旅限無(りょげむ)

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標的としての菅アルイミ首相 其の壱拾

2011-08-01 06:28:39 | 政治
■稚拙な秘密外交ゴッコはあっと言う間に尻尾を出して、ウソにウソを重ねて恥の上塗りが続いている模様です。

中野寛成拉致問題担当相は26日の記者会見で、民主党の中井洽元拉致問題担当相が中国・長春で北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使と極秘接触したことについて、「中井氏から『ない』と報告を受けた」と述べた。中野氏は25日に中井氏に電話で問い合わせしたところ「生まれ故郷の長春をやっと訪問することができた」と答え、北朝鮮側との接触を否定したという。また、政府の拉致問題対策本部の職員が中井氏に同行していたことには「職員を海外へ出張させたことはない」と述べた。
2011年7月26日 産経ニュース 

■第一報が流れた翌日に「極秘接触は無かった」、外務省から出向中の職員の同行も否定する騒ぎになりました。最初から簡単にバレルような稚拙なウソをどうしてつくのでしょう?それが秘密外交の鉄則だとでも思っているのでしょうか?何をやってもドジな政党だなあ、と情けなく思える話なのですが、野党第一党の自民党は黙って引き下がるわけにも行かず、あわよくば内閣不信任案の出し直しの材料にしようかと頑張り始めたようなのですが……。


菅直人首相は26日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で、中井洽元拉致問題担当相が北朝鮮の宋日昊・日朝国交正常化交渉担当大使と中国で極秘に接触していたことについて「全く承知していない」と否定した。拉致問題解決のための自らの訪朝については「そうした予定なり準備を進めていることは全くない」と語った。みんなの党の柿沢未途氏の質問に答えた。
2011年7月26日 産経新聞 

■「全くない」のは「過去にも全く無かった」とは違う意味を持つ発言ですし、接触の有無も「承知していない」と言うのも後で動かぬ証拠を突きつけられたら「忘れていた」と答えて逃げるための布石か?


菅直人首相の北朝鮮訪問に向け、中井洽元拉致問題担当相が中国・長春で北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使と極秘接触した問題で、中井氏が訪中前に政府首脳と会い、交渉方針を事前調整していたことが27日、分かった。複数の日朝関係筋が明らかにした。政府は一切の関与を否定しているが、実際は首相官邸が「二元外交」を主導していたことになる。関係筋によると、政府首脳と中井氏の会談は7月中旬に都内で行われた。政府首脳は、北朝鮮が拉致問題で譲歩し、進展があれば首相の「延命」につながるとの考えを示し、中井氏に期待感を表明。「8月上旬までに日本政府として状況を見極めたい」との旨を伝えたという。…… 

■「政府首脳」とは菅アルイミ首相以外に該当者はいませんから「承知していない」というのはウソになります。7月半ばの段階で北朝鮮側が「譲歩して進展がある」可能性があったのか?!中井担当相が極秘情報を入手していたとしたら極秘交渉の中身が是非とも知りたくなりますなあ。


また、中井氏の極秘接触には北朝鮮側の意向を伝える仲介者がいたことも判明した。北朝鮮は仲介者を通じ昨年末から中井氏ら複数の与党議員との接触を開始した。外務省がこの動きを把握したのは今春になってからで、すでに数回の接触が行われていた。国会議員ルートを通じた北朝鮮との交渉はリスクが大きく、過去に失敗例が多いことから、外務省は仲介者の動きを警戒していたという。一方、中野寛成拉致問題担当相は27日の衆院外務委員会で「中井氏の要請を受け、休暇を取って中国を訪問した職員がいる」と述べ、政府の拉致問題対策本部事務局職員の同行を認めた。職員は通訳や案内を行い、旅費は自ら支払ったという。海外渡航に必要な許可申請はしていなかった。職員は事務局に「中井氏が言ったこと以外に申し上げることはない」と詳しい説明を拒んだという。中井氏は27日、自らが本部長を務める民主党拉致問題対策本部役員会で「(訪中は)ふるさとを見て泣いて帰ってきただけだ」と説明し、宋氏との接触を重ねて否定した。
2011年7月28日 産経ニュース 

■「泣いて帰って来た」のだけは本当で、交渉が決裂した上に逆に押し込まれて「泣きっ面に蜂」だったのかも知れませんぞ。同行者の存在と宋氏との接触、いつまで知らぬ存ぜぬで通せるのでしょう?野党側からは件の職員を引っ張り出して吊るし上げようとする動きもあるようですから、逃げ切れるのか?


中井洽元拉致問題担当相が訪中し、宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使と会談した問題に絡み、中野寛成拉致問題担当相は29日、閣議後会見で、中井氏に同行した内閣府の拉致問題対策本部職員の処分を検討する考えを示した。中野氏は「休暇を取って同行したということで問題ないと思う」としながらも「(内閣官房の内規で)外国への渡航許可が必要であったのを失念していたのは問題。所管する部門で処分を検討されるものと思う」と話した。同本部によると、内規では一般職員が海外渡航する場合は渡航先などを申請し承認を得なければならず、違反した場合、重い時は懲戒処分の対象となる。
2011年7月29日(金) 毎日新聞 

■TBSテレビのカメラが7月29日に同行した職員の姿を捉えて「前に大臣をやっていらして、そのときの部下でしたから、長春に行くので通訳兼案内で来てくれないかと。休暇を取って行きました」との証言を撮っております。どうして渡航許可を申請しなかったのか?手続きする暇もないほど急な出国だったのか?拉致被害者の皆さんからは期待と不安が入り混じった複雑な言葉が漏れ伝わっていると聞きますと、慣れない外交で一発逆転を狙って空振りした菅アルイミ内閣の罪は人騒がせな「鼬の最後っ屁」だけでは済みますまいなあ。どうやら懲戒処分を受けることになりそうな通訳兼案内役を仰せ付かってしまった職員も気の毒ですが……。


仙谷由人官房副長官が8月下旬に中国訪問を検討していることが26日、分かった。政府関係者が明らかにした。北京で行われる日中友好目的の国際シンポジウムに参加する。シンポジウムには日本側から自民党の石破茂政調会長や加藤紘一元幹事長らも参加予定で、仙谷氏は今後の国会運営をめぐり石破氏らと接触するとみられるほか、中国政府の要人との会談も行う方向だ。
2011年7月27日(水) 産経新聞

■ちゃんと尖閣問題やガス田問題、さらには航空母艦の進水と釘を刺して置かねばならない重大問題が山積している時に開催される国際シンポジウムですから、石破政調会長あたりから国益に叶う発言があったらよいなあとほのかな希望を持ちたいところですが、酒乱暴走衝突船長を不起訴処分にして帰国させてしまった張本人の仙谷ノーコメント官房副長官は、誰を相手にどんな発言をして得意の「柳腰外交」を展開して見せるのやら……。まさか、自分の首を差し出して自民党との大連立を画策した仙谷ノーコメント官房副長官が自分を差し置いて訪中する!と怒りで何も見えなくなった菅アルイミ首相は独断で平壌電撃訪問を思い立ったのではありますまいな?!

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