いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民ネット社会。 national network society

2014-12-09 19:30:22 | 日記
 (1)相当先の未来社会を睨(にら)めばネット選挙というのもそれなりの価値効果は考えられるだろうが、今回衆院選としては初めて導入されたネット選挙は熱気とはほど遠い現状であることがわかった。

 前回参院選から法制化されて導入されたネット選挙は、候補者なりすまし、迷惑送信など導入前から対策が検討されてきたが、その杞憂の甲斐もなく結果として選挙の有力な手段、手法にはつながっていない。

 (2)ネット利用者が若者中心で、その若者層が選挙無関心の多い世代とあってはネット選挙が主流になるのは尚早だ。
 今回の衆院選は小選挙区比例代表並立制で「人」よりは「政党」を選ぶ選挙制度でネット選挙の活用法あるが、選挙はやはり「人」を選ぶのが基本理念で、古くて新しい政治とカネの問題を巡って議員個人の資質、能力がいつも問題を起こし問われている政治の世界ではなおさらのことだ。

 政治とカネの問題は政治制度に問題がありながら、政党は議員個人の問題として積極的に政治制度改革に手をつけずに議員個人を切り捨てて、政党としての権力構造の維持持続することを意図、目的としている。

 (3)政治は志を同じくするものが集い政党として多数を構成して政権を得て、理念、政策、思想、哲学を実行するものであるから、政党選択は政治の原点ではある。
 かっての日本の政治は政治思想、理念、哲学対立軸の時代であったから、政党選択が分かりやすかった。その時代の選挙こそネット選挙手法が有効性を発揮する政治環境にあったといえる。

 政党の中では議員個人は構成員でしかなく、「数」を頼りの強権政治が支配してきた。しかし民主主義、自由主義が国民の中で浸透、定着して国民の権利意識が高まると政党支持だけには収まらずに、政策本位の政治選択に変化してきた。
 政党への全面委任ではなくて政策ごとの見極め、効果に国民の関心は比重が置かれるようになる。

 (4)選挙選択は政党から政策判断へと変化して、議員個人の資質、能力、政策力、発信力が問われることになる。
 それは民主主義国家として成長した姿であり、既得権益、ゆ着、密室政治で長年長期政権を維持していた時代から、政策本位、選択による政権交代可能政治へと変化をみせてきた。

 政治変化が政党から政策本位、選択に変化した時代に、政治無関心層の若者利用中心のネット選挙を導入したことが相乗的にネット選挙手法の低調につながった。
 ネットというのは意思の伝達に制限は限りなくないが、文字、ツールで介在するだけの無機質(inorganic matter)な通り一辺倒のものだ。人となり(personality)や感情は伝わってこない。

 (5)今のネット選挙では「人」を選ぶ選挙としては工夫がいるだろう。しかし社会は情報化時代を迎えてネットは重要な情報ツールだ。これからさらに進化を加速させていく中で、有効な情報手段、手法をつくりあげていくはずだ。
 未来社会への通過点としてネット選挙を改善していかなければならない。アップルが日本に研究拠点を設ける話もある。

 選挙投票権の18才への引き下げ、50年には65才以上が人口比率40%以上を超える高年令化層へのネット普及対策で国民ネット社会(national network society)でつながったネット選挙でなければならない。

 (6)ネットによる投票はもちろんのこと、ネット上の政策効果の比較検証、政治資金の全面開示など政治をまず変えていくことが大事で前提だ。

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