うろ覚えライフ。

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漫画「ヒル」

2023年02月12日 | 漫画ログ

 「ヒル」という漫画を読んで、今の世の中、実際にこういう人たちっているのかな?多分、本当にいるんだろうな、と思った。

 でも、実際に居住主が存在するマンションやアパートの一室に、昼間居住主が不在の間に部屋に侵入して、風呂を使ったりベッドで寝たり、なにがしか食べ物を拝借したり化粧品などを使うのは、絶対にバレるだろうな、と思う。

 テレビやオーディオやドライヤーなどを使ってもバレないかも知れないけど。

 主人公の女の子の育った家は、父親が帝王然と君臨して母親は化石のように固まってしまい、父親に完全従属していて何も言わずに黙々と家事をこなす。主人公の女の子は日常的に父親の虐待暴力を受けている。弟は要領が良く、何とか父親の暴力をかわして生活し、姉を軽蔑している。

 中学三年生くらいだろうか、高校生になってたのかな、主人公の女の子は家を逃げ出す。都会へと逃げるための長距離バスに乗るが、確か自動車事故で谷底に転落して大破炎上したと思ったがな。

 何しろ「ヒル」のコミックス1巻を読んだのがだいぶ前で詳細は忘れてしまった。

 主人公の女の子は死亡扱いになってしまったんじゃなかったかな。

 主人公の女の子は大都会に出て、1文無し生活で、都会のマンション·アパートの各部屋の鍵を何とか手に入れて、事前に調べて居住者が独身者で昼間は働いていて部屋に不在であることを確認した上で、部屋に不法侵入して居住主のいない間に冷蔵庫内の食品など部屋にある食べ物を食べて、勝手に部屋の物を使い、シャワーを使ってベッドでくつろぎ、居住主が帰宅する前に部屋を立ち去る。

 バレなければ何日か昼間、部屋を使うが勘でバレそうだなと思ったら部屋を変える。次々、都会のマンション·アパートの部屋を侵入して行って窃盗的な犯罪を繰り返しながら生きて行く。

 こういう、住宅侵入窃盗犯罪者たちを隠語で“ヒル”と呼んでいる。他人の住宅や食べ物、持ち物を勝手に使って寄生虫のように生きる様が、吸血虫のヒルに似ているからのようだ。

 漫画の中では、この住宅侵入窃盗犯罪者はけっこういっぱい存在していて、中には勝手に縄張りを決めてて、自分たちヒル仲間の縄張りを荒らす者たちを始末して行く凶悪犯罪者も存在する。

 僕はまだコミックス3巻の半分までしか読んでないけどね。主人公の女の子の危機に助けてくれる、“ヒル”組織の殺し屋少年は、何と主人公女の子の小学校だったか中学校だったかの同級生だった。この少年も死亡したことになっていた。しかも中学生時に。

 あと中国の一人っ子政策時代に秘匿して生まれて来た中国の戸籍を持たない黒孩子(ヘイハイツ)の少年なども登場する。中国に戸籍制度があるのかどうか知らないけど、親が政策に違反して生んだ、いわゆる闇っ子だから中国国民としての権利などのない、幽霊中国人みたいな扱いなのかも?当然、日本へは密入国だろうな。

 この長編漫画の面白さの醍醐味は、主人公女の子のサバイバル·サスペンス的な物語進行かな。“ヒル”たち浮浪者を管理しようとする闇組織には何人か殺し屋少年がいて、主人公女の子は命を狙われ、久しぶりに帰郷して見た田舎の家は、その殺し屋少年に火を放たれて父親は焼き殺されるし。少女が育った家は全焼してなくなる。

 実際の話、今の時代、都会も田舎も、特に地方は空き家が増加しているでしょ。2030年には日本の家屋の3分ノ1は空き家になってしまうと言われてるし。増加してる空き家にはホームレスが不法に入って寝泊まりしてることも多いだろうな、と思う。

 若くて突然仕事にあぶれてしまった青年とかも、いきなりホームレス状態に陥ったから寝泊まりするところに困って空き家に違法侵入しそうに思うし。今の社会は派遣ぎりとかも多いしね。

 空き家に不法在住してもなかなか見つからないだろうしな。その点、この漫画の“ヒル”で生きて行くのは、やはり難しいだろうな、と思う。やっぱ、実際に暮らしている部屋に入って中の物を使ってたら、直ぐにバレるよ。

 漫画では、“ヒル”暮らしの浮浪者がけっこう存在するけど、実際には“ヒル”なんてやってる人は本当に少ないだろうな。

 でも全国の空き家に不法在住してるホームレスの人はけっこう存在すると思う。なかなかバレないと思うし。

 現代の漫画作品で、「闇金ウシジマくん」もそうだし、「明日私は誰かのカノジョ」も「アンダーズ 里奈の物語」や「東京貧困女子」なんて漫画も、実際の社会で起きてる現象の今話題の、新宿·トー横キッズのニュースも、現代社会の苦難の若者たちを描いている(“トー横キッズ”は創作でなくて現実)。

 虐待親·毒親の劣悪な環境やシンママの貧困家庭で育つ子供たちが、思春期からハイティーンの年齢になって、サバイバルのように苦労しながら生きて行く。そこに夢とか希望とかはない。

 劣悪な環境で育って、底辺生活を続け、結局、最後まで底辺生活から抜けれずにどんどん歳だけ取って行く…、という若者も多そうだな。逆転人生の機会もなさそうだし。何か暗く重たい気分になるな。

 BREAKING DOWN の応募者が何千人と殺到するのが解る気がする。

 そういう暗くて重たい青春を背景に描いているということで、漫画「ヒル」もまた、現代の若者の生き様の一面を表現している。

 「闇金ウシジマくん」「明日私は誰かのカノジョ」「アンダーズ 里奈の物語」「東京貧困女子」「ヒル」etc. etc. …、らの漫画作品は、現代格差社会の底辺に生きる若者たちを映し出している…。

 「少年のアビス」もそうだなぁ。

 若者に夢と希望のある、この国の社会になって欲しいけど…。

 

コメント
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