いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

憲法改正と日米安保。 constitution revision and security pact

2012-09-15 19:34:33 | 日記
 (1)尖閣諸島、竹島の領有権を巡る国際緊張を受けて、興味のある世論調査があった。新聞が実施した憲法に関する面接世論調査だ。
 日本国憲法は、米国の占領政策の円滑な遂行を目的として米国からの押し付け憲法というのが一般的な理解で、戦力不保持、主権在民に代表されるように戦前、戦中の軍国主義体制の復活を警戒し断ち切ったものだ。
 結果としての平和憲法としてその後日本の著しい経済成長、発展に寄与することになる。

 (2)憲法改正(constitution revision)の要件の高さから保守派議員からの自主憲法制定の動きはあっても、平和憲法は一貫して維持されてきた。
 その間、憲法解釈論に移行して、①自衛権の行使容認、②自衛隊の合法化、③PKO活動名目による海外紛争地域への派遣、④集団的自衛権まで容認する考え、⑤武器輸出解禁など実質平和憲法精神性をなし崩しにする国家戦略、方向性が加速している。

 (3)こういう国際関係、社会性の中で同世論調査では、憲法改正に65%が賛成としている。
 理由は「時代に合っていない」が60%で、「制定されてから一度も改正されていない」17%が続いてその状況を補完している。保守派議員がよく言う「米国から押し付けられたから」は10%と少数派だ。

 平和憲法がそれなりに社会に定着している現実感を示すデータだ。改正反対27%の内訳の「改正するほどの積極的理由がない」35%、「9条改正につながる恐れ」28%と合わせた「63%」が平和憲法の社会性定着を裏付けている。

 (4)9条改正については、56%が何らかの改正が必要だと回答している。戦力不保持改正を23%、戦争放棄、戦力不保持改正を20%、戦争放棄改正を8%と合わせて平和憲法の精神性改正を「51%」と過半数が求める結果となった。

 沖縄米軍基地、領有権問題が影響していることが考えられる。保守派の憲法改正論議員が多い自民党は憲法改正草案では自衛隊を国防軍と踏み込んで明記した。

 (5)9条問題は、日米安保条約とも連動して国防の重要政策問題でもある。当初は過去侵略歴史への警戒、占領政策から自衛のための戦力も不保持論から、米国との軍事同盟による安保体制で領土、領海、領空の安全を守る制度、政策だった。
 
 沖縄での米軍基地問題、最近の領有権問題が、9条が「時代に合っていない」(60%)と感じる意識変革につながっているのではないのか。

 (6)しかし、現実問題の「実力」解決を目指す憲法改正などはさらに近隣アジア諸国とのあつれき、摩擦を増長するだけで、さらに日米安保体制の米国との関係悪化、調整難行を招いて、国際関係上身動きがとれなくなるだけだ。

 憲法問題に対する考えを国政選挙の判断にすると71%が答えており、候補者、政党による現在、未来を洞察した説得力のある安全保障政策(security policy)、方針の提示が求められている。

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