いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

中国とどう向き合うか。normalization of diplomatic relations in JPN & PRC

2012-09-28 19:34:45 | 日記
 (1)理由の如何(いか)んにかかわらず、かっての日本の軍事政権が中国本土に侵攻して侵略戦争を仕掛け、多大の被害を及ぼしたのは事実だ。この歴史の反省と清算の思いに立って40年前の1972年に日中国交正常化(normalization of diplomatic relations in JPN & PRC)が結ばれた。

 「日本」は米国の押し付けとはいえ歴史反省の平和憲法のもとに戦力不保持を宣言し、自由貿易民主主義国家として再生し、「中国」は共産主義革命で一党独裁国家として統制計画経済のもと広大な国民と国土を統治支配する国となっていた。

 日中国交正常化といっても、政治、経済、社会の原理原則が「正反対」ともいえるほどの「両極」の、しかし同じ東アジア圏の存在感のある国同士として協調発展のために「禍根」の歴史を乗り越えての国交正常化であった。

 (2)それから40年経て今や日本を抜いてGDP世界2位の経済発展国としての新興国を代表する中国と日本は禍根の歴史問題、領有権問題で激しい対立をくり返している。
 40年前の禍根の歴史問題を乗り越えて国交正常化を果たした両国の指導者、政府は当然のように変遷をくり返して、「中国」は共産主義一党独裁国のまま経済発展国として軍事力強化のもとに東シナ、南シナ海に影響力を拡げる戦略を展開し、「日本」では3年前にはじめて本格的政権交代で民主党政権が誕生した。

 ともに政権基盤、とりまく国際情勢の変化、変遷の中で40年前の国交正常化の精神性は今や霧散している。この歴史「現実観」を日中両国は関係正常化の模索の中で正しく理解、認識する必要がある。今更の中国の強硬姿勢などに驚いてはいられない。

 (3)もともと日本と中国の政治体制の違いは「両極」の開きの中からの「国交正常化」であったのだ。当時の両国の指導者は主権にかかわる政治問題は「しばらくは放っておこう」、「20年、30年は棚上げしていい」(報道)との認識のもとでの国交正常化だった。

 (4)この両国の国交正常化精神性を「打ち砕いた」のは、特徴として「靖国神社の首相参拝問題」と「尖閣諸島の国有化問題」との軽率で思慮に欠けた日本政府からのダメージアタック(damage attack)が誘因だった。

 両問題ともに現状に波風をたたせずに対応する方法、つまりそれまでの「現状認識」を維持するだけで日本に何も「不利益」になるものはなかっただけに、当時の今の日本政府の対応のまずさが責められるべきことだ。

 (5)中国の外交発信が過激になるのは、すべてが「国内問題」であり「国内向けメッセージ」発信による統治行為の性質を持つものだからだ。
 12億人の国民と広大な国土を統治する方法は、国外からの圧力、国際問題を国内向けに(ある意味都合よく統制管理して)発信して国内の鬱積(うっせき)した反抗エネルギーを海外に向かわせる、発信する手順で「国内問題」にスパイラルするやり方だ。

 この中国と日本がどう向き合うかは、40年前の政治両極化の中での国交正常化に戻ってよく考えることだ。

 

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