いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原発ゼロ政策のまやかし。 trickery for the a.p.p zero policy

2012-09-23 19:49:27 | 日記
 (1)政府は2030年代に原発稼働ゼロ社会(a.p.p zero society)を目指すエネルギー環境戦略をまとめた。表向きはいいけれどその中身を見ると、その間、安全確認(いまだに安全方程式は証明されていない)を得た原発は再稼働し、核燃料サイクル(使用済み核燃料を再処理して再利用する)事業は維持し、取り組むとし、さらに原発ゼロ政策は「不断」に見直すとある。

 これでは原発ゼロを目指すと言いながら、原発を重要電源と位置付けて原発再稼働の安全性の結果、成果、実績を踏まえて、将来、原発維持を視野に入れたどうにでもとれる期間猶予のエネルギー体制ということだ。「方向性」が定まらないものを「方針」とは言わない。

 原発ゼロと言いながら、パラドックス(paradox)として核燃料サイクル事業は継続して取り組むなどとは、国内需要(原発ゼロ政策)としては必要もないことを明記してまさか海外の使用済み核燃料再処理ビジネスでもあるまいし、将来のただ原発再稼働維持に向けたムダな保険投資と言うことだ。日本の原発ゼロ政策の説明を受けたIAEAも「極めて不透明」と批判コメントした。

 (2)あちらこちらと八方美人的などっちつかずの放漫な政策を打ち出して、将来のエネルギー政策の進むべき道を一本化して明確にしないのは、有効で安全、効率的な国民投資(税)の使途にはならない。予算の浪費でしかない。原発にとってかわる再生可能エネルギーへのプラン、プロセス、プログラムの開発充実度にも影響しかねないことだ。

 原発はたとえ原発ゼロになっても数十年、数百年単位での経費、技術を含めた安全な最終処分行程があり、すでに54基もがその対象となっている。
 原発ゼロと54基の安全な原発最終処分行程に予算、技術、環境に道筋をつけるべきで、今回の政府エネルギー政策の方針は重要基本問題を意図的に回避した意義も意味もないものだ。
方向性が定まらないものを方針とは言わない。

 (3)時代をリードする経済構造改革も見直さずに電力安定供給にばかり特化する経済界や原発大国の欧米諸国からは懸念の声も聞かれるが、唯一の被爆国日本として今また原発の安全性に重大で時空のかかる欠陥、被害を実体験した日本は、明確に原発ゼロ社会の構築に向けて先駆的役割を果たすべき時代だ。

 特に米国とは核の平和利用(核燃料サイクル)に関する条約で取り込まれており、原発ゼロ政策への路線変更での交渉も必要だ。
 今回の政府のエネルギー環境戦略の方針はその使命感が伝わってこない。まるで時間の経過とともに原発ゼロ政策に逆行するのを待つかのような意図を込めた意味も意義もないものだ。

 (4)原発ゼロの道は既存原発の安全な最終処分、代替エネルギーの開発実用化とともに、膨大な時間と技術開発能力の必要な政策、事業だ。
 明確に原発ゼロ政策に一本化して、予算と時間と開発に総力を集中投資すべきものだ。

 政府は原発ゼロ政策を閣議決定せずに、「あいまい」にフリーハンドを与え政治責任を放棄したのだ。

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