オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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初期の国産メダルゲーム機(8) タイトー1975

2019年07月28日 20時42分01秒 | 初期の国産メダルゲーム機
拙ブログでは、昨年の3月に「 初期の国産メダルゲーム機」というシリーズを始めて、およそ2か月間、7回にわたって、1974年から76年くらいまでに国内で開発されたメダルゲームについて述べて参りました。(参考:記事一覧・初期の国産メダルゲーム機

その中で、特にセガとユニバーサルについてはそこそこ詳しく述べているのですが、もう一つの主力メーカーであったタイトーについては、積み残したまま1年以上が経過してしまいました。なぜそんなことになったかというと、タイトーの初期のメダルゲーム機についてはあまり資料が無く、またワタシ自身の記憶も、正直なところあまり無かったからです。

しかし、その後いくらか資料が集まってきたこともあるので、まだ不完全な思いは残りますが、この辺でひとまずのカタを付けておこうと思います。

タイトー初のメダル機が何であるのか、実は定かではありません。しかし、過去記事「大阪レゲエ紀行(5) DAY 1・午後その4:大阪某所にて69年製エレメカと出会うの巻」に登場する「KTさん」という方からいただいた、1975年の初春に頒布されたと見られる「タイトー・メダルゲームマシン 価格一覧」には以下の6機種が記載されています。カッコ内はワタシが付けた注釈です。

・ダークホース(5人用電光競馬 210万円)(関連記事:初期の国産メダルゲーム機(4) 競馬ゲームその2・1975年の競馬ゲーム
・デッドヒート(6人用ビデオカーレース 170万円)
・シーソーボール(8人用 160万円/中古90万円)
・ギャラクシーフォールス(8人用プッシャー 96万円)
・グランドフォールス(6人用プッシャー 120万円/中古90万円)
・ゴールデンカップ(3人用プッシャー 85万円)

業界紙「ゲームマシン」1975年2月28日号(第17・18合併号)によれば、タイトーは1975年の2月14~15日に本社ショウルームでプライベートショウを開催し、全部で約35機種を展示したとのことですが、そこでは上記の6機種のほか、

・カラービンゴ(5人用)

も出展されたと述べられています。しかし、なぜかこの機種は、その後しばらくの間、塩漬けとなったようです(関連記事:カラービンゴ(タイトー)の発売年の謎)。

やはりKTさんからいただいたデジタル資料で、上記価格表の少し後に作成されたと思われる「メダルゲームマシン総合カタログ」には、

・ギャラクシーフォールスデラックス
・グランドフォールスツー

の2機種が更に追加されています。このうち「ギャラクシーフォールスデラックス」は、ワタシにとって長年幻だった機種で、過去記事「プッシャーに関する思いつき話(6):日本のプッシャー」で「筐体上部の投入口からピンパネルに投入されたメダルはまず階段状のプレイフィールドを落ちていくのですが、場合によってはメダルはそこで滞留し、最下段の本来のプレイフィールドまで落ちないというもの」と述べている機種が、まさにこれのことでした。

本当ならば、価格表や総合カタログの画像を掲載したいところではありますが、頂き物を大きな顔をして掲載することにいくばくかの後ろめたさを感じるところもあるので、ワタシの手持ちの資料から、3機種のフライヤー画像を掲載することでご容赦いただきたいと思います。


ダークホース。ゲーム詳細は「初期の国産メダルゲーム機(4) 競馬ゲームその2・1975年の競馬ゲーム」を参照してください。


デッドヒート。ワタシはこの機種をゲーセンで見た覚えが無い。筐体を見ると6台の車のレースを単勝式で当てると言うだけのように見える。画面のソフトは、時期からして、タイトーの大ヒットビデオレースゲーム「スピードレース」を応用しているのだろうか。


ギャラクシーフォールス。その後に出たと思われる「ギャラクシーフォールスデラックス」とはゲーム性が異なる。