旅限無(りょげむ)

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不思議に暇な菅総理 其の伍

2011-08-03 16:14:35 | 政治
■総理大臣は孤独で情生の報がなかなか得られないものだとも聞きますが、それを逆手に取って知らぬ存ぜぬを決め込み、自分の都合のよい時だけの記者会見を開いては政策を食い荒らして延命工作に熱中しているのが今の菅アルイミ首相なのかも知れません。それでも実質的な政治空白がいつまでも続けられるはずはなく、あちこちから限界の軋み音が上がりだしているようでもあります。

「わが家なんか、私よりも伸子の方が能力が高いんです。そんな女性はどこにでもおられる」菅直人首相は2日、男女共同参画に関する要望のため官邸を訪れた堂本暁子前千葉県知事らへのあいさつで、女性の能力を評価するのに伸子夫人を持ち上げてみせた。菅夫婦の力関係を暴露するような発言に、堂本氏らもつい吹き出した。首相はまた「節電も家庭では女の人がより参加しているのではないか。社会を下から支え合う社会のためにも皆さんの男女参画は極めて大きい」とも述べ、女性の社会進出の重要性を盛んに強調した。
2011年8月2日 産経ニュース 

■女性運動に熱心に取り組んで誰もが認める業績を残して政界を引退していた市川房江さんを担ぎ出し、選挙運動を手伝う振りをして支援者名簿を強奪して自分の選挙基盤を作り上げたと言われる菅アルイミ首相は、今でも「女性の社会進出」の話題になると饒舌になるようであります。しかし、それすらも権力を手に入れるための方便だった可能性がありそうです。所詮は女性票を掠め取るためのウソだったのかも?


保育所入所待ちが50人以上いた、全国101市区町村の合計保育所待機児童数が今年4月までの1年間で減少したのは、多くの自治体で保育所定員の大幅増に取り組んだ成果だ。しかし、削減効果が保育所定員増加幅の5分の1程度にとどまる自治体も少なくない。思うように待機児童が減らない背景には、三つの「壁」が浮かび上がる。政府は先月27日に関係閣僚で合意した新たな子育て支援制度「子ども・子育て新システム」によってさらに解消を図る意向だが、その実現性は大きく揺らいでいる。……定員が増えると預けるのを諦めていた人の保育ニーズを掘り起こし、申し込みが急増するためとみられる。……名古屋市は10年度から潜在需要を考慮し定員を576人増やしたが、待機児童数は倍増以上の1275人に膨らんだ。真の需要を見誤るとかえって待機児童が増える典型例だ。…… 

■政権交代用『マニフェスト』には「縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化し、質の高い保育の環境を整備する」と明記され、具体策として「小中学校の余裕教室・廃校を利用した認可保育所を分園を増設する」とか「保育ママの増員」などが掲げられているのですが、鳩山サセテイタダク前首相の代では何も実現せず、菅アルイミ内閣になってからは「幼保一体化」なる乱暴な政策が突如として出て来たことがありましたなあ。


……定員を600人以上増やし、待機児童173人をゼロにした秋田市は、例年2億~3億円だった保育施設整備費を10年度は7億8000万円に増やした。一方、予算が確保できず、定員増を見送った大阪府茨木市は待機児童が165人に倍増した。…… 

■秋田県は全国学力テストで好成績を残していますから、教育には熱心に取り組んでいるようですが、他の地方自治体と同様に財政は決して楽ではないはずです。国と地方自治体との政治的住み分けを「地方主権」の一言で具体的なビジョンもないまま混乱さただけの民主党政権の責任は重大と申せましょう。


……「0~2歳の壁」の問題もある。……3歳以上は空きが出ている。幼稚園など他の選択肢もあり、0~2歳児に比べ需要が少ないからだ。それでもいったん2歳児を受け入れると翌年には3歳児クラスに持ち上がることを想定せねばならず、年齢ごとの定員はバランスをとらざるを得ない。10年4月の全国の待機児童(2万6275人)のうち、82%が0~2歳児だ。…… 

■こうした実態を菅アルイミ首相は把握しているのか?「政治主導」を謝罪も反省も説明もしないまま方向転換して財務官僚の軍門に下ったのは衆知の事実ですが、元々、言葉自体が間違っていると言われていた「地方主権」の面倒臭さに嫌気がさしたのか、震災復興の大事業でさえも地方に丸投げして知らん顔しているくらいですから、待機児童問題などもう頭の隅にも残っていないかも知れませんぞ。


……保育所が自宅や職場から近いに越したことはない。しかし、そこまで目配りした上での定員増は難しい。定員を220人増やしながら待機児童が4倍に膨れた那覇市では、「本人の希望通りの地域に空きがないことも影響している」と話す。……待機児童解消策の切り札として政府は「子ども・子育て新システム」を13年度にもスタートさせる意向で、保育サービスを受ける子ども(09年度215万人)を14年度は241万人に増やす目標も立てている。しかし、目玉の幼稚園と保育所を一体化する「総合施設」は待機児童の8割を占める0~2歳児の預かりを義務づけておらず、「0~2歳の壁」を崩すインパクトに欠ける。また、見通しの立たない税と社会保障の一体改革による消費税増税が大前提で、実現性そのものが危ぶまれている。…… 

■厚労省と文科省とを「政治主導」で結び付けられると簡単に考えてしまった民主党の罪は重く、待機児童の潜在需要を無責任に掘り起こしてしまった揚句に予算も付けられずに見棄ててしまうことになりそうです。鳩山サセテイタダク前首相は「命を守りたいのです!」と叫んで最初の所信表明演説をしたのですが、震災・原発事故以後の菅アルイミ首相の言動からは似たような物はまったく感じられません。


政府は当初、幼稚園と保育所をすべて一体化し待機児童を解消する考えだった。ところが幼稚園団体などの反発で断念し、一転、幼稚園の存続を認めた。「総合施設」も3歳以上しか受け入れない幼稚園からの移行に配慮し、0~2歳児の預かりを義務づけなかった。その「穴埋め」策として、政府は保育士が少人数の子を預かる「保育ママ」事業の拡充を目指す。だが、09年度に手がけたのは77市区町で利用者は約2600人。保育所定員の0・12%に過ぎない。……新制度の本格実施までは自治体独自の取り組みが続く。だが、財源難の折、保育所増設を支えてきた「安心こども基金」も存続の保証はない。東大阪市の担当者は「国は早く道筋を示してほしい」と不満を漏らす。
2011年8月3日(水) 毎日新聞 

■こうした実態を見て見ぬ振りをして国会では「子ども手当て」をどうするこうすると馬鹿馬鹿しい喧嘩をしているのであります。もう誰も民主党の『マニフェスト』に書かれていた絵空事の実現など考えていはいないのに、民主党は意地になって国会を空転させるばかりで、それを我が意を得たりと自分の延命工作に組み込んでニンマリしている菅アルイミ首相夫妻は、食い歩いている暇があったら夜も子どもを預けて必死で働いて頑張っている母親達の実情をつぶさに見て歩いたら如何でしょう?

不思議に暇な菅総理 其の四

2011-08-03 13:24:41 | 政治
■「原発に凄く詳しい」菅アルイミ首相は外交、特に日米関係に関してはまったく何も御存じないらしいので次のニュースを聞いても、「へえ」と他人事みたいに無視してしまったのでしょうなあ。これは菅アルイミ首相が長野県で愚にもつかない話をした翌日の7月31日に報道されたものです。

日米両政府は、昨年の日米安保条約改定50周年を機に策定することで合意していた新たな「日米共同宣言」のとりまとめを断念する方向となった。……日本の政局混迷によって9月上旬の菅首相訪米が中止となることが濃厚なうえ、米側が重視する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加について日本側が検討を先送りし、経済分野での連携強化を打ち出しにくくなったことなどが理由だ。新宣言は、日米同盟のさらなる強化の象徴となるはずだったが、日本側の政治の機能不全によって、ついに白紙に戻る事態となった。…… 

■原発を止めて全国で1万人以上もの節電熱中症患者を出しても見舞いの言葉もなく、生産現場は電力不足に加えて急激な円高に悲鳴を上げているというのに世界規模の経済対策会議の開催を呼び掛けるでもなく、勿論、沖縄の基地問題を解決する気などさらさらない菅アルイミ首相は現地に一度も足を運びませんし、米国には行きたくても行けない孤独な役立たず総理の生活が続いております。


新たな共同宣言の策定は、昨年11月、横浜でアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれた際に菅首相とオバマ大統領が会談して合意した。〈1〉安全保障〈2〉経済〈3〉文化・人的交流――の3分野について、同盟の次の50年の基本方針を示す文書を作るとし、両政府当局者は、9月上旬の菅首相の訪米時に両首脳が発表する段取りを描いていた。
2011年8月1日(月) 読売新聞 

■3分野のどれ一つを取っても菅アルイミ首相が「凄く詳しい」と啖呵を切れるものはなさそうです。こんなに大事な「基本方針」を作れない無能・無力な総理大臣が、まだ居座って何をしようというのでしょう。いつ仮免許を卒業して本免許になったのかは存じませんが、仮免総理が任命した死刑制度を「勉強中」と平然と言ってのける随分と老けた学生みたいな法務大臣を任命した責任を問う声さえ出て来ない国会という場所も変なのですが……。「基本合意」が作れなければ(1)安全保障では東シナ海の緊張、(2)経済では為替問題と財政問題、そして貿易制度がまったく停滞して身動き出来なくなってしまうでしょう。これも役人を「オオバカ」呼ばわりして身の程知らずの「政治主導」で無邪気にはしゃいだ無能な総理大臣に対する官僚群が仕掛けたサボタージュだとしたら、エライことであります。


中国国家海洋局は30日までに、福島県沖の海水から中国近海の300倍を超える放射性物質セシウム137を検出したと発表した。ストロンチウム90は10倍を超えたほか、セシウム134も検出。「福島県の東から東南方向の西太平洋は明らかに原発事故の影響を受けている」としている。
 同局は福島第1原発事故の海洋への放射能汚染状況を調査するため、6月16日から7月4日まで海洋観測船を派遣。大気と海水、海洋生物のデータやサンプルを採取した。中国が観測結果を公表するのは初めて。同海域の大気には異常はなかったという。 
2011年7月31日(日) 時事通信 

■こうした隣国の厚い友情は有り難くて涙が出そう……などという事は金輪際ありません。どうしてこんなデータを他国から出して貰わねばならないのでしょう?民主党は「情報開示」を金看板にしていたのに原発事故以来、稚拙で強引な情報の隠蔽と操作ばかり繰り返しております。親切ごかして世界中に風評を広げて日本の漁業を壊滅させてしまおうと誰かさんが画策しているのかも知れませんぞ!


31日午前7時25分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島から北北西約61キロで、中国の海洋調査船「北斗」が航行しているのを海上保安庁の航空機が確認した。海保は日本の排他的経済水域(EEZ)で同意のない海洋調査は認められないと警告。調査船は応答しないまま、午後4時30分ごろにEEZを出た。尖閣諸島周辺では、中国の漁業監視船が30日に魚釣島沖の日本の接続水域を一時航行したが、海洋調査船が確認されたのは今年初めて。
第11管区海上保安本部(那覇市)によると、北斗は船尾からワイヤのようなもの4本を引きながら航行。11管は同船が海洋資源を調査したとみている。中国の海洋調査船が尖閣諸島沖で確認されたのは昨年3月で、1隻が久場島の北北西沖の日本のEEZを航行していた。
2011年7月31日(日) 時事通信 

■「魚釣島から北北西約61キロ」で放射性物質の調査をしていた筈もなく、菅アルイミ内閣の「柳腰外交」に付けこんで我が物顔で領海を侵して柳腰の限界まで捻じ曲げてみようと試しているとも思えますが、またしても菅アルイミ内閣は最前線の海上保安庁に責任を丸投げして知らん振り!ますます長野県に出掛けてヨタ話をして貴重な1日を潰してしまった31日が惜しまれますなあ。


今月26日に行われた日中防衛次官級協議で、中国人民解放軍の馬暁天副総参謀長が、南西諸島への陸上自衛隊配備計画や、海上自衛隊による東シナ海での警戒・監視活動の強化方針を問題視し、「日本は危険な方向に向かっている」と批判していたことが分かった。これに対し、中江公人防衛次官は、「陸自の配備は日本防衛の空白地域をなくす意味がある。特定の国を想定していない」と説明した。また、「専守防衛という日本の防衛政策の基本方針に変わりはない」と反論した。複数の政府関係者が30日、明らかにした。…… 

■終日訪ねて来る者もなく一人寂しく公邸に佇んでいた菅アルイミ首相にも、この情報は届いているに違いありません。「柳腰外交」を訂正するわけにも行きませんから、防衛関係の専門家を呼ぶ気もなかったのでしょうか?


会談は、防衛省で約4時間行われた。この中で、馬氏は、陸自配備は中国をけん制するものだとの認識を示した。日本が新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)や、先月の日米共同声明で、東シナ海や南シナ海で海洋活動を活発化させている中国を念頭に、「脅威」や「懸念」を表明している点についても、「我々には何ら懸念されるようなことはない。南シナ海問題は(中国と周辺国との)2国間の話であり、米国は関係ない」と主張した。
中江氏は、馬氏に対し、中国の軍事活動の透明性向上に向けた一層の取り組みを求めた。
2011年7月31日(日) 読売新聞 

■「懸念」するかしないかは日本が決めることで、自ら「心配するな!」と決め付けるのはチャイナの流儀なのでしょう。それでも「アメリカを呼び寄せないでね」と弱音とも本音とも取れる主張ではあります。こんな事を言われるのも新しい日米関係の「基本方針」が作れないほど日本外交が衰弱しているからなのでしょうなあ。菅アルイミ内閣が誕生してから、日本の海や島は日に日に危うくなっております。それだけでも政権返上する十分な理由になると思うのですが……。民主党が開けた外交の大きな穴の数々を、仮に政権再交代があったのしても新政権が埋め戻すのは大変な作業になりそうです。嗚呼

不思議に暇な菅総理 其の参

2011-08-03 13:12:13 | 政治
■さて、そんな激動の1週間が過ぎまして、福島原発も収束は遠く地震と津波の被災地では苦しい生活が続いているというのに、7月30日の「首相動静」を覗いてみたら仰天してしまいましたぞ!

首相動静(7月30日)

午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
午前中は来客なく、公邸で過ごす。
午後も来客なく、公邸で過ごす。
31日午前0時現在、公邸。来客なし。
時事通信 7月31日(日)0時3分配信 

■土曜日だからのんびり休日を過ごしたというだけの話で済むのか?打ち合わせや相談事をする相手も現われなかったのは、何か重大な事柄をじっくり一人沈思黙考するために面会謝絶にしていたのか、単に「原発解散」「暴発解散」の脅しが効き過ぎて数少ない側近たちも地元に帰って選挙の幻に怯えて必死の形相で再選のお願いをして歩いていたのか?それとも都内に残って仕事をしていた閣僚や議員は誰も菅アルイミ首相と相談する用件がまったく無かったのか?米国の国債が暴落するかも知れぬと急激な円高が進んでいたのに財務大臣とも会わず、チャイナでパクリ新幹線が大事故を起こしたのに国交省やJRの専門家とも会わず、勿論、放射性セシウム汚染の広がりが牛肉から米へと進み国民が不安の中で大騒ぎしているのですから農林省にも重要な用事が有る筈なのに、菅アルイミ首相は誰にも会わず何処にも出掛けない土曜日を過ごしていたのでした。

■またこの日には米国で、使用済み核燃料の処分のあり方を検討していた有識者委員会から受け入れ能力の高い「中間貯蔵施設」や「最終処分場」の建設をオバマ大統領に提言する中間報告というとても大事な発表があったのです。5月9日付けの毎日新聞が「核処分場:モンゴルに建設計画 日米、昨秋から交渉 原発ビジネス拡大狙い」というスクープ記事を掲載して、その後も7月に他紙が後追い記事を書いていたと思いますが、推進派は勿論のこと脱原発であろうと減原発であろうと、高レベル廃棄物の最終処分は必ず解決しなければならない大問題ですから、財務省の思惑に乗せられて東電と銀行と株主を増税で救済する支離滅裂な仕組みなど作っている暇があったら、「一定のメド」に最終処分を検討する専門組織作りでも入れたら如何なものでしょう?そんな事を考えていたら、翌日曜日は打って変わって菅アルイミ首相は忙しく動き出したのであります。


首相動静(7月31日)

午前10時現在、公邸。朝の来客なし。
午前11時26分、公邸発。
午後1時45分、長野県茅野市の諏訪東京理科大学着。同46分、理事室へ。
午後1時47分、福山哲郎官房副長官が入った。同49分、田坂広志内閣官房参与が加わった。同57分、全員出た。
午後2時22分、同室を出て、同24分、621教室へ。「みんなのエネルギー・環境会議」に出席し、あいさつ。
午後3時37分、同室を出て、同38分、理事室へ。同43分、同室を出て、同45分から同47分まで報道各社のインタビュー。「きょうのシンポジウムの感想を」に「非常に前向きで建設的な議論がなされていた」。同48分、同所発。
午後7時27分、公邸着。
午後7時30分から同9時50分まで、江田五月法相、民主党の津村啓介、藤田一枝両衆院議員ら。
1日午前0時現在、公邸。来客なし。
2011年8月1日(月) 時事通信 

■菅アルイミ首相は6月15日の夜、国会内で行われた「再生可能エネルギー促進法の早期制定を求める集会」に呼ばれもしないのに飛び入りして、かの有名な「国会には『カンの顔だけは見たくない』という人が結構いる。そういう人たちには『本当に見たくないのなら、早くこの法案を通した方がいい』と言おうと思いまーす」という暴言をジョークか猥談でも楽しむかのようなニヤニヤ顔で叫んだのでありました。それから1箇月半、今度は長野県茅野市に出掛けて何を言うのやら、と心配していましたら、嗚呼、やっぱり「薬害エイズ」の思い出話を持ち出して原発政策を論評したのでした。これが反原発運動をしている市民運動家や評論家などの口から出たのならば傾聴にも値しましょうが、総理大臣がこんな他人事みたいな話をしている場合なのでしょうか?菅アルイミ首相はそのままトンボ返りで東京の公邸に戻り、震災と原発事故に続いて豪雨に襲われて「避難は6箇所目」と肩を落としている被災者がいる福島県西部には足を向けなかったのでした。一体、何がそんなに忙しいのやら……。


菅直人首相は31日、長野県茅野市で開かれた原発や再生エネルギーに関する会議で、今後のエネルギー政策に関し「大きな方向性としては原子力に対する依存度を低減させる」と重ねて表明した。同時に短期、中期、長期の3段階でエネルギー政策を見直す政府方針に触れ「工程表をきちんとつくる」と強調した。経済産業省原子力安全・保安院のやらせ問題に関し「私が厚生相の時の薬害エイズの構造とそっくりで、根本的な問題だ」と指摘。「国民の安全を担当する厚生省が天下りをして、逆にメーカーの利益を尊重する薬務行政になっていた。安全性を国民の立場でチェックしなければならない保安院が、推進する側のお手伝いをしている」と批判した。
2011年7月31日 産経ニュース 

■原発事故が起こってから、日本の原発行政の闇が次々と暴かれまして、国民は少々食傷気味になっているくらいに膨大な情報が噴出しております。その中で「薬害エイズの構造とそっくり」な官・産・学・マスコミの共犯関係は3月末には日本中の人々が知っておりましたぞ。そんな話を被災地にも行かずに長野くんだりまで出掛けて披露して公邸を半日も留守にしてしまう総理大臣とは何なのでしょうなあ。もしも本気で「3段階でエネルギー政策」を策定するのなら任期はぐっと延びて来年夏まででも足りなくなりそうですが……。