いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

エンゲル係数を代える。 relieve the engel's coefficient

2017-02-18 19:44:35 | 日記
 (1)久しぶりに「エンゲル係数」(engel's coefficient)なるものを新聞の見出しに見た。今ではすっかり死語になっていたぐらいにお目にかかっていない。
 エンゲル係数とは「家庭の消費支出全体に占める食費の比率」で「生活水準が高くなるにつれて数値が低くなる」(報道)経済指標用語だ。

 戦後の経済復興社会では、生活向上の目安としてエンゲル係数がよく引用されていた。高度経済成長が続き、戦後長くエンゲル係数の下落傾向が続いて70年には34.1%だったが05年には22.9%に低下(報道)した。

 (2)しかし第2次安倍政権発足後の13年以降はエンゲル係数が「上昇」に転じて(報道)、生活環境水準は悪化していることを示している。
 アベノミクス、大胆な金融緩和策で円安株高効果を生んで輸出産業、大企業中心に業績回復をみせているが、円安による輸入材料の高騰が物価高を招いて消費行動に結びつかずに、GDPはマイナス成長、横ばい状態だ。

 安倍首相がアベノミクス効果を説いてみせても国民生活には恩恵実感は行き渡っておらずに、エンゲル係数がその現実を示している。

 (3)そもそも安倍首相の経済政策は、大企業中心の業績回復効果を国民生活、中小企業、地方にトリクル・ダウン(trickle down)させるという古い経済理論であり、目指す経済好循環型社会のサイクルは消費行動、動向の停滞、低迷で断ち切られているのが現状だ。

 大企業中心に雇用統計は回復し、賃上げも3年連続で続いているが、中小企業、地方、生活との格差社会は拡大して物価上昇で実質賃金は目減り、国民の将来生活設計への不安が大きく節約志向で消費行動に結びつかなくて、デフレ脱却、経済、景気の底上げには程遠い16年のエンゲル係数が25.8%と29年ぶりの高水準(報道)となった。

 (4)安倍首相は経済優先政策を打ち出してデフレ脱却を目指してアベノミクスをさらに「ふかす」としているが、旧態然としてバイアス(bias)な大企業優遇の経済優先政策であり、その安倍内閣を60%近い国民が支持するという小市民的国民意識(petite bourgeoisie)の今日的社会を反映しないエンゲル係数でもある。

 戦後復興の食生活重視社会から情報化グローバル社会を迎えて、多様で多目的社会へ時代は変化して国民総幸福という国家指標基準もある中で、国民生活を推し計るあたらしい理念、理論、構想も必要だ。

 (5)経済学者の先端的理論構築を聞いてみたい。

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