うろ覚えライフ。

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泡坂妻夫さん逝く

2009年02月08日 | ブックログ

 

○訃報 作家、泡坂妻夫さん 75歳…本格ミステリーで人気

       人情味豊かな本格ミステリーで知られる作家、泡坂妻夫(あわさか・つまお、本名・厚川昌男=あつかわ・まさお)さんが3日、死去した。75歳。葬儀の日取りは未定。喪主は妻厚川耀子(あつかわ・ようこ)さん。

 都立九段高校を卒業後、紋章上絵師の家業を継ぎながら、奇術を愛好し、プロ級の腕で知られた。75年「DL2号機事件」で第1回幻影城新人賞佳作に入賞してデビュー。この作品で名探偵、亜愛一郎が誕生した。

 奇術を小道具にした「11枚のとらんぷ」、小説の構造そのものをトリックにした「生者と死者」など、本格物でミステリーファンの熱心な支持を集めた。他の作品に「乱れからくり」(日本推理作家協会賞)、「折鶴」(泉鏡花文学賞)、「死者の輪舞」「毒薬の輪舞」「迷蝶の島」など。90年には職人の世界を描いた「蔭桔梗」で直木賞を受賞した。

 泡坂妻夫さん、75歳で亡くなられたんだあ。今の時代、75歳で鬼籍に入るというのは、どうなんだろう?往生したと言えるのか?日本人の平均寿命を調べると、2005年のでは、男性78,5、女性85,5となっている。女性は長生きだなあ。現在、百歳以上は日本には3万5千人近いくらい居るというし、90歳以上は確か、百数十万くらいの数居るんだ、と聞いたことがある。もう日本は超高齢化社会に入って来ているんだろうな。でも、男の平均寿命は78歳くらいなんだな。貧乏して苦労したり、寝たきり状態とかにならなければ、みんなやはり90歳半ばくらいまでは生きたいものだろうな。

 人が亡くなって不謹慎と言われるかも知れないが、僕は泡坂妻夫さんと聞くと懐かしさを憶える。僕は70年代末から80年代いっぱいは、探偵推理や怪談ものの短編小説が好きで、文庫本の短編集ばかりよく読んでいた。泡坂妻夫さんの作品は、長編は読んだことはないのだが、短編はけっこういっぱい読んでいる。10代半ば頃から推理探偵小説の好きだった僕は、長年の読書生活の間、いろいろな名探偵と出会って来たが、泡坂妻夫さんの代表的探偵キャラクター、曾我佳城さんは印象深く憶えている。美貌の中年女性マジシャン。

 泡坂妻夫さんの作品にはもう一人、名探偵キャラクターが居て、亜愛一郎というんだけど、こちらの方の作品群はどーもなじめなかった。文体というか、ストーリー進行の文章運びが、どーも僕には面白くなかった。探偵役の亜愛一郎のキャラも何か僕にはしっくり来なくて、何作かは読んだんだろうか。美貌の女性マジシャン曾我佳城さんが活躍するお話は俄然、面白かったですけどねえ。

 中島梓さんの、栗本薫名義での乱歩賞受賞パーティーの模様を書いたエッセイだったか、それとも別口の、推理作家たちの集まりのパーティーの様子を書いたものだったか、詳細は忘れたけど、中島梓さんら物書きたちの目の前で、泡坂妻夫さんがもうプロそのもののすごいマジックを披露しているシーンを書いているのを、読んだ記憶があるが、泡坂妻夫さんは相当な腕前のマジシャンでもあったらしい。

 学校ではずうーっと劣等生で来て、学校の勉強をして来なかった僕だったが、僕は、それは例えエンタティンメントでも、読んで来た本はどれも、まあ、勉強して来たようなもの、と思っている。難しい本は全然、読んで来てないんだけど。だから、昭和に活躍した作家先生たちが一人また一人と、現世を退場して行くのを、その度に知り、寂しく思っている訳だけど、泡坂さんも、僕が習った先生がまた一人、亡くなられたようなものだなあ。

 泡坂妻夫先生、御冥福をお祈りします。合掌。

  

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