『 タレントのルー大柴(54)が22日、東京・銀座福家書店でエッセー「男の落とし前-奇跡の大復活の真実-」(講談社刊)の発売サイン会を行った。
同書では、ルーがどん底から昨年再ブレークを果たすまでの軌跡をつづっている。
「マウンテン(山)があれば、リバー(谷)もあるのが人生。トゥワイス(2回)ブレークできたことがうれしい」と感無量の表情。1月に所属の浅井企画を退社し、マネジャーが設立した新事務所へ移籍したが「私自身は変わっていません。夢をあきらめなければかなうと、伝えたい。50代、60代の方にも読んでいただきたい」と話した。 』 ・・・
どーも、これは何か、麒麟・田村の「ホームレス中学生」の成功の、柳の下の二匹目ドジョウ狙い、のよーな気がしてしまう。決して恵まれない生い立ちや下積み時代の苦労話などの自伝本は、麒麟・田村だけでなく、その手の本を出版したタレントは、多分、けっこういっぱい居るんだろう、と思う。
漫才コンビ、麒麟が相方、田村裕の今時珍しいような貧しい少年時代の苦労話を、漫才のお笑いネタにしたところ、ウケて、その内容を自伝本で出版してみたところ、これが奇跡的な大ヒットをした。麒麟・田村の印税は2億入って来るとか言ってたっけか。
「佐賀のがばいばあちゃん」シリーズの奇跡的メガヒットや、この麒麟・田村の「ホームレス中学生」のビッグヒットのように、日本人て人情に訴える貧乏した苦労話が好きなんですね。それと、「がばいばあちゃん」も「ホームレス中学生」も悪い人が出て来ないじゃないですか。貧乏で苦労している人は何人も出て来ても、嫌な人間が出て来ない。ここが万人にウケる秘訣かなあ。
「佐賀のがばいばあちゃん」の主人公の母親が他に男を作って、邪魔な子供を実家に預けた、なんてエピソードは何処にも出て来ないし、お母さんはお母さんで一人で一生懸命頑張っている、ということになっている。「ホームレス中学生」の中の父親が新しい恋人が出来て子供らが邪魔になって女と逃げた、とかいうエピソードではなく、生活を続けて行くことがどうにもならなくなって解散宣言をしたお父さんは、決して悪人には描かれてはいない。こういう大ヒット実話本では、自分さえ良ければいいという金欲・情欲的に醜い人間が出て来ない。みんな許し合い、みんな貧しいながらも知恵を出して助け合う、という悪人が出て来ない話になってるんですねえ。ここんところがビッグヒットする秘訣のような気がする。
だから、子供時代に実の母親と同居の愛人の男に、毎日ひどい虐待を受けていた、とか、少年時代から信頼した人に騙されて強制的に労働させられていた、とか大好きになった女の娘には実はからかわれていて随分貢がされた、とかいうようなあまりに悲惨な話はウケないんじゃないかなあ。エピソードの中に人間のどろどろした金欲・情欲があふれるような、とても嫌らしい登場人物が居るような、そういうひどい苦労話は。それと、起死回生の逆転があって、最終的に幸福になってないと駄目ですね。最後にはかなりの大逆転で成功して、かなり良いポジションに居ないと駄目みたいですね。
だからどーも、このルー大柴さんの自伝本は、麒麟・田村の二匹目ドジョウ狙いを地で行ったよーな気がする。まあ、苦労話の本が売れればけっこうなことで、こういう本はひょっとしたら読んだ人に本当に勇気をもたらせるのかも知れないし。浅井企画というと、萩本欽ちゃん、関根勤さん、小堺一機さんと錚々たるメンバーの居る事務所ですけど、ルー大柴さんの専属マネージャーの独立に伴う移籍は、事実上の立ち上げ独立なんじゃないのかなあ。詳しい事情は知らないけど。
僕は、芸風としてはあまり好きなものではないなあ。アクが強くてギドギド脂っぽいオヤジで。僕には、ルー語なんて馬鹿馬鹿しくてあんまり面白いとは思わないんだけど、何でも女子高生たちに超ウケらしい。54歳の実年世代オヤジのBlogが、女子高生を中心に若者に大人気なんだとか。解らないもんだよねえ。
僕は幼少時にモノクロテレビでトニー谷さんてコメディアンを見ていたけど、多分、ルー大柴さんの芸風のルーツはトニー谷さんなんだと思う。流行は周期を持って繰り返えされますしね。赤塚不二夫のイヤミ氏のモデルになったというトニー谷さんは、そろばん片手におフランス言葉といいつつ、英単語混ざりのリズムに乗った変な喋りを芸風にしていた。トニー谷とルー大柴は、雰囲気的にはかなり違ったものになってるけど。
何でも、「もんじろう」という言語変換サイトの中に、ルー語に変換するソフトがあって、ここではどんな文章もルー語に変えることが出来るらしい。このサイトで一番人気は、武士語変換で、そういえば女子高生に、武士語メールが流行してるって聞いたから、その流れで、二番人気のルー語が若い女の娘にウケてるんでしょうね。「ルー語大変換」て本も売れてるのかな。