いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

尖閣購入の意味。 what a meaning of island purchase

2012-09-12 19:40:19 | 日記
 (1)日本政府が日本固有の領土と主張して海保巡視船で事実上実効支配する尖閣諸島を、今更国民投資(税・寄付)20億円を使って国有化する意味などない。
 日本政府が民間地主から買い上げて国有化したところで、同じく領有権を主張する中国、台湾の主張が変わるわけでもなく、かって尖閣諸島を含めて安保体制の共同防御の役割と国務長官が述べた米国も、今ではどちらの主張も支持することなく日本と中国がよく話し合うことが大切だ(という趣旨発言)と言っているわけだから、事態が大きく変化、好転することでもないことははじめから明らかだ。

 (2)かえって、中国の攻撃的外交姿勢を強める理由、契機に使われて、外交、経済、交流、防衛と事態を複雑化、固執化、拡大させるだけの逆効果でしかない。
 尖閣諸島海域を含むEEZ(排他的経済水域)は海保巡視船レベルで事実上の実効支配をして、日米安保体制での米軍との軍事同盟関係も背景にあって、中国といえども容易に軍事的干渉もできない海域環境にある。

 これ以上この問題で国内問題として現実的事実関係の積み重ねをしてみたって、多額の国民投資をしてみても対外的にさして効果能力もない自己満足の浪費にしかすぎないことは明らかだ。
 日本政府の洞察力、分析力、検証能力の欠如を示す「政治力」の不足、欠如をまたも内外に示すだけのネガティブ・キャンペーン(negative campaign)でしかない。
 こうした日本の国際政治、社会での地位、評価の低下が悪循環として外交亀裂、論争問題に外国政府の高飛車な態度、姿勢となって反映してくる負の連鎖(negative spiral)の結果だ。

 (3)都知事による東京都の突然の尖閣諸島購入などとの理不尽(unreasonableness)で非常識(deficient in common sense)な発言に、この理不尽で非常識性に当たり前の適切に対応、対処しなかった政府の見識、判断には首をかしげるばかりだ。

 まるでこの「誘発」に乗せられた、乗ったかのように事態の分析、点検、検証もなく、目の前の島購入(island purchase)問題に引きずられるように東京都とメンツを争うように国有化を打ち出すなど、政府の稚拙で無軌道ぶりにはピエロ政治にしか映らない。現在政治の質の劣化、低下を見事に映し出す結果だけとなった。

 (4)これを意図したかは別にして、地方自治体、地域政党が国民に支持され元気な政治状況の中で東京都の強引で独善的な手法も厳しく指摘されなければならない。
 国政に関心の高い、不満を持つ都知事とはいえ、数百キロにも遠く離れた領有権問題で揺れる島を東京都が購入するという発想は理不尽で非常識なものであり(国民の支持は国政への不満のあてつけとして高かったが)、当然、事前に政府と交渉、相談すべきものであった。

 ここ(国内問題)でも政府の「政治力」欠如が、頭ごなしに当てつけられた格好となった。もはや日本の政治は土台から崩壊している。国民の審判でつくり直す必要に迫られている。

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