いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アルティメット・フライディ。 ultimate friday

2017-02-25 19:59:41 | 日記
 (1)鳴り物入りで始まった午後3時退社のプレミアム・フライディの初日は実施130社(報道)に留まった。国会審議も政府先導する意味があるとかで、予算案の成立日程を翌週に先送りして午後3時には安倍首相も官邸を出て座禅に芸術鑑賞を楽しんだとある。

 国会は懸案、問題続出で安倍首相夫人が名誉校長を務める(問題発覚後辞任)小学校建設地の前例のない格安払い下げ問題も発覚して、今それどころではない。世耕経産相も業種によっては金曜日は忙しいところもあり、別の曜日に移行して実施することを提言していた。

 (2)中小企業からはそんな余裕はないとの声も聞かれて、賃上げ同様に大企業との経済格差社会が浮き立つ背景事情だ。時間的に中途半端に仕事はやっているから、下請けなど立場上午後3時退社できない仕組みの労働格差も生まれている。

 月1回の午後3時退社がどれ程の効果があるのか疑問だ。かって土曜日も含めて週6日労働制であったが、土曜日の就労時間を残り5日間に割り当てて週5日労働の週休2日制にしたようなインパクトは期待できない。

 (3)この論理でいけば、むしろ月1回は週休3日制のアルティメット・フライディ(ultimate friday)にして気持ちも時間にもメリハリの効く、使い勝手のいい対応の方がありがたみ、活性化が出るというものだ。

 まだ時代、社会は過重労働負担の様々な問題化に接して労働時間の短縮、働き方改革を掲げても、結局は自宅に仕事の残りを持ち帰るだけという醒めた声も聞こえるが「働き方」については当事者が真剣に考えるべきだ。

 (4)1日の労働時間を有効に充実して使っているのか、通常1日の3分の1(8時間)を労働に費やして効果が上がらないというのは、どこかに問題があるということだ。

 人間が集中して能力を発揮できる時間は限られており、専門的研究でも実証されている。映画にしても音楽(コンサート)にしても長ければいいというものではなく、集中して理解して楽しめる時間はアーティストからは90分から2時間程度ともいわれて、やはり限られてくる。

 (5)働き方についても法定1日8時間労働の基準の中で、能力を発揮する方法論(methodology)を考えなければならない。もうそれ以上の時間をかけるということになれば、それは惰性であり、自己満足であり、パラドックス(paradox-逆説的)な思考というべきバイアス(bias-偏り)のかかったインバランス(imbalance-平均平衡感覚を失った)状態で不健康そのもので注意が必要だ。

 (6)だからそこで止める決断も出来ない惰性で自己満足に陥るだけに循環していく。今年は祝祭日が土曜日(法律上は休日ではない)に多くかかる暦で、その分振り替え休日も減って例年に比べて休日が少ない1年だ。

 戦後復興のための昼夜労働をいとわない高度経済成長時代から、情報化グローバル社会の到来で産業構造改革にともない労働効果、効率主義による労働時間の制限社会思想が見直されて、労働休日が大幅に増やされた。

 (7)今回のプレミアム・フライディ実施は社会思想的にもインバランスなもので、効果は限定的で中途半端なものになる懸念はある。
 むしろ月1回は週休3日制にしてメリハリをつける方法論が、体内細胞の活性化にはいいだろう。それが労働効果、効率持続性につながるというものだ。

 

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