いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ゾーン現象。 "zone" phenomenon

2017-02-01 19:51:33 | 日記
 (1)財津和夫さんはコンサートの前にルーティン(routine)でやる事を語っていた。映画をDVDで観るそうだ。それがいい映画であったりすると、その日のコンサートに気分良くうまく入れるという。

 いわゆる「ゾーンに入る」(zone phenomenon)というのか、気分が乗り移って気持ちがすごく前に出ることがあると語っていた。

 (2)現在、その気分いわゆる「ゾーン」に入っているのが、すべてに自分に都合よく解釈、理解して従わせているトランプ大統領だろう。難民などの入国を一時禁止する大統領令に背いた(大統領令を擁護しないよう省内に指示ー報道)として司法省トップの長官代理を「おまえはクビだ」とばかりに解任(報道)した。

 それでもまだ国務省職員の千人あまりが大統領令に反対する意見書提出に賛同して続いているといわれる。

 (3)トランプ大統領は51%が大統領令を支持(保守系メディア調査)しているとして、これへの反対はまた対立するメディアのでっち上げだというのだろうが、大統領令に従わない政府機関職員も職員だが、このまま辞めさせていたら米国政府の機能は一体どうなるのか、そもそも政権交代による数千人の職員異動が埋まっていない(トランプ大統領はこの対応にまったく関心がなかったといわれる)ともいわれていたのにだ。

 まさしく「ゾーン」に入っていて、さらに世界から大統領令に対する批判もある中で日本も含めて多くの関係国、指導者がこれに従って意図に沿うような発言が続き、トランプ大統領としては気分良く「ゾーン」に入って乗り移って過ごしているのではないのか。とても政治体制といえる状態ではない。

 (4)これまでの米国の伝統的な理想主義、自由主義理念と違う政策方針の大統領令に世界の関係国、指導者がそれでも従っているのはどうしてかを考えてほしい。
 たとえば現在でもそうだが北朝鮮がこのような排他的制裁主義を全面に出せば、世界は一致してこれに反対して逆制裁措置に出るだろう。

 米国など核保有大国が核実験を実施してもさして問題とはならないが、後発の北朝鮮が核実験を強行すればよってたかって国連安保理でこれに対する制裁措置が協議され実行されるというのが現実の世界政治理念だ。

 (5)どこか変だが、これまでの米国など大国中心につくり上げてきた既存の世界観、既得権益主義に対抗する勢力には徹底的に理不尽でも攻撃する仕組みだ。

 トランプ大統領のこれまでの米国の理想主義、自由主義理念に反した大統領令にこぞってこうして世界の関係国、指導者が従うのは、これまでの米国の蓄積した役割、指導、力、支援効果に対する支持、協力、利益共有が背景にあるのであり(ついでにいうなら、移民も積極的に受け入れてきた寛容性)、すっかりひとり「ゾーン」に入ったトランプ大統領はまるで自らの力、指示が世界から尊敬され、支持されているかのような錯覚、自らの立ち位置を見失ってしまっている結果の不幸だ。

 (6)トランプ大統領のひとつうまい戦略に、本来は政権に批評、批判して国民的(あるいは世界的)な意思の合意をはかる立場のメディアと対立して信用を失わせていることだ。

 さらにこれが大統領選の勝敗予想をメディアが見誤ったとなれば致命的でなおさらのことで、今のところはトランプ大統領のひとり勝ちの「ゾーン」現象だ。
 長くは続かないだろう。

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