うろ覚えライフ。

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少年のアビス

2023年01月18日 | 漫画ログ

 「少年のアビス」は、第1巻は電子書籍コミックス単行本で読んだんだけど、1巻に収録された第7話の続き、「少年のアビス」第8話からはネットサイトのジャンププラスで1話ごと、お金払って読んで来た。お金ってサイトで買ったポイントだけど。

 ジャンププラスの中には無料漫画もいっぱいあるけどね。現に「カラダ探し 異」は最新話までオール無料で読んで来た。

 「少年のアビス」は作画·峰浪りょう氏のリアリティーのある青春漫画。青春ものと言っても、主人公はモロ“陰キャ”であり、全体的トーンは暗く重い。ボーイミーツガールも「一緒に自死しよう」という、先に絶望しかない男女の出会いだし。夢も希望もない少年と、心の中が空っぽで何で生きているのか解らない少女の出会い。

 「少年のアビス」のベース設定は、前に全巻読んだ、押見修造さんの「悪の華」と同じものがある。何にもなくて、そこに縛り着けられた、生まれ育った故郷である地方の田舎から抜け出したい、という願望。

 「少年のアビス」と「悪の華」の舞台は、何にもなくて縛り着けられた田舎、だけどストーリーや内容はまた違うんだけどね。「悪の華」の方が登場人物の動機が観念的で“青春期の衝動”みたいなものなのが、「少年のアビス」の方がもっと生々しい。主人公の置かれた環境がキツい。

 「悪の華」の主人公たちには、それが最終的に死へと向かわせる、衝き動かされる、爆発的な青春期の衝動が大きいけれど、「少年のアビス」の主人公は現実的な生きる環境の絶望感が大きい。

 「少年のアビス」は2023年1月現在、ジャンプコミックス既刊11巻で、僕はずっとジャンププラスで1話づつ読んでて、第29話まで読んだからコミックス単行本換算でだいたいコミックス4巻まで読んでることになるのかな。まだまだ、これから主人公たちは恨めしき故郷を出て東京へ向かうんだろうけど、僕の読んでるトコではそれもまだ先だな。

 押見修造さんの「悪の華」全11巻を読んだ後、僕は「この漫画は文学的だなぁ」と感動したけど、シングルマザー家庭で母親が働き、祖母の介護をして兄は引き籠りという貧困家庭で、苛めのパシリ扱いされながら成長する高校生の“陰キャ”少年が、一生田舎暮らしかと夢も希望もない、黒色に近いような灰色状況から、自死も考えながら何か希望を掴もうと足掻く、リアリティーある青春譚「少年のアビス」もまた文学的だな、と思う。

 「アビス」ってどういう意味か解らなくて調べたら、直訳は「深淵」「地獄」「奈落の底」「混沌」っていう意味なんだな。

 


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