いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

消費税引き上げのトリック。 tricky raising of consumption tax

2013-09-02 19:37:38 | 日記
 (1)街を行くとあちこちのビル、家屋に足場囲い工事が目に付く。来年4月からの予想される消費税引き上げを見越しての、その前に必要な工事を今年度中に済まそうという消費者心理、気持ち(mood)がよく伝わってくる風景だ。

 安倍政権が大胆な金融緩和策による期待感含みの円安株高効果による企業業績の回復、経済回復基調の中で、ボーナスの上乗せはあったものの賃上げ効果につながらない中での順調な消費動向も伝えられているが、法律制定で来年4月の消費税8%引き上げが原則決まっており、安倍首相も期待していたようにその前に必要な消費を済ませておこうという国民消費心理、動向が目論み、期待通りに今年度の顕著な経済指標にも反映されているのは間違いない。

 (2)企業活動も同じで、現在の顕著なGDPプラス転化、経済活動データにもその意向が反映されているもので、安倍政権が経済景気動向を左右するとした期待する企業の設備投資も、前回のマイナスから4~6月期で上昇傾向(ニュース)を示している。

 企業も企業業績の回復効果を来年4月の消費税引き上げ前に安倍政権の目論みどおりに集中的に今年度中に企業体質の強化に回して、従って安倍政権がもうひとつ期待する賃上げ効果には結び付かない目論み(contemplative)、からくり(tricky)のジレンマ(dilemma)もある。

 (3)安倍政権はこうした経済指標データのある種の目論み、からくり操作の中で、これらを来年度の消費税引き上げ判断の材料にするという政府の都合のいい自作自演のシナリオでもある。

 この経済動向目論み、からくりの見る側からの評価の違いが日銀と民間エコノミストの来年度の経済景気判断の違いにあらわれている。
 消費税引き上げには企業活動重視の経済指標データによる判断とあわせて、セットになっている賃上げ効果についても考慮すべきなのはいうまでもないことだ。

 (4)円安株高効果による企業活動、業績の回復の中で、一方物価は一斉値上げしても賃金は据え置かれて、現在も続いている「悪い物価上昇」が大いに懸念されるところだ。

 政府の今年度駆け込み消費、投資の目論み、からくりの経済指標データばかりを判断材料に消費税引き上げを判断すればさらに物価上昇を押し上げて、賃上げが期待できなければ今年度の反動による消費動向を来年度は一層冷え込みさせる要素にもなるというシナリオだ。

 (5)政府は以前ほど賃上げには言及しなくなって、賃上げは物価上昇の後になるという先送り見通しを示している。
 来年4月の消費税引き上げは避けられない情勢であるが、セットの賃上げの実効性のある見通し工程表も同時に必要だ。

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