『 東京都が1000億円を出資して設立した新銀行東京(千代田区)の昨年12月末現在の融資先約1万3000社のうち、業績が赤字だったり、債務が資産を上回る債務超過に陥ったりしている企業が4割超の5635社となり、融資額は415億円に上ることが11日、都の調べでわかった。‥
都によると、赤字企業は1671社(156億円)、債務超過の企業は1886社(106億円)で、赤字経営で債務超過に転落している企業は2078社(153億円)に上る。昨年9月末時点では、新銀行の融資・保証残高(2856億円)の約1割が不良債権とされたが、今回判明した赤字・債務超過企業への融資は、残高と比べると約14%を占める。 』・・
○「私が社長ならもっと大きくしていた」 新銀行東京問題で石原知事
『 都議は、「あなたが会社の社長だったら1000億の大穴をつくれば即辞任、法的にも責任が問われる。知事の責任についてどう思うのか」と糾弾。
石原知事は苦笑いを浮かべながら「端的に申しますと、最初から私が社長だったらもっと大きな銀行にしていましたよ」と切り返した。 』・・
僕は経済オンチでして、経済の素養がまるで無く、経済のことはよう解らんのですが、この新銀行東京を起こした主旨は、弱者救済の志で、とても良いことのように思えるんですけど。
日本経済の国際的な顔は、トヨタやパナソニック・ソニー等等に代表される、有名ブランドの大企業ですが、日本経済の土台を支えているのは、日本企業の九十数パーセントを占める数の、中小企業でしょう。
今現在の日本経済のシステムの中では、中小企業は、大企業にコストを叩かれ、生き残りがとても厳しい。大銀行たちは全て、中小企業に貸し渋りをして、たくさんの中小企業はいつ倒れるか危うい中で、ぎりぎり生存を続けている。無論、バタバタ倒れ行く中小企業も後を絶たない。
中国、東南アジアの経済が活発になり、新興アジア経済が豊かになれば、富は移動するものだから、日本の大企業がその顔を保てば、しわ寄せは日本の大多数の中小企業が被り、中小企業はとても苦しい中で生きている。グローバル化後の、今現在の経済システムが、中小企業にとって、非常によろしくないのだ。
自分さえ生き残ればいい大銀行は、冷たく零細な中小企業を見捨てる。その、息絶え絶えな中小企業に救いの手を差し伸べ、無担保で融資するなんて、まるで慈善事業の善行のようなことを、新銀行東京は行ったのだ。と思う。僕なんか、これはまるで、鼠小僧次郎吉を彷彿とさせた。新銀行東京は、義賊の泥棒ではないけど。今現在の経済システムの、虐げられた弱い者を救う志ではないか。単純には、あっぱれな行為だと、喝采したくなる。
東京都には大田区をはじめ、零細な町工場や小さな会社がものすごく多い。新銀行東京一つが慈善事業みたいな善行をほどこしても、今の経済システム下では、しょせん焼け石に水なのかも知れない。
大企業、大銀行が中小企業を守らず、すぐに見捨てるとしても、自分たちが生き残るのに必死な状況なのかも知れない。20世紀まではアジア圏の経済は日本の一人勝ちだったんだろうが、中国を代表とする他のアジア諸国の経済の台頭に、富の移動の法則から、日本は押されて苦しい立場になったんだろう。それでなくともNO資源国だから。
でも日本経済の土台を支えて来た、町工場を代表とする中小企業は守らねばならない。新銀行東京の意志は立派なんだと、思うんだけどなあ。
僕は冒頭で言った通り、経済はさっぱり解らない人間です。だから、新銀行東京の件もこれ以上のことはよく解りません。またここに開陳した僕の理屈も、本当に正しいのかどうかも、僕自身にはよく解りません。ただ僕は単純に弱者救済の心意気は好きだなあ。
「俺は、君のためにこそ死にに行く」のような映画は嫌いだけど、今回のこの件に関しては、石原慎太郎さんには言及しません。