロ軍事大国による裁定という悠長な(leisurely)動きには、国際政治、社会の理不尽、不条理(unresonableness)が浮きぼりになって無常、無情を感じるだけだ。
シリア内戦が国内問題というにはあまりにも悲惨な報道で、シリア政府も主張するように仮に反政府勢力に国外勢力が加担しているとすれば国内問題といえるのか、結局はそれぞれの後ろ盾の米ロの思惑にほんろうされるだけの代理戦争でしかない。
(3)国連にその影響力がない中で、国際社会、とりわけ今回化学兵器廃棄でシリアに迫る合意の米ロが本来目的の内戦の停止、仲裁にこそ動かないのはどういうことか、国際政治、社会の理不尽、不条理を世界が認めている結果だ。
シリアは今回の問題で、国連に対して世界189か国が加盟している化学兵器禁止条約への加入手続きを申告した。
(4)その化学兵器禁止条約にもとづく化学兵器廃棄期限を米ロが守れずに、特別措置で延長されている(報道)ことが明らかとなった。同条約では07年までの10年間以内での廃棄を定めているが、米ロはこれを守れずにいる。その米ロが今回シリア政府に早期の化学兵器廃棄を迫るのも何とも痛し痒(かゆ)しのパラドックス(paradox)世界だ。
米ロ軍事大国が軍事力既得権益の独占を目論んで自らの立場を揺るがす危険な後発国の化学兵器は認めないという、勝手な覇権大国主義がここでもまかり通っている。
化学兵器同様に人類大量破壊兵器の核兵器についても、まったく同じ軍事力既得権益独占の大国論理がまかり通っている不条理な世界だ。
(5)後発北朝鮮が米国、国際社会の反対を押し切って核兵器開発、製造に走る理由付けを与えて、その足元を見られた国際政治、社会の不条理性だ。
今回の米ロ合意によるシリア政府化学兵器国際管理、完全廃棄は、米ロの「顔」、思惑をとりつくろっただけのものであり、内戦の行方に無頓着な関心度とのあまりの「落差」に意味も意義も薄れる大国都合主義だ。
そこへきての米ロ自身による化学兵器廃棄義務の先送りとあっては、この合意も米ロの自己都合主義(外的脅威封じ)が鮮明で、比較色あせるばかりだ。
(6)国連調査団によるシリア国内の化学兵器使用実態調査の報告も、事務総長がすぐに報告を受けるとしたがようやく16日にも国連安保理に提出される見通し(報道)だ。
シリア政府による化学兵器使用を示唆する内容(報道)の報告と言われており、この報告を受けて化学兵器使用にとどまらずにシリア内戦の終結に向けて国連安保理がどんな反応、影響力を示すことが出来るのか、米ロによるシリア化学兵器廃棄合意だけでは「完結(conclusion)」しないシリア問題だ。