いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

びわ湖ホール。 tulip memorial concert 2012

2012-09-10 19:40:04 | 日記
 「チューリップは本当にめぐまれたバンドといいますか、おもしろいバンドだと思います。学生時代にできたバンドですので、今でも集まればそんなノリでやれています。」と財津和夫さんが今日のチューリップコンサートの中で語っています。
 
 紫式部、清少納言が歩いた、かもしれない滋賀県芸術劇場びわ湖ホールに来ています。すぐ目の前がなまあたたかい湖(しお)の風、たおやなか水面(みなも)のびわ湖です。チューリップ40周年コンサート「ザ・ライヴ」です。
 40年経ってもほぼオリジナルメンバー5人だけで多様で多作の自作曲を演奏し、歌うニューミュージックをリードしてきた稀有な実力派バンド・チューリップのコンサートです。

 午後5時にびわ湖ホールに入場します。木造りのビンテージ(vintage)、オペラハウス仕様の2F~4Fがバルコニー席で満員の聴衆がつめかけています。
 5時30分すぎにホリゾンタル(horizontal)からのブルーライト数十本のスポットライトに浮かんだステージにチューリップの5人が登場し、「夏色のおもいで」でオープニングです。
 ステージ向かって左から黒のジャケットに濃紺のデニムパンツ、赤靴にキメて安部俊幸(G)、黒系統の長そでシャーツスタイルの姫野達也(V G Pf)、赤いシャーツの上田雅利(Ds)、淡いグレーのシャーツにヒザポケットのついた黒のスラックスの財津和夫(V G Pf Harmonica)、ブルー系統のシャーツの宮城伸一郎(B)です。

 1部はマイクかアンプのコンディショニング(エコーをかける曲調もあったが、全体としてエコーかけすぎではないか)、アレンジ、アンサンブルが悪くて聞きずらく、構成が中途半端で消化不良のところありで、しかし15分休憩をはさんだ2部はアンサンブルもよくなって聞きごたえのあるチューリップのライヴの音楽性の高さの本領が十分に発揮されたステージとなりました。

 1部での財津和夫さんの「おいらの旅」は、初期の若いチューリップの財津メロディの型破りの音楽性、特徴がよく出たロックンロールで、今聞いてもとても新鮮でチューリップ音楽色のよくでた楽曲となりました。「Mr.プレスマン」も同じ想いの財津ロックンロールで、ロック(ンロール)してる財津さんはいきいきして見せていいですね。
 「置いてきた日々」、「セプテンバー」は定番曲ですが、財津メロディの流れるように揺れてスピード感のある特徴の良く出た楽曲で、財津さんの歌のうまさがチューリップの財津サウンドの初期のシンプルな香りを運ぶ聞きごたえ感があります。

 生ギターコーナーで安部さんがただ1回歌った「思えば遠くへ来たもんだ」では、財津さんが等身大はあるかという「拍手」と書いたプラカードを客席に2度掲げて催促しました。

 15分の休憩のあと、「the Halo」でオープニングです。「誰が地球をこわしたの」と震災日本への想いを込めて財津さんが歌ったのではないのかと思わせます。
 「ブルースカイ」は財津さんの響く高音のきれいなすばらしい楽曲になりました。発声のむずかしい言葉(lyrics)とメロディの歌ですが、財津さんが力強く、裏テンポ曲を軽快に歌い切りました。
 「風のメロディ」は姫野さんと財津さんの歌のかけ合い、転調のきいたサビを財津さんの高音が強く力強く響かせ聞かせます。
 「失くした言葉」は姫野さんのギター、ボーカルをチューリップのコーラスワークが昇華した叙情詩的なアクセントのある曲にしました。風見鶏と同じ想い(フレーズ)がします。

 「青春の影」からブルーライトを基調としたステージライティングがきれいにステージを映します。

 「ぼくらチューリップは本当にめぐまれたバンドといいますか、おもしろいバンドだと思います。学生時代にできたバンドですので、今でも集まればそんなノリでやれています。
 よく例(たと)えで言うんですが、甲子園出場を目指す高校生の野球チームのようにやってきて、そういうつもりもなかったんですが、甲子園を目指す野球チームがいつのまにかそんなつもりになってしまって、5人とも違ったおもしろい個性を持って、監督のいないチームはばらばらでございますが、楽しくやらせてもらっています。
 バンドも3年ぐらいがいいかなと思っていましたら、いつのまにかそのまま大人になってしまいまして7年目ぐらいでしょうか、そろそろチューリップも潮時かなと思っていた時に、79年にこの歌がヒットしてくれまして、またコンサートを続けるようになりました。」と財津さんがコメントしての「虹スニ」は、これぞ財津サウンドという曲、歌、演奏のすばらしい楽曲になりました。

 「someday somewhere」、「shooting star」とブルーライトを基調としたステージライティングもますますきれいでチューリップの歌、演奏が映(は)えます。
 「心の旅」でチューリップの5人は一旦ステージを降り、アンコールでの「夢中さ君に」で財津さんはリッケンバッカーのネオンギターで演奏しますが、あれこれ財津さんがギターピッチをさわっていましたがギターネオンが点灯したのは最後の最後の小節で肩透かしとなりました。

 「ザ・ライブ」は2回目のステージ、これから来年にかけて40ステージ、財津さんのことです、チューリップのアンサンブルをさらに至高(ultimate)へと高めていくことになるでしょう。

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