大黒さん

つれづれに、道行く人のながれを眺めている土塀のうえの大黒さん

地元民が潤わぬ開発

2008年06月23日 | Weblog




中国政府は、沿岸部と奥地の西部地域に住む住民との

間の所得格差を縮小することを目的とした、2000年の

「西部大開発」政策の下で、西部地域では大規模な

インフラ整備事業が行われてきました。

しかし、実態は地方に住む少数民族の生活を潤すどころ

か、むしろ、民族間の緊張を煽り、緊張を高める結果を

招いていることが、顕著になってきています。

2006年7月に、青海省とチベット自治区の経済発展に

備えて、鳴り物入りで完成させた青蔵鉄道(青海チベッ

ト鉄道)では、この鉄道の完成が、ソフト面の政策が

欠落しているために、チベット民族と漢民族の対立を

決定的にした典型的な例です。

チベット自治区の省都ラサや沿線には、鉄道の開通と

共に多くの観光客が訪れています。

しかし、観光客を対象にした観光事業やホテルなどの

大きな事業は勿論のこと、小規模な土産店やレストラン

も殆どは、移住してきた漢民族が独占し、ただでさえ

少ない仕事を、地元民と争うことになっています。

中国政府が、アフリカなどの諸国へ行う援助事業など

でも、しばしば問題になる中国民の居残りと事業独占の

構図と同じです。

援助の事業が完成し、引き渡された後も、一緒にやって

来た中国人が居残って、関連する事業や商店などを

開いて独占し、地元国民が潤わないという現実です。

新疆ウイグル自治区に数十億ドルかけて建設された

パイプラインも、採掘したガスを4000キロも離れた

沿岸都市に送るだけで、地元のウィグル族などのイス

ラム教の住民には配当は無く、不満のガスは溜まる

ばかりの状況になっています。


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