大黒さん

つれづれに、道行く人のながれを眺めている土塀のうえの大黒さん

民族間の所得格差はむしろ拡大

2008年06月22日 | Weblog




中国全土で見ると、経済規模の下位10位の行政区の

うち、9つが西部地域にあります。

依然として、昔ながらの農業が主体の西部地域では、

所得も低いままで、人口の大多数を占める少数民族は

漢民族たいする不満や怒りを募らせています。

「西部大開発」の政策の御旗の下、インフラ整備に備え

開発事業と共に、大勢の漢民族が移住してきて、道路

鉄道、空港、ダム発電所などの工事では、高給な仕事

を独占し、地域に密着する商店や飲食店などの小規模

な事業も、漢民族が主体で立ち上げています。

工業地域や都市部では漢民族が、農村部には依然と

して少数民族が生活する構図は変わらず、民族間での

所得格差の実態は、もっとひどい状態になっています。

チベット自治区の農村地域の所得は、393ドルで都市

部の1/4、新疆ウィグル自治区で、444ドルとチベット

自治区とほとんど変わらない状況です。

中国政府が発表する評価に対して、現実にその地域に

すむ少数民族の人たちにとっては、満足な仕事にも

付けず、依然として変わらぬ所得水準に置かれ、漢民族

との格差は開くばかりという実態があります。

このような土壌があって、チベット民族による漢民族

支配に対する抗議行動が発生したのでした。

さらに、5月の四川大地震は、校舎の倒壊に見られる

ような杜撰な手抜き工事などに対する抗議や、日頃の

漢民族支配に対する不満も鬱積しているため、一触

即発の状況にあり、オリンピック開催に浮かれている

環境では、決してありません。


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