いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本維新の会の期待と不安。 expectation and uneasiness

2012-09-13 19:47:53 | 日記
  (1)地域政党大阪維新の会が現職国会議員7人の参加を受けて国政選挙に参加し、政党助成金も受けれる国政政党(要件議員5人以上)「日本維新の会」を結党した。
 次期衆院選には公募により350人規模の候補者を擁立する方針だ。国民の既成政党不信、離れを背景に国民の期待と人気を集めての一気の国政参画だ。

 代表の橋下大阪市長のエキセントリック(eccentric)な発言、行政機関、議会との対立を煽(あお)って自己を正当化する政治手法に問題もあり、さしたる実績もない「実体」がよくわからない中での、既成政党不信の政治環境での「反動」としての期待(expectation)、人気を頼りの急いだ国政参加だった。

 政策の中身、実現性、組織、資金など国政政党としての「準備」は十分なのか、大丈夫なのか不安(uneasiness)はあるが、国民の期待、人気はそういった従来の政党概念を超えたところにあるのだろうから、しかし反動ムードに流されない国民の賢明な判断は怠(おこた)りのないようにしたいものだ。
 反面教師としての09年民主党による本格的政権交代があったばかりだ。

 (2)日本維新の会の意思決定方法もよくわからずに、今までのようにオーナー(owner)のまるで橋下さんひとりの意向で動くようなことになるのか、現在の大阪維新の会の同幹事長を務める松井大阪府知事とは意見の微妙な違いもよく見られて、公開の席で同席することも希(まれ)だ。
 オーナーの権限が絶大で面と向かってモノが言えないでは困るが、ひとりひとりが勝手に陰で好きなことを言い合っても困る、どうもオーナー(橋下)とナンバー2(松井)との関係もよくわからない。役割分担して真意を分散、意図的に発信しているきらいもある。

 (3)橋下さんの人気の高さは発言がエキセントリックではあっても、一見社会通念上の善悪の区分、区別のはっきりした断定型で、今まで理不尽、不条理であっても融通をきかしてきた社会悪に対して整然とあらためる実行力にある。
 自治体職員の職務中の特定思想の組合活動、選挙活動は公的組織(組合)の配慮から半ば公然と一般化していたものを、全体の奉仕者としての仕事と個人的な特定思想活動とを区別する正当論を主張し実行するところだ。

 その手法として職員の思想調査を実施し、また断りもなく(断っては効果がないことを理由に)仕事上個人パソコンのメールを勝手に閲覧調査するなどプライバシー侵害の強引な逸脱手法は問題となったが、社会通念、正義のパラダイム(paradigm)が崩れた現在社会では、小気味のいい判断、決断、わかり易い政治手法とも映って人気が高い。

 (4)これらは現在政治、社会の不条理性に対する反面教師、反動としての高い支持であり、けっしてコンプライアンス(compliance)でもなく、健全な思考、手法ではない。
 社会の不条理性に立ち向かう「心意気」がパラドックス(paradox)としてコンプライアンスを逸脱するアイロニー(irony 皮肉)だ。

 しかしそういう現在政治、社会に同化せずに毅然と世直しに突出する「心意気」は、今政治、社会に欠けている部分でもある。
 国民の信頼を失った既成政党議員の中には、日本維新の会の党綱領(維新八策)の政策精度を実現性のない絵空事と片付けるものもいる。

 (5)「1院制」、「議員の半減」、「首相公選制」など党綱領(維新八策)の具体的で裏付けのある実行プログラム、プロセスを提示できるのか、総選挙に対する「09年」の「反動」としての「期待」に応えなければならない時間はそうはない。

 さっそく、同綱領で謳(うた)った「企業、団体献金の禁止」は同国政政党の選挙資金不足から一旦棚上げ(党として受け取る)する意向のようだ。
 やはり結党「準備」の精度、情報公開・発信に「不安」はある。

 

 

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