いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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米国とキューバ国交交渉。negotiations of diplomatic relations between u.s. & cuba

2014-12-19 19:50:23 | 日記
 (1)米国とキューバが国交正常化に向けて交渉(negotiations of diplomatic relations between u.s. and cuba)を開始することが発表された。両政府は用意周到に準備をしてきた結果だろうが、国際社会にとっては唐突な感じは否めない。

 米国とキューバは150キロの海域を挟んでの至近距離で自由主義米国と共産主義革命キューバが対峙して、1960年代には当時ソ連がキューバにミサイルを持ち込もうとしてケネディ米大統領が海上封鎖をして阻止して、米ソ冷戦大国同士があわや激突する核戦争かとの非常事態を招いた歴史もある。

 (2)海域を挟んで至近距離にある米国とキューバがこれまで半世紀以上にわたって米国の経済制裁の中で奇妙な共存体制を持続してきのは、とりわけ日本からみれば不思議な関係でもあった。
 そのキューバ国内に米軍施設があって国際テロ容疑者を隔離していたとなると、ますます両国の複雑な関係を理解するのに苦労する。

 米国は一時CIAによるキューバ侵攻作戦を実施したが失敗に終わり、米国にとってはのど元の小さな島国の共産主義革命国キューバの存在は、強大な軍事力でにらみ(経済制裁、海上封鎖)を利かせれば大した存在ではないとの思惑はあったのだろう。
 これに支援をしようとした共産主義同盟国のソ連の関与には強行姿勢をとった。

 (3)キューバの当時カストロ議長のカリスマ性(charisma)による共産主義革命的独自路線が当時ソ連を頂点とする共産主義体制の中で独自の存在感を示して、奇妙な米国とキューバの対立関係があったと理解する。

 オバマ米大統領も任期2年を切って実績づくりのためのキューバ国交交渉との大方の見方もあるが、米議会の時期尚早との反対意見もあるが、半世紀以上奇妙に共存してきた両国の対立関係の改善そのものよりは国際社会に与えるインパクト(impact)、意義は大きい。

 (4)かって米ソ冷戦時代に厳しく対峙していた自由主義国米国と共産主義革命国キューバが国交交渉で関係改善に向かうということは、現在中東地域でアルカイダ、イスラム国を筆頭に過激なイスラム原理主義による内戦につけ込んでのテロ活動拡大に対しても政治思想を超えて国際的な協力体制が構築されるという政治的なメッセージ、圧力になるものだ。

 ひとり過激なイスラム原理主義テロ組織の「孤立感」を引き立てるものになる期待感もある。北朝鮮に対しても一定の影響力を与えて、時代に取り残されるあせりはあるのではないのか。

 (5)中南米地域はかっては経済貧困による思想革命運動が活発でチリ日本大使館占拠事件など凶悪なテロ活動が横行していたが、現在は豊富な天然資源、広い国土のもとに経済成長著しい新興国としてG20の主要勢力国になって凶悪なテロ行動は聞かれなくなっている。

 同じ中南米のキューバにとっても、経済制裁を受ける米国との関係改善はひとり乗り遅れる中で避けられない外交問題であった。
 
 (6)かっての米ソ冷戦時代の象徴でもあった米国とキューバの対立が国交交渉開始で改善に向かう意義は、中東地域イスラム過激派テロ組織の活動にも「違う方法論がある」と認識する影響力(impact)を与える国際政治、外交のムーブメント(movement)になる可能性、期待感がある。

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