(1)橋下大阪市長が前回府知事として支持、支援した現堺市長とたもとを別って大阪維新の会公認候補を立てて対決した堺市長選は、現職が5万強の優勢差で勝利した。
橋下大阪市長が推進する大阪都構想(osaka metropolis conception)実現に向けて当時大阪府知事であった橋下さんは大阪府職員経験の現堺市長を支持、支援して、橋下さんの個人的人気、市民支持を背景に当選に導き、さらに自ら大阪市長選に打って出て当選し大阪、堺市を核とした大阪都構想にはずみをつける目算があった。
(2)ところがその後の橋下さんが進める大阪都構想を巡って、堺市が解体されて実質大阪市に吸収される事態に堺市長が反発して対立が続いていた。
今回の堺市長選は大阪都構想が争点となったが、よくいまだ実態がわからない大阪都構想に、前回は橋下さんが支持、支援した現職に対して今回は対立候補を立てる(立てざるを得ない)という、これまたどうしてこうなったのか複雑でわからない構図の選挙となって、関心が高まった割には比較して政策論争よりは個人的資質、しがらみ、個性への判断が左右した嫌いはある。
(3)橋下大阪市長は大阪維新の会をもとに吸収合併により国政政党日本維新の会を共同代表として立ち上げて、政治第3極勢力の中心として国民の支持、期待を集めていたが、昨年7月の歴史認識、慰安婦問題発言で国内外の批判を受けて参院、衆院で大敗して政治影響力を減速させてきた。
橋下さんの強引な主導力、個人的カリスマ性政治がきめの細かい政策決定力に欠けて、大阪都構想の構想力、理解力も不十分な中でただ橋下さんが前面に出る大阪維新の会選挙手法(かいらい政治)が相乗的に危ういものとして捉(とら)えられて市民の支持を受けられなかったものだ。堺市は橋下さんの大阪都構想に反発した現職を支持して、橋下かいらい政治(puppet politics)を拒否した。
(4)橋下大阪市長は今回の選挙争点の大阪都構想について「堺がなくなる」という誤認に基づく判断(報道)と総括しているが、堺市長は「堺の財源が都に奪われ、住民サービスが低下する」(同)と批判して議論は平行線をたどっている。
大阪府と大阪市が示した大阪、堺市の両政令指定都市を解体し大阪府と再編統合する大阪都構想の制度設計案に対しては、「効果が乏しい」と批判が噴出した(報道)といわれている。大阪市が解体されることにも市民支持は30%弱と低い。
(5)日本維新の会の政権構想でも、政策精度が低く、実態のつかめないものであった。大阪都構想での特別区の機能性、二重行政、財政健全化、住民サービスの説明力と合わせて、伝統、文化、風土、地産との融合性についても分かりやすい構想力が必要だ。
大阪を含めた関西圏の政治、経済、社会の地盤沈下はあきらかで、活性化プランに向けた広汎な議論が不足(insufficient argument)していることは今回の堺市長選争点での双方の認識ギャップであきらかだ。
(6)市民レベルでの広汎な議論の深まりがない中で選挙争点となって、実態のわからない大阪都構想が否定された結果となった。
橋下大阪市長が推進する大阪都構想(osaka metropolis conception)実現に向けて当時大阪府知事であった橋下さんは大阪府職員経験の現堺市長を支持、支援して、橋下さんの個人的人気、市民支持を背景に当選に導き、さらに自ら大阪市長選に打って出て当選し大阪、堺市を核とした大阪都構想にはずみをつける目算があった。
(2)ところがその後の橋下さんが進める大阪都構想を巡って、堺市が解体されて実質大阪市に吸収される事態に堺市長が反発して対立が続いていた。
今回の堺市長選は大阪都構想が争点となったが、よくいまだ実態がわからない大阪都構想に、前回は橋下さんが支持、支援した現職に対して今回は対立候補を立てる(立てざるを得ない)という、これまたどうしてこうなったのか複雑でわからない構図の選挙となって、関心が高まった割には比較して政策論争よりは個人的資質、しがらみ、個性への判断が左右した嫌いはある。
(3)橋下大阪市長は大阪維新の会をもとに吸収合併により国政政党日本維新の会を共同代表として立ち上げて、政治第3極勢力の中心として国民の支持、期待を集めていたが、昨年7月の歴史認識、慰安婦問題発言で国内外の批判を受けて参院、衆院で大敗して政治影響力を減速させてきた。
橋下さんの強引な主導力、個人的カリスマ性政治がきめの細かい政策決定力に欠けて、大阪都構想の構想力、理解力も不十分な中でただ橋下さんが前面に出る大阪維新の会選挙手法(かいらい政治)が相乗的に危ういものとして捉(とら)えられて市民の支持を受けられなかったものだ。堺市は橋下さんの大阪都構想に反発した現職を支持して、橋下かいらい政治(puppet politics)を拒否した。
(4)橋下大阪市長は今回の選挙争点の大阪都構想について「堺がなくなる」という誤認に基づく判断(報道)と総括しているが、堺市長は「堺の財源が都に奪われ、住民サービスが低下する」(同)と批判して議論は平行線をたどっている。
大阪府と大阪市が示した大阪、堺市の両政令指定都市を解体し大阪府と再編統合する大阪都構想の制度設計案に対しては、「効果が乏しい」と批判が噴出した(報道)といわれている。大阪市が解体されることにも市民支持は30%弱と低い。
(5)日本維新の会の政権構想でも、政策精度が低く、実態のつかめないものであった。大阪都構想での特別区の機能性、二重行政、財政健全化、住民サービスの説明力と合わせて、伝統、文化、風土、地産との融合性についても分かりやすい構想力が必要だ。
大阪を含めた関西圏の政治、経済、社会の地盤沈下はあきらかで、活性化プランに向けた広汎な議論が不足(insufficient argument)していることは今回の堺市長選争点での双方の認識ギャップであきらかだ。
(6)市民レベルでの広汎な議論の深まりがない中で選挙争点となって、実態のわからない大阪都構想が否定された結果となった。