オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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大阪レゲエ紀行(3) DAY 1・午後その2:KINACO(日本橋)

2019年03月24日 21時26分34秒 | ロケーション
【午後その2の予定】・KZさんとシルバーボールプラネットで落ち合い、その後一緒にATARIのオリジナル筐体を収集して稼働している「KINACO」に行く。
以上。

【心斎橋:ザ・シルバーボールプラネット(アゲイン)】
ホテルの部屋で、スマホへの充電を兼ねて撮影した写真をバックアップのためにPCに取り込んだ後、再びシルバーボールプラネットに向かう。まだ多少時間があったので、「SPACE SHUTTLE(Williams, 1984)」を始めたら、これが何と100円で4ゲームのサービス台だった。さらに、右のアウトレーンに落ちたボールを救済するゲートが開きっぱなしで難度が落ちている(これは敢えてそうしているとのこと)上、リプレイとなるスコアの設定も低いので、ゲームがなかなか終わらない。それどころかクレジットが増える事さえあり、KZさんが到着した時もまだ4クレジットも残っていた。

KZさんは、ワタシとは初対面となるご友人を一人お連れになっていたので、3Pプレイにしてクレジットを使い切ろうとしたが、皆さんも上手なのでいくらやってもクレジットが減らない。やむなくゲームを始める状態から電ブチしてクレジットを消して、KINACOに向かうことにした。「KINACO」とは、米国ATARI社の、オリジナル筐体の状態にあるビデオゲーム機を集めたゲーセンである。オープンは2014年の秋とのことらしいのだが、ワタシがここを知ったのはつい半年ほど前、SNSを通じてのことだった。なんたる不覚。

【日本橋:KINACO】
KZさんたちと電車に乗り、KINACOに向かう。どこかで一度乗り換えて、「大阪の秋葉原」とも形容される「日本橋(にっぽんばし)」の最寄り駅「恵美須町」という駅で降りたのが午後4時頃。駅から地上に出て目の前を通る幹線道路「堺筋」では、この日大規模なコスプレイベントが行われていたらしいが、我々が到着した時には既に終了しており、お祭り騒ぎは沈静化していた。僅かに、駅から「KINACO」までの道すがら、時々コスプレイヤーを見かける程度だった。5分ほど歩くと、KINACOが見えてきた。


KINACO外観。一軒家の1階の右半分で、左半分はラーメン店になっている。以前は何かの商店だったのだろうか。半ば閉じかけたシャッターで開店を怪しんでいるのか、アベックが中の様子を怪訝そうにうかがっていた。


 
KINACO店内。入り口から奥を見たところと、奥から入り口を見たところ。奥行きはあるが幅が狭い店内の左右に、アップライトのゲーム筐体が並ぶ。

今回、この「KINACO」にワタシが最も期待していたのは、白黒のベクタースキャン方式のビデオゲーム「LUNAR LANDER (1979)」だった。上空を飛行する月着陸船の着陸点を判断し、限られた燃料で船の姿勢とロケット噴射を調整して、月面の平地に軟着陸させることが出来れば成功となる。




LUNAR LANDERの筐体(画面は嵌め込み合成)とコンパネ部分。


LUNAR LANDERのゲーム画面。

アポロ計画をリアルタイムで見てきた世代のワタシにとって、LUNAR LANDERはとてつもなくカッコ良く見えた。高度と水平方向/垂直方向の速度の事務的な表示にも痺れて、ハマった。ゲームを続けていくうちに、重力の強さと大気との摩擦という外的条件が異なる4種類のゲームモードをゲーム中に適宜切り替えることで、消費する燃料を節約するという裏技も発明した。

果たしてKINACOに、LUNAR LANDERは設置されていた。しかし、電圧が不安定だかなんだかですぐにヒューズが飛んでしまうということで、電源は切られていた。残念がるワタシを見てKZさんが動いてくれた。KZさんはKINACOの店主とも親しいらしく、何とか動かすことはできないかと掛け合ってくれた結果、応急的な処置をすれば短時間なら動かせるかもしれないと言って、キャビネットを引き出して修理をしてくれた。しばらくして、「とりあえず治ったけど、いつまた飛ぶかわからないからモタモタはしていられないよ」と言ってくれた。

喜んで100円硬貨を投入すると、900の燃料が加算された。昔は750が標準的だったので、「良心的価格設定」だ。ワタシはかつて、その750の燃料で3回軟着陸を成功できたものだったが、今はゲームの要領をすっかり忘れてしまっていて、結局一度も軟着陸はできなかった。しかし、約40年ぶりにまたオリジナル筐体で遊べたことはまったくもって感激の極みで、これで大阪まで来た甲斐があったというものだ。

ワタシがプレイを終えて少し後に、懸念されていた通り電源が飛んだ。こんな不安定なものを無理やり動かしてくださったKINACOの店主さまと、掛け合ってくれたKZさんとご協力くださったご友人の皆さんには心から感謝いたします。どうもありがとうございました。

「ATARI」の最盛期と言えるのは、事実上の初の商用ビデオゲーム機「PONG」が発表された1972年から1980年代中ごろまでだと思う。90年代にはその名前を聞く機会も少なくなり、2000年代にはほとんどなくなってしまった。それにもかかわらず、今さらながらKINACOというロケができ、そのKINACOを訪れる人が絶えないほど、今も「ATARI」の名とロゴは強い光を放ち続けている。

【KINACO・ゲーム機リスト】(リスト漏れの機械が若干あるかも)
(ATARI製のゲーム)
・LUNAR LANDER (1979)
・Asteroids(1979)
・Missile Command(1980)
・Tempest(1981)
・Black Widow(1982)
・Gravitar(1982)
・Quantum (1982)
・Star Wars: The Empire Strikes Back (1982)
・Major Havoc(1983)
・Paper Boy(1984)
・Marble Madness(1984)
・Peter Pack Rat(1985)。
・Road Runner(1985)
・720°(1986)
・Race Drivin' (1990)
・Rampart(1990)の筐体に入ったKLAX(1990)
・Pit Fighter(1990)

(ATARI以外のゲーム)
・STAR TREK(sega, 1983
・Robotron 2084(Williams, 1982)
・Punch Out!! (Nintendo, 1984)

レゲエファンには強くお勧めしたいロケだが、原則として日祝日しか営業していないので、事前にSNSなどで営業時間を確認しておきたい。ここではKANACOのfacebookを紹介しておく。
https://www.facebook.com/kinacogames/
大阪市浪速区日本橋5-10-14

(「DAY 1(4)・午後その3」 につづく)

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2 コメント

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Unknown (道草亭ペンペン草)
2019-04-06 07:45:04
KINACO是非行った見たくなる店ですね!
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Unknown (nazox2016)
2019-04-07 01:16:00
そうでしょう。この近辺は、オールドゲームが好きな人にはたいへん楽しいところです。チャンスがあればぜひお勧めします。
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